MS ゴシック(MS Gothic)とは、マイクロソフトの提供するオペレーティングシステム「Windows」の日本語版に搭載されているゴシック体の和文フォントである。
1992年の「Windows 3.1」で「MS 明朝」と共に初搭載された[1]デジタルフォント。
リョービイマジクス(当時)の書体「ゴシック(1982年〜)」の字母を元にリコーが調整を加えて開発し、マイクロソフトに提供したもので、当時の解像度の低いディスプレイや表示性能の低い機械での表示を意図した設計となっている。
そのため印刷などは目的としておらず、実際に高解像度に出力すると文字の不統一感やアンバランスさが生じてしまうことから「ダサい」フォントの代名詞の一つとして語られることがある。少なくともデザインの場で用いられることは少ない。
一方でデフォルトフォントであるという特性上から、ビジネス上の文書や動画作品などで使用されている例はそれなりに多く、ニコニコ動画でもかなりの頻度で見かけられる。
始筆部に打ち込みの入った一般的なゴシック体の特徴を持つ。それらエレメントや骨格などの特徴はリョービ・ゴシックから受け継がれたものであるが、抑揚が抑えられて直線的になったり隙間が空けられたりと低解像度向けの調整が入っている。
さらに256メッシュ×256メッシュというデジタルフォントとしてはかなりの低解像度でアウトラインが組まれており、その制約も相まち文字組みを行うと全体的に不格好な印象となってしまう。
もしも高解像度の現場で同様の書体を使おうとするのであれば、同じリコーにより同じ字母で制約無く開発された「HGゴシック」や他社の書体を用いるのが賢明であると思われる。
書体の中にはビットマップ字形も入っており、低解像度の小さな文字表示ではこれが表示される。ドットであるため洗練されておりこちらは読みやすいものとなっている。
「MS ゴシック」が正式名称となっている。「MS」は全角で、「MS」と「ゴシック」の間には空白が入る。しかし打ちにくいため第三者の用例としては「MSゴシック」の方がダントツで多いのが実情である。
MS ゴシックは1つではなく、基本となる等幅の「MS ゴシック」、文字幅が文字ごとに調整され文字詰めが自動で行われる「MS Pゴシック」、ウィンドウズのユーザーインターフェイスなどで文字を程よく表示するために作られた「MS UI Gothic」の3種類がある。このMS UI Gothicは、元の書体から仮名のデザインを変更して幅をかなり詰めている。
Windowsに標準搭載されているため市販のパソコンから容易に入手できる。
Macintoshなど他の環境で利用する場合、MyFontsで販売されているのを買い求める必要がある。価格は単品で5700円ほど(2024年現在)。……これに費やすよりは、フリーフォントを入れるかほかのフォントを購入した方が良いと思われる。
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最終更新:2024/12/22(日) 00:00
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