ダート(競馬)とは、競馬場のコースに使われる素材である。
「Dirt」の意味は、メリアム=ウェブスター大学辞典によると「loose or packed soil or sand」、すなわち「疎であったり密であったりする土または砂」となっている。
北米と日本では気候の違いから質の違うダートが採用されている。
北米では雨が少ないために芝の育成が難しく、ダートでの競走が主流である。実際アメリカの三冠競走はすべてダートで行われ、またブリーダーズカップ・ワールド・サラブレッド・チャンピオンシップではダート競走のブリーダーズカップ・クラシックは芝のブリーダーズカップ・ターフより賞金が高くなっている。
また、アメリカの競走でのダートは赤土であり、日本のダートで採用されている砂よりスピードが出やすいとされている。近年に設立された高額賞金のダート国際競走「ドバイワールドカップ」のコースはアメリカから赤土を持ち込んで作ったものである。
イギリスを中心とする欧州の競馬に範を取った日本では、日本ダービー・有馬記念などの多くの主要レースは芝で行われている。しかし、欧州に比べて夏の暑さや雨の多さなど厳しい気候にある日本の環境では、芝コースの使用頻度を抑える必要があり、その目的のためにダートコースが導入された。また、蹄によって掘り返された穴を人力で埋め戻しては芝の種を蒔く必要がある芝に比べると、馬鍬(ハロー)という農具で整地すれば整備が完了するダートは、管理が容易でコストが低廉なことからサラブレッドの競争が行われるすべての地方競馬で採用されている(地方競馬では盛岡競馬場のみ芝コースと併設されている)。「中央・地方交流元年」の1995年以降はダート路線が整備され、1997年にはフェブラリーステークスが日本で最初のダートG1となった。
雨の多い日本ではアメリカのように赤土を採用すると管理が難しくなる。そのため、水はけのよさに適した砂を採用している。柔らかくクッションの効いたこの砂の馬場を攻略するには、スピードに加えてパワーが必要となる。
日本と北米のダートの違いから日本のダート王が海外のダートで凡走することも多く、また逆に旧ジャパンカップダートで招待した北米の有力馬が凡走することも多かった。
しかし2021年11月のブリーダーズカップ・ディスタフ(デルマー・ダート9ハロン)でマルシュロレーヌが日本生産・調教馬初の海外ダートGIを制することとなった。
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最終更新:2025/12/11(木) 08:00
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