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ワールドプレミア

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ワールドプレミア(World Premiere)とは、2016年生まれの日本の競走馬である。黒鹿毛の牡馬。

安平町・ノーザンファーム生産、栗東・友道康夫厩舎所属
馬主は大塚亮一(他にクロコスミア等を所有)。
主な勝ち鞍
2019年菊花賞(GⅠ)

名前は「世界規模での上映会を目指して」(JRA競走馬情報より)。

概要

父ディープインパクト、母*マンデラ、母父Acatenangoという血統。

父は2005年の牡馬三冠馬で、種牡馬入り後は非常に高いアベレージを誇りリーディングサイアーを突っ走る大種牡馬。詳しくは個別記事へ。母はドイツ生まれで現役時代3勝、ドイツオークス3着馬。母父のアカテナンゴはドイツの大レースを総なめにし、種牡馬としてもジャパンカップ馬Lando他多数の活躍馬を出したドイツの優駿。母の母の...とたどっていくと6代母まで「M」から始まる名前のドイツ牝系である。
全兄に皐月賞2着馬でマイラーズCを制したワールドエース、叔父にMonsun産駒で欧州マイル路線で活躍したManduroがいる。まず良血と言って差し支えない。

サンデーレーシングの一口馬になったワールドエースと違い、2016年の当歳(0歳)セレクトセールに出されると税別2億4000万円(当歳2番目の高値)で大塚亮一オーナーに落札される。この大塚オーナー、元騎手の夢を持ちながら競馬学校に落ち、その後馬主となった人物で、90年オグリキャップの有馬記念を見て競馬と武豊のファンになったとの事。後に本馬の主戦として武豊を据えられたのはオーナー冥利であろう。

競走生活

2歳~3歳春

栗東の友道康夫厩舎へ入厩し、2018年10月21日にデビュー戦を迎える。鞍上には武豊。
京都芝1800で行われた新馬戦を1番人気で迎え、出負けするものの中団につけ、直線で力強く抜け出してデビュー勝ちを果たす。なおこの新馬戦では後の弥生賞馬メイショウテンゲン(2着)や重賞連対馬エスポワール(3着)やタガノディアマンテ(4着)がいた。

続く京都2歳Sは出負けの上大外を回されて伸びきれず離された3着に敗れたものの、続く自己条件のつばき賞では叩き合う内の馬を尻目に抜け出して勝利。更にリステッド競走の若葉Sに挑むが、若駒Sを勝ってきたヴェロックスに突き放され2着。

次走に青葉賞を予定していたが、ソエ(過負荷がかかった事による未成熟の骨の炎症、端的に言えば成長痛)が出たためレースを回避し、最終的に春シーズンの全休が発表された。

3歳秋

秋シーズンの復帰戦に神戸新聞杯を選択。ここでは皐月賞馬サートゥルナーリアやクラシックで善戦したヴェロックスに次いで3番人気に推された。レースでは押し出されたように逃げるシフルマンが非常に緩いペースで逃げ、極めて落ち着いた展開となる。直線では一気に追い込んだものの前を捉えられず、3着に敗れる。しかし菊花賞の優先出走権を確保した。この時、武豊は「馬体や走りは良くなったけど気性の成長が窺えない」と辛口ながらも「ラストはいい脚だった」とその能力を評価した。

続く菊花賞。皐月賞馬もダービー馬も、セントライト記念勝ち馬もいない状況で本馬は3番人気に支持される。1番人気は春から好走が続くヴェロックス、続く2番人気はルメールに乗り替わったニシノデイジー。
パドックでも首を振って若干イレ込む仕草を見せるなど相変わらず気性の幼い面を見せたが、発馬は上手く決まり、インに入って先団を見る位置につける。先頭カウディーリョが逃げ、前半1000m通過が62秒4とここだけ見ればスローに見えるが、その後12秒台ペースが続いて中弛みすること無く淡々と進む。こうなると最後は消耗戦、スタミナ勝負となる。
坂の下りから後続が殺到するが、武豊は仕掛けを遅らせて淀の坂をゆっくりと下り、4コーナー出口から馬群が横に大きく広がる中、ぽっかりと空いた内目のスペースへワールドプレミアを導き、一気に抜け出す。京都外回りは直線に入るとインが空く、そのセオリーを武豊が知らないはずは無い。ワールドプレミアは先頭に立ってなお脚を伸ばし、追いすがるヴェロックスを従え、外から伸びるサトノルークスをクビ差抑えて勝利。初の重賞、GⅠタイトルとなった。
この勝利により武豊は昭和・平成・令和の3元号でGⅠを制覇(他に可能性があるのは熊沢重文のみ)、史上最多の菊花賞5勝、最年長菊花賞勝利、また7月に急逝したかつての相棒にしてワールドプレミアの父、ディープインパクトに捧ぐ勝利となった。

秋3戦目に有馬記念を選択。この有馬記念ではGⅠ馬11頭が集結し、一番の目玉とされていたのが香港遠征を熱発で取りやめた後、有馬記念に参戦を表明したアーモンドアイである。単勝1.5倍の完全に一本かぶりの人気であり、続いて豪州遠征帰りのリスグラシュー、サートゥルナーリア。そして本馬ワールドプレミアは4番人気(単勝13.4倍)に支持された。
レース本番、スタートで若干立ち後れたワールドプレミアは最後方につけて脚を溜めるだけ溜める決め打ち作戦に出る。ハナを奪って逃げるアエロリットは前半1000m58秒5、その後もペースを緩める事無く進み、更に先行勢は逃げるアエロリットを4コーナー前から捕まえにかかる。こうなると前は総崩れとなる。
最後方から大外へ持ち出して直線に入り、一気に脚を伸ばす。直線で10頭以上をごぼう抜きするも先に抜け出したサートゥルナーリア、またその遙か先のリスグラシューには届かぬも3着を確保。いつも辛口な武豊も「来年が楽しみ」と期待を寄せ、陣営も初の関東輸送クリアと好内容を前に、来年の青写真を描いていた。

血統表

ディープインパクト
2002 鹿毛
*サンデーサイレンス
1986 青鹿毛
Halo Hail to Reason
Cosmah
Wishing Well Understanding
Mountain Flower
*ウインドインハーヘア
1991 鹿毛
Alzao Lyphard
Lady Rebecca
Burghclere Busted
Highclere
*マンデラ
2000 栗毛
FNo.3-d
Acatenango
1982 栗毛
Surumu Literat
Surama
Aggravate Aggressor
Ravan Locks
Mandellicht
1994 黒鹿毛
Be My Guest Northern Dancer
What a Treat
Mandelauge Elektrant
Mandriale

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