徹夜とは (テツヤとは) [単語記事]

徹夜（てつや）とは、夜を徹して作業することである。

概要

徹夜は、本来睡眠をとるべき夜間に、業務や勉強などの作業を続けたり、遊んでいたりすること。朝まで寝ずに作業などを続け、一睡もしないことはオール（オールナイト）や完徹（かんてつ）と呼称される。夜間残業は夜なべ（よなべ）とも呼ばれる。とくにソフトウェア産業において、プロジェクト達成のために徹夜での作業などの過酷な労働を強制される場合、デスマーチとも揶揄される。

以下のような切迫した状況のとき、徹夜が選択されることが多い。

仕事の締切りが間近に迫っている。
深夜、業務上のトラブルが発生した。
原稿の執筆に遅れが出ている。
定期試験などの重要な試験を控えている。
レポートや課題の提出期限が近い。

徹夜の最大のメリットは、数時間の余裕が生まれることである。Time is money（時は金なり）と言われるように、時間は貴重なものである。特に、締切りや試験を翌日に控えた状況で生まれる数時間の猶予は、本人にとって非常に価値の高いものと言える。

反面、デメリットは非常に多い。

自律神経系のバランスが崩れることに起因する、心身の不調。
- 気分の高揚、血圧の上昇、ホルモンバランスの乱れなどを引き起こす。
睡眠が十分に取れなかったことにより、精神的に不安定になったり、全身に倦怠感を覚えたりする。
日中に眠くなりやすい。
- 運転などの作業中に寝てしまい重大な事故につながった事例もある。
脳の働きが鈍くなり、作業効率が著しく悪化する。集中力や判断力が落ち、注意が散漫になる。
一夜漬けで覚えた知識の忘却は早い。
しばしば徹夜のためにコーヒーなどで摂取されるカフェインは、胃や十二指腸に対する攻撃因子を強める働きがあるため、胃腸に負担をかける。

そもそも睡眠とは、レム睡眠とノンレム睡眠を周期的に繰り返すことで肉体的・精神的な休養を取ることが出来る生体システムである。そのため、慢性的な徹夜により短時間の仮眠しか取れないような生活が続けば、肉体や精神に異常をきたすのは必至である。ヒトが一日の1/3もの時間の睡眠を必要とすることは、それだけ睡眠が重要であることの証左であり、決して軽んじて良いものではないのである。

このようにデメリットのほうが大きいのだが、それでもやむを得ず徹夜での作業を行わなければならない場合がある。デメリットを低減するために出来ることとして以下のようなものがある。

炭水化物や糖分などの糖質の摂取を抑え、タンパク質を摂る。
カフェインの摂取は少量に留め、摂り過ぎない。
朝、日の光を浴びる。セロトニンという睡眠と覚醒に関わる生体内物質が分泌される。
つらいときは仮眠を取る。15分、30分程度でも取らないよりは良いとされる。
諦めて寝る。

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