徹夜組 単語

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テツヤグミ

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徹夜組とは、大規模なイベントが行われる前日、または当日の深夜にその会場周辺でスタンバイする連中である。
コミックマーケット(以下コミケ)の徹夜組が有名なのでここに記す。

概要

コミケに参加した経験ある人。したことがなくともまとめアフィ等でコミケ記事を見た人ならその存在は知っているだろう。

なぜ彼らは徹夜するのか? 理由をあげると

  • 書店委託・通販が行われていない会場限定品であるが故に売が確実視されているのでどうしてもゲットしたい者
  • 上記に付け込み、転売による利益的の者(転売厨転売ヤー
  • (※)待機列が暗闇であることを利用し、置き引きをするのが的の者

などがあげられる。なお3つ(※)は便乗しただけの犯罪者である。

コミケにおける徹夜組の歴史

コミケ誕生後、いつから発生したのかは定かではない。しかし、1977年C5からすでに行列が発生し頒布物を購入できない事態が発生しており、これ以降から立つようになって行ったと思われる。また、初期コミケスタッフ間で合宿と呼ばれる会場での泊まり込みが行われており、彼らと徹夜組との判別も難しかったためしばらく問題視はされず対策は行われなかった。

81年C18における警備に対する考え方の違いから、スタッフが分裂する事件が発生(コミケ分裂騒動)。これは列の管理がな原因だったが、抑圧的な警備を批判した勝利したため強権的に徹夜を排除する下地は失われてしまうことになる。

この事件を機に晴海会場を選択したコミケであったが、近くにアパートなどの住居施設が存在したため、断で侵入してコンセントから盗電を行う者が出現。他にも大人数による騒音治安の悪化から、徐々に徹夜組の弊クローズアップされるようになる。

取り組み

晴海時代は会場にC館と呼ばれるやや利用しにくい場所に徹夜組を収容することで対処(通称C館体制)。しかし、徹夜認と誤認されてしまうことや会場スペース(一説によると2500サークル分)を違反行為をしている徹夜組に割かれてしまうため批判が絶えなかった。

96年以降、コミケ有明会場(東京国際展示場)に移るが、こちらは当初有明地域が人であったことや会場の構造上、C館体制のようなスペースを用意できず(上述の批判もあり)特段の対策は取られなかった。しかし、人であることは犯罪の温床であることもあり、恐喝事件などいわゆるオタク狩りも発生。また、当時は新しい施設であったため、徹夜組による壇や通路の破損も問題となり、酷い時には万円単位の罰金を支払ったと言われる。

02年、カタログにおいて大々的な批判ページを設けるも、これはむしろ徹夜組の存在を新規の参加者に宣伝する形となってしまい、増加に拍をかけることになる。以降、禁止を表明しつつ大きなページは割けないと言う矛盾が生じたと言われる。また、2000年を前後に徹夜参加者は一万人を突破しているとされる。

05年コミケットスペシャル4は24時間開催が売りであったが、これは徹夜認した場合を想定したテストであったとされる。未成年参加者の排除や列の統制・警備などで経験を得られたものの、最終的に認へとを切ることはなかった。

また、代表であった故・米澤嘉博氏は非公式で徹夜組の代表と会談を持ったが、具体的な成果は得られなかった。前夜祭などのイベントを提唱し認の便宜を約束したと言われるが、徹夜組側がイベント開催に興味をしめさなかったと言われる。

入場チケット制と徹夜組

2021年に開催されたC99より当時蔓延していた新型コロナウイルス感染対策として入場チケット制が導入された。
入場時間を区切り、各時間毎に事前希望する時間のチケットを購入してもらうことで入場者数の制限と引き換えにほぼ確実な入場可時間を約束する仕組みで、会場の過密化を防ぎ病気の蔓延を防ぐことが的であったが、入場可な人数と時間が確約されたことにより人より先んじて入場待ちをする意味が薄れ、結果始発組はそれなりに居たものの徹夜組や会場最寄での始発ダッシュを行う者がほぼ確認されなくなる波及効果を生んだ。

チケット購入時の情報登録に基づく身分明を含めて治安対策や混雑解消に効果が認められ概ね参加者には受け入れられた入場チケット制であるが、「全日入場チケット制にした場合、来場者数の総量が制限され、結果規模の小さいサークルジャンルへの流れも減り、多様化を縮小する可性がある」「開幕から入場できるアーリー入場の料金が高く(5,000円)、少ない小遣いから参加費を工面する未成年者・未就労者に不」と言った意見もTwitter上では見受けられた。

なお、入場チケット制は新型コロナウイルス対策であり、疫禍が治った後も導入されるかは未定である。

徹夜への反対意見

コミケが開催されるたび少々話題になる徹夜組だが、それについて異議ありな人もいる。
そのワケとして

  1. 深夜に人がたくさん集まるなんて怪しいし、こわい
  2. 近隣住民の不安を煽る。
  3. こいつらのせいで始発で来ても、入場する頃に売してるサークルがある。

などがあげられる。

これに対する徹夜擁護派の言い分として

  1. たしかに怪しいが、悪さをする集団ではない。先入観で人を見てはいけない。
  2. 有明周辺は住宅街ではなくオフィスになっており、不安がる住民がいない。現在タワーマンションの建設が進行しており、このツッコミ過去の話である。
  3. 始発は人によって距離が違うので元々格差があるようなもの。電車に固執せずタクシーで始発以降に来ればよい。

などがあるが、突っ込みどころが多すぎる言い訳である。

  1. そもそも悪さをする集団と考えているのではない。一部でも悪意を持った人がいたとして、間という状況でそれを恐れるというのは至極自然なことである。
  2. タワーマンション以前に、有明病院という入院患者がいる病院も近くにある。入院患者はどうでもいいというのか
  3. そもそもこの話における「始発」というのは自宅の最寄りの始発ではなく、大崎発新木場行きのりんかい線始発のことをしているので、最初から話がずれている。

徹夜来場をなくすことはできないのか?

現状でははっきり言えば不可能に近い。きっぱりとしたペナルティが課された前例がないからである。

コミケット準備会は始発以前[1]C88までは4時30分以前)の来場を禁止するローカルルールを設けているが無視されているに等しい。
たとえ列が形成されずとも、彼らはそこらでまでぶらつく根気があるだろう。徹夜組にペナルティを設けろという意見は多いが、実際にそれを行えば始発までるだけで意味である、「並んでいない、ただ歩いてるだけ」と強弁されればそれまでである。

ちなみに、徹夜組の規制にはりんかい線が反対しているため対処ができないという説もある。始発組の混雑ぶりも凄まじく、実際始発列車が到着する頃の国際展示場駅はかなりの殺気に包まれており、かなり危険な状態なのも事実である。

そういった状況を理由として、彼らにとっては徹夜組はもっと増えて欲しいのではないかとする推測がある。始発組が徹夜組になってくれることで、その分混雑が緩和される。逆に今の徹夜組が全員始発組に流れてしまえば、対応しきれない。と考えているというものである。

しかし、これはあくまで噂の域を出ておらず、そもそも一本の電車が運べる乗客数には限度があるため、徹夜組がりんかい線を利用して自分たちの擁護に使おうとする自分勝手な言い分というべきだろう。

また機動隊などを導入して鎮圧しろ、とにかく徹夜組はルール違反なんだから容赦なく殺せといった感情的な意見も多いが、実際の所普通に考えればそんな手段を取れば流血沙汰になってコミケそのものの開催が出来なくなって本末転倒になることはすぐに分かる話であり、とても有効的な解決法とはいえない。

より温厚な提案としては、期に売し、なおかつ買えなかった参加者が多発したサークルには後日の通販を義務付け、希少価値を煽るような売り方を禁止せよというのもある。確かにこれならば徹夜の効果は相当に減じられるが、これもコミケ理念上、またその線引上なかなか難しいところである。
本来なら放置しておいてもいいのだが、深夜国際展示場駅付近はDQN走り屋が多く、現金をたんまり持っていることも知れ渡っているので窃盗などの事案が起きる恐れもある。

そうなっては準備会の責任も問われる危険性があるので警備員やスタッフ毎度派遣し、誘導している。
ただし、これも限度があり、増える参加人数に対する対応人員の確保という量的問題に加え、警備費の負担(2010年は建築ラッシュや商店や催事において安全確保求める利用者のニーズ増による警備員の需要と労働人口減少による人件費の高騰が重なり、運営費全体における警備費用の割合がかなりの割合を占め、結果サークル参加費の値上げをせざるを得なくなった。つまりコミケ運営だけでなくサークルの参加の是非や配布物の価格や量に響を及ぼす)という問題を抱えており、将来の円滑な開催へ暗影を落とす要因となっている。

決して、徹夜組を容認しているわけではない。現状以上の有効な対処手段が今のところの人類が考え得る発想力の範囲内では存在していないだけである。い袖は振れないのである。

また、前夜祭などのイベントを模索する動きも前述のように存在した。しかし、前夜祭のための徹夜やそもそも「勝手に集まるのが楽しい」と言うほとんど嫌がらせ的の集団もあり、効果は疑問視されている。

以上の点から、徹夜参加者の意識改革にゆだねられているというのが現実といったところである。

ついでに、未成年深夜徘徊は法にしたがい補導されるので徹夜ダメ。ゼッタイ。

学術的見地からの徹夜組

コミケにおける徹夜組は、心理学社会学でいうところの「社会ジレンマ」「合成の誤謬」の典的な例である

特に三日男性向けサークルでは、「徹夜をしないと絶対に買えない」という大手サークルも多く、その大手サークルのみを的として徹夜する参加者も非常に多い。

徹夜しないと絶対に買えないサークル的とする参加者個人の立場からすれば、当然徹夜するが最善の選択になる。しかし、多くの人がそれを真似て、徹夜組が増加すると、それがコミケ全体にとっては良くないことになってしまう。かと言って徹夜しないと絶対に買えないサークル的とする人に対し「徹夜するな」と言ってもの礫であるし「諦めろ」と言うのは要するに「正直者になって馬鹿を見ろ」と言ってるのに等しく、素直に馬鹿を見てくれる人は残念ながら存在しない。

経済学でも、個々人としては最善の行動でも、全体から見れば損であるという話は往々にして多く、人類社会にとってこのような現象は大きな問題となっている。

下記のコピペも、そうした社会ジレンマを端的に表しているといえるだろう。

理不尽な完売で鬱憤を感じているあなたへ贈る、徹夜擁護コピペ(改変)

社会徹夜するなクズ

ぼく「じゃあ始発で行く」

サークル売しました」

ぼく「じゃあ徹夜しよ」

社会徹夜はやめよう」

ぼく「じゃあやらない」

社会「でも先着順だよ」

ぼく「もう徹夜しかない」

「お願いちゃんと始発で行って」

ぼく「じゃあ徹夜しない」

サークル売しました」

ぼく「なるほど」

最後に

少数だが、徹夜組よりもく入場できるチケット組(通称:チケ組)という連中もいる。

コミケ初心者の商業イラストレーター漫画家は本を少なく持っていく傾向があり、徹夜組が来る前にチケ組の手で売してしまうというケースが本当にあった。
創作展開の台となる重なサークルスペースを潰してまで希少本を手に入れるので、彼らのほうがよっぽど有であり、糾弾されるべき存在である。などという自分勝手な言い訳もあるが、これで糾弾されるべきなのはチケットだけを的とした「ダミーサークル」だけである。サークル参加者がチケットを渡してファンネルとして他のサークルに買いに行ってもらうということを想定した上で認められている行為なので、認められていない徹夜のほうが有であることは言うまでもない。

ダミーサークルについては、最近では頒布物がないと発覚して出禁を食らうなどメシウマな話もきく。

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関連項目

脚注

  1. *「始発」については、ゆりかもめ豊洲駅5時15分発有明駅5時22分・国際展示場正門駅5時24分着、りんかい線新木場駅の臨時始発が5時18分発国際展示場駅5時23分着。なお、C90ではりんかい線・東京テレポート駅始発の電車より5時30分であった。
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