300系新幹線電車とは、東海道・山陽新幹線用の新幹線電車である。
JR東海が開発した東海道・山陽新幹線第3世代車両。のぞみ型車両とも言う。新幹線電車として初となる技術を数多く実用化した。
1990年に量産先行車が登場、その後1992年から98年まで量産された。93年以降製造分は山陽新幹線博多延伸用に製造された0系の置き換えを兼ねていた。のぞみ号博多乗り入れ決定後はJR西日本が3000番台を製造している。
2010年現在はN700系によって急速に置き換えが進んでおり、編成数は全盛期の3割程度にまで減少した。主にこだま号での運用が中心であり、ひかり号やのぞみ号運用は稀である。
また、ユニット構成が特殊(MTMユニット)な事から0系や100系のように短編成化するのが難しいらしく、短編成化の予定がない。現在廃車中のJR東海のJ編成(2012年3月末全廃予定)はJR西日本保有の100系よりも早く消滅する。
なお、報道では2012年12月までに引退となっているが、JR東海・JR西日本からの公式発表はまだない。
1世代前の100系と300系を比較してみると、似ているところを探すことは難しい。一方、300系の登場から10年後の主力であるN700系とでは、時間的な隔たりがありながらも共通点をいくつも見出せることだろう。これは300系が今日の技術の真の礎となっていることを意味する。まさに新幹線電車における技術革新の金字塔である。
具体的な例として、車体構造、制御方式、台車構造が主なものとして挙げられる。
車体の材質に採用されたアルミニウム合金は、既に200系で実用化されていた。しかし200系は鉄製車体を1.5倍程度の厚さのアルミで置き換えた構造で、アルミの特性を生かしたものではなかった。300系は組立を容易にし(製造価格の低減)、無駄を一切排除した(重量の低減)新しい構造のアルミ車体を持ち、革命的な軽量化での量産を達成した。
制御方式にはVVVFインバーターを採用。大出力ときめ細かな空転制御により、編成内の動力車を減らした。また制御装置やモーターはコンパクトで軽くなり、車両重量・編成重量の軽量化に寄与した。
台車には枕ばりを廃し小型軽量化した円筒案内式ボルスタレス台車(台車(鉄道)の項を参照)を採用。上記2項による車体の大幅な軽量化によって台車にかかる荷重も軽減、台車自身も軽量化が可能になった。
軽量化は、鉄道を取り巻く非常に広い分野にメリットをもたらす。より低価格で、より速く、より省エネで、より低騒音で、より軌道破壊の少ない車両を最新の技術で目指すという方針は、300系で初めて確立し実現されたのだ。
JR東海が所有するJ編成で0系の置き換えを行った。16両編成61本。
現在はN700系の増備によって廃車が発生しており、2011年6月時点では6本(J54~57・60・61)が残るのみとなっている。
JR西日本が所有するF編成。16両編成9本。
これといった置き換え計画は公式には発表されてないが、山陽新幹線に残る100系の置き換えを500系V編成(と700系E編成)で完了する為か短編成化の予定もない。
なお、J編成引退後も当面は残ると言われていたのだが、F5・F6編成の広島→浜松廃車回送が始まるなど予断を許さない状況にある。
ちなみに、JR西日本所属車両ではあるが2010年3月13日時点での定期運用はJ編成同様に岡山以東の「ひかり」「こだま」となっている。
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最終更新:2024/05/21(火) 18:00
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