ゆっくり霊夢素材使用禁止騒動とは、nicotalk内で配布されているゆっくり霊夢の使用規約から端を発した騒動である。
本件は黒子氏がコモンズで配布していたゆっくり霊夢及びnicotalkで配布されているゆっくりを使用する際は『東方projectの版権を利用する際のガイドラインに従う』という条件を満たした動画の投稿のみ許諾という結論に至った。
※規約詳細はnicotalkガイドライン参照
※当騒動は事態を誤解した人々による関係者への中傷行為、無関係な人々への結びつける行為(中傷行為含む)が非常に目立ちます。ご注意下さい。
騒動の時系列
(AA(アスキーアート)発祥やAAのイラスト化を行ったまそ氏の経緯等は省略)
ニコニ・コモンズで黒子氏が
まそ氏のイラストを元にしたゆっくり霊夢を素材として配布の開始
2011年3月7日、AAのイラスト化を行っていたまそ氏のイラスト(本記事冒頭の霊夢)を元に黒子氏がニコニ・コモンズ上にゆっくり霊夢の土台と差分4種を作成し、ニコニ・コモンズで配布が開始された。
ニコニ・コモンズの許諾範囲の設定は、黒子氏が作成した本記事冒頭の表情を元にして製作した差分はニコニコ外利用禁止、営利利用禁止に設定された。
元となったまそ氏のゆっくり霊夢とまそ氏のゆっくり霊夢を坊主化した土台はニコニコ外利用可能、営利不可能に設定され、オリジナル作品宣言が行われていた。
(ただし、後者は投稿当時から利用範囲設定が変更されており、2015年11月からとなっている)
(同じく後者のオリジナル宣言も投稿当初はコンテンツツリーシステムがなかった上、設定を自由にかえることができるため、いつ設定されたものなのかは不明)
ただし、後日に判明することだが、黒子氏がニコニ・コモンズで配布を開始した素材はまそ氏の許諾を得ずに改変、配布が行われていた。
※なお、本記事冒頭の「ゆっくりしていってね!!!」は2009年にニコニ・コモンズに登録され、まそ氏にも後日ではあるものの許諾を得ている。(範囲はニコニコ内限定、営利不可)
nicotalkでコモンズで投稿されていた黒子氏のゆっくり霊夢を元にしたゆっくり霊夢アニメーション素材を開始
2011年5月28日から公開されているゆっくり実況プレイ補助マクロ『yukktalk』(現nicotalk、以後の記述はnicotalkとする)サイトにて黒子氏の許諾を得た上で同氏の製作したゆっくり霊夢を元にアニメーションの元となる素材を製作、配布が開始された。
※nicotalkについては該当記事参照
nicotalk上での素材規約の明示化
2015年11月16日、nicotalk内の「ゆっくり霊夢キャラスクリプト」の素材規約が制定。
それに伴い、そのサイトで配布されていたゆっくり霊夢の「商業的利用」「ニコニコ以外での利用」が黒子氏がニコニ・コモンズで投稿した素材に設定されている規約と同一化し、ニコニコ以外での利用が不可になるなどの変更が為された。
nicotalkの開発を行っているズーズ氏はもちろん、黒子氏のTwitterでもこの件についての説明が行われた。
なお、この時に質問を寄せたものもいるが、『騒動』と呼べるような問題にはなっていなかった
※ここまでの記述でも触れられているように、「nicotalkで公開されていた黒子氏のゆっくり霊夢を元に作成したアニメーション素材」の規約の制定(このゆっくり霊夢の素材に関しては明示化)であり、「ニコニ・コモンズで投稿された素材」の規約は一切変更されていない。
頭に矢の人の動画投稿、騒動に発展
2015年12月1日に素材を利用していたゆっくり実況者、頭に矢の人が「ゆっくり素材変更について」の動画を投稿された。
しかし、動画では説明が行われていたもののタイトルで『黒子氏が作成した差分のことではなく「ゆっくり霊夢」そのものの話』と誤解されたり、『ニコニ・コモンズ上の規約も変更された』と誤解するなど事態を把握できてない人が続出、事態は思わぬ展開に発展してしまう。
これをきっかけに事態を理解していない人物からの中傷行為が目立ち始める。
誤解を招くまとめサイトや動画等が公開、騒動はさらに悪化
規約制定時付近から発生していた黒子氏や無関係なゆっくり素材制作者やnicotalk制作者への誹謗中傷が飛び交う中、解説動画(事態を把握しているものもあったが、黒子氏の行動を非難する動画等)が投稿され始め、関係者への中傷行為はもちろんのこと、ゆっくり実況プレイ動画のコメントにも騒動に纏わるコメントが投稿されはじめる。
ニコニコ外でもオレ的ゲーム速報@刃が『【ヤバイ】『ゆっくり霊夢』の著作者が、ニコニコ動画以外での「ゆっくり」の使用禁止を発表!youtubeはもちろん、ツイッターのアイコンにしてる奴もアウト!いますぐ変えろ!』という明らかに誤解を招くタイトルの記事が投稿する、スレが立てられるなどさらに事態は悪化の一途を辿る。
黒子氏が投稿していたニコニ・コモンズ上の「ゆっくり霊夢」等の素材削除
2015年12月5日(正確には4日深夜)、黒子氏が自身のTwitterにて関係者に迷惑をかけてしまったと謝罪を行い、「権利主張をしたかったのではなく、問題対応の迅速化を図ろうとしていた」「自分の作成したゆっくり霊夢素材においてクリエイター奨励金は一切発生していない」「元絵の作者に配布の許可をとっていなかった」と明らかにした。
これと同時にコモンズで配布されていた黒子氏の作成した素材は削除された。
頭に矢の人のニコニコ動画引退表明、翌日撤回
2015年12月5日の夜、頭に矢の人が事態を把握し、黒子氏に謝罪が行われる。
翌日2015年12月6日、1日に投稿した動画を削除、新たに投稿した動画でニコニコ動画上の活動の停止を発表した。
ただし同日夜に、ニコニコ上での引退表明した動画を削除が行われ、翌日にnicotalk関係者との相談の結果、引退の取り消しと騒動について説明したブロマガが投稿し、Twitterでも謝罪が行われた。
nicotalk内のゆっくり霊夢他2種の利用範囲の決定、解決
2015年12月7日、ゆっくり霊夢の素材の元となったイラストを描かれたまそ氏から『東方projectの版権を利用する際のガイドラインに従うこと』を条件に配布を行うことが許可される(これに伴い同氏のイラストを元にしたゆっくり魔理沙及びゆっくり妖夢も同様の利用規約に変更)。
※なお、他の条件や規約、他の配布素材については各自でnicotalkのサイト、nicotalkの素材規約の確認推奨。
上記の報告と同時にnicotalkを製作したズーズ氏、ゆっくり霊夢の素材配布を行っていた黒子氏の両氏がTwitter上にて謝罪を行った。
なお、下記補足でも触れているが、黒子氏がニコニ・コモンズ上で公開していた素材もnicotalkと同様の規約になったと発表された。
結果としてはニコニコ動画・youtube・Twitterにて営利目的でない場合に限り利用可能となった。
今回の騒動について
今回の騒動は確かに黒子氏の元絵の制作者への許諾の遅れが引き起こした問題ではある。
しかし、「触りだけみて勘違いをする」「偏った知識で構成された意見しか見ない」など部外者による知識と配慮に欠けた行動が大きく目立った。
悪意があったにせよなかったにせよ、そのことが肥大化した結果、誤解が満盈し、様々な場所で混乱や騒ぎが勃発した。
関係者はもちろんのこと、今回の件とは無関係な素材制作者に対するいわれなき中傷が目立ったのも事態への理解の甘さが招いたことである。
補足
この問題が発生した際に以下の誤解や決めつけが生まれた。長文を読みたくない人は下線の引いてある部分だけでも読んでほしい。
- ゆっくり霊夢は黒子氏が製作した?
大元となる東方projectを製作したのはZUN氏
ケヒヒ霊夢と呼ばれるAAをDプ竹崎氏が作り、他2ちゃんねらにより改変が施される。
それを元に再びDプ竹崎氏が丸い生首霊夢を作り、誰かがゆっくりしていってね!!!との台詞をつける。
(ただし、2chへの書き込みであるため、上記については2chと言う方が正しい。)
さらにそのAAをイラストにしたのはまそ氏。
そのイラストを元に表情差分を作っていたのが黒子氏になる。
分かりやすく纏めるならZUN氏(キャラ)→2ch《Dプ竹崎氏を中心にした多くのAA制作者たち(ゆっくりしていってねAA)》→まそ氏(イラスト)→黒子氏(差分)である。
- ゆっくり実況で使用されている機械音源もだめ?
今回の問題に音源は一切関係ない。
そもそもこの音声が使われるようになったのはmugenでゆっくりの声にSofTalkやAquesTalKが使われるようになったことが始まりでゆっくりがきっかけでこの音源そのものにゆっくりは関係ない。
- 黒子氏が権利を主張した?著作権は黒子氏が持っている?
黒子氏は「権利云々は私には無いと思っています」と主張している。著作権は霊夢はZUNがもち、そこから発展した二次著作物で各段階の創作者も同時に権利を持つ。イラストの元となったAA(ゆっくり)は2ch?が帰属すると考える人がいる。なので、ZUN氏(キャラ)、Dプ竹崎氏(ゆっくり霊夢AA)、スレにいた誰か(ゆっくりしていってねAA)、まそ氏(イラスト)、黒子氏(差分)の共同著作物という前提に立ち、各段階が放棄、権利非主張、権利不保持であるという考え方になると思われる。
※改変元となったAAを作ったDプ竹崎氏に権利があるのではないかと言う意見もあるが、生首にしたり、台詞の意図を付け加えたりなどは各段階で別の人間が関わっており、氏の独占的権利物と考えるかは議論がある(強いて言えば、竹崎氏含め、当時改変にあたった全員の共同著作物と考えられる)。また2chにかかれたものの著作権は2chに譲渡されることになっている。Dプ主竹崎氏はnicotalkのTwitterにて、別件で別のゆっくり素材制作者がメールで確認を行った際、「ゆっくり関連の創作に対しては権利を主張しないものと致します。」という返答が行われたとツイートしている。しかし、権利を主張しないというのと、権利放棄とは別物である。
※著作権は霊夢のキャラクターを製作したZUN氏のみではないかという意見もあるが、自身のホームページで『同人で慣例的な手段と内容であるのならばその創作物の著作権は二次創作作者のものになる』と宣言しているため、ゆっくり霊夢の著作権を持つかというと難しいという立場があると考える人もいる。しかし、原著作者が権利を「放棄」していない限り、原著作者の権利は二次的著作物にもかかる。(二次創作物のさらに二次創作物であろうと、ZUN氏のガイドライン違反の創作はできない)
※現在2chは『コンテンツの無断複写や無断転載』を禁止(ゆっくりのAAが書かれた当時と異なる)され、まとめブログなどに限るか不明だが『利用する場合は2ch.netの所有者であるRaceQueen社からコンテンツの使用許諾を得る必要がある』とされているが、今に至るまでAAの転載・複写については特に表明されてはいない。(のまねこ問題は著作権表示をつけたことによる問題であり、素材使用範囲などの規約の話は黒子氏の差分(二次的創作物)だけのことであり、かつ権利を持っていないと黒子氏は主張しているので、当問題とは異なる。)ただし、各種使用権、再許諾権だけ譲渡をする契約か、投稿された著作物の権利をまるまる譲渡し、作者に残らないのかというのはまた別の話である。前者であれば各作者、すなわち、ZUN(キャラ)→Dプ竹崎氏(ゆっくり霊夢AA)の段階での許諾範囲はガイドライン準拠(ZUN)、権利を主張しない(Dプ竹崎氏)となっており、ゆっくり霊夢AAからの二次創作であればこの2者の許諾範囲に従って使用ができるという事になり、2chは関係ない。後者で有っても、そもそも、ゆっくり霊夢が投稿された時期は著作権の譲渡の書きこみ規約が登場する2005年以前の話であり、2chに譲渡されて作者の権利が残らない譲渡を求められたという事は成り立たない。また、対価も無しに原各作者の権利を剥奪するのは「暴利行為として、取引において相互に交換価値のやや等しい給付をすることから著しくかけ離れた取引」 に当てはまる可能性があり、無効である可能性がある。よって、2ch外の各作者の許諾範囲に従っている限り、これまた2chは関係ない。Dプ竹崎氏、スレにいた誰かの2者の許諾を超える許諾を2chがし得るが、この2者はほぼ権利非主張なので2chは関係ない。2003年頃にLinuxについて、UNIXの権利を譲渡を受けたというSCO社が訴訟を起こし、使用権のみの許諾か、所有権を移したかの訴訟になったこともある。
- 黒子氏はクリエイター奨励プログラムを利用し稼いでいた?
黒子氏は『利用していない』と宣言している。
クリエイター奨励プログラム登録の証拠として『コンテンツツリーを作ること』や『オリジナル表明をする』などが上げられるが、実際はコンテンツツリーを作ったりオリジナル表明をするだけではクリエイター奨励プログラムに登録はされない。(そもそもコンテンツツリーは登録の有無を問わず最初から製作されている。)
クリエイター奨励プログラムに登録するためにはこちらの説明通り、『コンテンツツリーを作ること』はもちろん『ツリーを作った後にクリエイター奨励プログラムの登録の申請を行うこと』が必要事項となっている。
なお、ニコニ・コモンズの素材は子供手当てしか受け取れない。この子供手当ては親作品がクリエイター奨励プログラムに登録しない限り子供手当てを受けとることはできないと説明されている。(オリジナル表明が行われている場合はたとえクリエイター奨励プログラムに登録していても子供手当ては発生しない)
今回の件のように他者の権利を侵害する疑いのあるものの登録がある可能性も否めないのでクリエイター奨励プログラム登録の情報を開示する意見もあるが『登録の妨害を防ぐため』と明記されている。
なお、黒子氏がコモンズに投稿したのは2011年3月でコンテンツツリーやクリエイター奨励プログラムが開始されたのは12月。第三者がクリエイター奨励プログラムの登録を確認出来ないためクリエイター奨励プログラム開始時から削除までの間に登録されたかの有無を確認することはできないが、黒子氏が金銭を目的に投稿を開始したというのはクリエイター奨励プログラムがなかったことを理由にデマであることは間違いないと思われる。
- 黒子氏の作ったゆっくり霊夢差分の元となったまそ氏のゆっくり霊夢は利用可能?
7日のnicotalk規約変更以前は黒子氏の判断のもと制限が設けられた上で配布が行われていたが、nicotalk規約変更以後は過去に黒子氏が投稿していた素材はnicotalkで配布されている同氏の差分及びまそ氏のイラストが元となった素材と同様の規約となった。
まそ氏から許諾(事後含む)を得て配布されたものもあるので、そちらの素材を利用する場合は『まそ氏からの許諾を得て配布されたものを使った』ことになる。(許諾を得ず、無許可で配布されているものもあります。利用の際はご注意下さい。)
非常にややこしいかもしれないが、配布者自らが報告するかしないかは雲泥の差なので、よく分からないのであればコモンズ上のものであれば説明文に『許可を得て配布している』とかかれているもの、許可されるnicotalk素材、黒子氏が過去にコモンズ上で配布していた素材、まそ氏に直接許諾を得る、まそ氏のゆっくりとは関係のないゆっくりを使う、以上のどれかにすることが望ましい。
なお、ここまでの補足でも触れられているが、まそ氏のサイトは無断転載及び営利利用が禁止されているのでまそ氏のサイトから許諾を得ずに利用するまたは配布するのは論外である。
ちなみに、こちらも他の補足で触れているがまそ氏の作品も二次的著作物に該当するので各段階の作者氏が削除を求めた場合は動画も削除しなければならない(削除しなかった場合や訴えられた場合は罪に問われる可能性もある)。
- 別のゆっくり素材も利用禁止?
今回の話は黒子氏が製作し投稿したゆっくり霊夢の話で、黒子氏とは無関係の別の投稿者が投稿したゆっくり霊夢や霊夢以外のゆっくり素材はルールを守れば使用することはできる(配布者が配布終了した場合は除く)。
なお、本件は無事解決し、それに伴いまそ氏のイラストを元に作られたニコニ・コモンズで配布されている(霊夢のみ配布されていた)素材をさらにアニメーション素材としてnicotalk上で配布されているゆっくり魔理沙とゆっくり妖夢、そしてゆっくり霊夢のnicotalk用素材、及びニコニ・コモンズでころボン氏が配布しているゆっくり魔理沙とゆっくり妖夢、その他まそ氏に許諾を得て配布されているものは規約さえ守れば使用することができる。
- 頭に矢の人は黒子氏やnicotalk関係者に依頼されて(1日の)動画を投稿した?
頭に矢の人はTwitterで「動画出す前に関係者に連絡とるべきだった」「謝罪そして恩返しをしたいと考えている」と発言している。
※動画の削除は黒子氏に謝罪した際に「動画の削除をが希望なら削除する」と尋ねているが、黒子氏は「誤解されている使用不可素材の説明の記載」を求める。
後に頭に矢の人が「動画の削除と誤解が解ける様に行動する」と返答している。
よく分からんから産業でまとめろ
- いろいろ誤解が重なり問題が広がっていったけど
- いろいろな人がいろいろ頑張った結果
- 何も変わらない日々に戻った(大体今までどおり)
- 今回頑張ってくれた人達ありがとうございました
その後
「正体不明のスポンサーX」という東方公式の動画内において、AAの元になったDプ竹崎氏、イラストを起こしたまそ氏、東方原作のZUN氏三者から確認をとったことにより、上海アリス幻樂団の二次創作ガイドラインを満たす限りに、どの場合でも誰でも自由に使用可能であることが確認された。
この記事はあくまでニコニコにおけるコモンズ配布されたゆっくりについての件の顛末の記事だが、そういった問題を含め、どの場合でもゆっくり霊夢魔理沙は東方のガイドラインを守っている限りには自由に使えることになる。ただし、これらは「まそ氏のイラストで流通しているゆっくり霊夢魔理沙」に限ると考えられるので、その派生で作られた素材については、他の二次創作物と同じく、権利関係は踏まえた上で使用しましょう。
関連動画
関連項目
- 11
- 0pt