レオポルド・ストコフスキー(Leopold Stokowski)は「音の魔術師」と称された20世紀を代表する指揮者の一人である。
生没年は1882年4月18日 ~ 1977年9月13日。最期まで現役だった長寿の指揮者としても有名。
概要
1882年4月18日イギリスのロンドンに生まれる。教会のオルガニストを皮切りに音楽活動を始め指揮者に転身、シンシナティ交響楽団・フィラデルフィア管弦楽団・全米青年交響楽団・NBC交響楽団・ニューヨークシティ交響楽団・ヒューストン交響楽団・アメリカ交響楽団の常任指揮者を務める。1976年94歳のときCBSと5年間の録音契約し百歳まで指揮活動を続けるのかと周囲を驚かせたが、翌年1977年9月13日イギリス ハンプシャー州ザーワロックの自宅で心臓発作のため死去した。
詳細はウィキペディアに書かれているので省略する。(参照:ウィキペディア『レオポルド・ストコフスキー』)
ここではニコニコ動画的観点で補足説明をする。
メディアとの関わりについて
ストコフスキーはメディアの可能性に注目した最初の指揮者と言ってもよい。
ストコフスキーは1917年ブラームス「ハンガリー舞曲第5番・第6番」を初レコーディングしたが当時はアコースティック録音(ラッパで集めた音の振動をアセテート盤もしくはワックスに直接録音する方式)であり貧弱な音しか再生できなかった。1924年電気録音(マイクで拾った音を増幅して盤に録音する方式)が実用化されると早速翌年サン・サーンス「死の舞踏」を録音する。これが世界初のオーケストラの電気録音となった。この録音は、木琴の音が鮮明だと評判になったのだが、ストコフスキーはこれに満足せず、1926年のオフシーズンにベルリンで電気音響学と録音法を2か月間勉強したと言われる。このようにストコフスキーは録音の技術革新に人一倍熱心であった。実際ステレオ録音の歴史をみると頻繁にストコフスキーの名前が出てくる(参照:ウィキペディア『ステレオ』)
1932年(昭和7年)にベル研究所が行ったステレオ実験録音のテイク
ストコフスキーは映画にも出演している。中でも1937年公開の「オーケストラの少女」(原題:"A hundred Men and a Girl")はストコフスキー本人の役で登場し台詞まであった。
ニコニコ動画的に是非押さえておかなければならない作品がディズニーのアニメーション映画『ファンタジア』である。アニメーションと音楽を融合した芸術性の高い作品は後世のアニメーション作品に大きな影響を与えた。ストコフスキーはこの作品で音楽を担当しフィラデルフィア管弦楽団を指揮した。またシルエットで登場しミッキーマウスと絡んだ最初の指揮者となった。
- トッカータとフーガ(ファンタジア版)
- くるみ割り人形」より(ファンタジア版)
花のワルツ(ファンタジア 音質改善版) - ファンタジア 魔法使いの弟子
- ファンタジア-春の祭典ー(イーゴリ=ストラヴィンスキー) Part1
ファンタジア-春の祭典ー(イーゴリ=ストラヴィンスキー) Part2
ファンタジア-春の祭典ー(イーゴリ=ストラヴィンスキー) Part3 - 田園交響曲1(ファンタジア版)
田園交響曲2(ファンタジア版) - ポンキエルリ「時の踊り」(ファンタジア版)
- 禿山の一夜~アヴェマリア(ファンタジア版)
演奏スタイル
ストコフスキーの演奏は、クラシック系掲示板において「爆演」「トンデモ系」といった表現が使われていたがニコニコ動画では「変態演奏」「原曲レイプ」のタグが付けられる事が多い。おそらくポルタメントの多用や自由自在なテンポの変更、更にはスコアまで改変してしまう思い切った演奏の為と推測される。ただしこの価値観は現在主流になっている原典主義を基準にしている。20世紀初頭までは指揮者の個性が優先されスコアを改変する事は通常に行われた(例えばマーラーのシューマン交響曲の改訂などがある)従ってストコフスキーは100年以上前から伝わる演奏形態を忠実に伝承した指揮者であると言えるかもしれない。
大砲も鐘も自重なんかしません。ついでに合唱も・・・
「なぜ、そこに鳴り物を加えた?」でも効果は抜群!
逸話?
- ノンタクト
ストコフスキーは指揮棒を持たない事で有名である。
ストコフスキー曰く「1本の棒より、10本の指の方が遥かに優れた音色を引き出せる」
たこルカ「腕がいっぱいあったら、好きな物何でも持たせられるよね!」・・・発想は同じかも
バッグス・バニーによるストコフスキーのパロディ。もちろん指揮棒は使いません。
- オーケストラ配置
現在主流になっている左から第1ヴァイオリン・第2ヴァイオリン・ビオラ・チェロの順に並べる配置を考案したのは他でもないストコフスキーである。しかしこれに満足しなかったストコフスキーはさまざまなオーケストラ配置を考案した。ニコニコ動画でもストコフスキーの考案した変則的なオーケストラ配置を観ることができる。
なぜ、こんなところに木管群が?
なかでも一番風変わりなオーケストラ配置がこれ⇒木管がステージの前?ヴァイオリンがひな壇?
(ペンシルバニア大学の音楽ライブラリー『Leopold Stokowski:Making Music Matter』より) - フリーボウイング(自由な運弓)
現代のオーケストラの弦楽パートは弓の上げ下げを揃えるようにしている。ストコフスキーはこれを「音楽の連続を阻害する」と嫌い弓の上げ下げを交互にする事によって解決したと言われる。
「弓が揃っていない」と突っ込まないように!これが平常運転です。
- 日本語表記
"Stokowski"を日本語表記すると『ストコフスキー』であるが、ポーランド系の姓は長音を表記しないらしいので『ストコフスキ』と表記する事もある。ちょっと変わった表記は『ストコーフスキイ』・・・英語の発音をそのまま仮名に当てたらこうなるの? - ニックネーム
ストコフスキーのニックネームは・・・ストーキー(Stoki)
日本では『ストコ』と呼ばれている。この呼称は関西が発祥と言われている。『マクドナルド』を『マクド』と呼ぶのと同じらしい・・・まぁどうでもよいことですが・・・ - グレタ・ガルボ
一時期恋仲だったらしい・・・結局成就せずプラトニックで終わったようだ。 - オーケストラ編曲
ストコフスキーと言えばバッハ作曲のオルガン曲『トッカータとフーガ』をオーケストラ編曲したことで有名であるが、他に『展覧会の絵』などピアノ曲からの編曲もある。
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関連項目
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