三段空母とは、宇宙戦艦ヤマトシリーズのガミラス帝国軍が保有する、宇宙空母である。
初代のリメイクである宇宙戦艦ヤマト2199において「ガイペロン級多層航宙母艦」と制式名称を与えられたタイプも この項目で記述する。
旧作における三段空母
デザインは松本零士と加藤直之が担当。艦の前方に突き出した3層の飛行甲板が大きな特徴的なので三段空母と呼ばれている。しかしよく見ると四段なので四段空母が正しい
ゲームリファイン版では宮武一貴氏より多層式空母と呼称されている。
初出は21話。ヤマトとの決戦に備えルビー、サファイア、ダイア戦線から精鋭が集結した。
- 第一空母(指揮官ゲットー、ルビー戦線より参戦。ガミラスファイターを搭載)
- 第二空母(指揮官バーガー、サファイア戦線より参戦。急降下爆撃機を搭載)
- 第三空母(指揮官クロイツ、ダイア戦線より参戦。雷撃機を搭載)
これに加えて、オメガ戦線より参戦した戦闘空母。瞬間物質輸送機を装備したドメラーズⅡ指揮船と共に七色星団の決戦に挑んだ。戦闘機による陽動、瞬間物質輸送機を用いた奇襲による爆雷撃。そしてドリルミサイルによって ヤマトは完全に戦闘能力を失い勝利まであと一歩と思われたが、真田技師長による文字通り一発逆転でドリルミサイルが艦隊に誘爆。ドメル艦隊は壊滅した。
話数短縮、作画スタッフの限界、尺の都合などと色々理由はあるが、この誘爆劇はファンに物議を醸した。後のシリーズでも「誘爆はヤマトの華」などとネタにされているが、そのはしりであるといえよう。
その後もヤマト2、新たなる旅立ち、ヤマトⅢにおいてもガミラス軍の主力艦艇として第一線で活躍。Ⅲでは二隻を双胴式に連結させた二連三段空母なる艦船も登場した。
2199における三段空母
2199においてはガイペロン級多層式航宙母艦と艦種が決められた。ガミラス航宙艦隊の主力として各方面に配属され、バラン星観艦式においても多数の同型艦が参列している。
暗殺容疑から釈放されたドメルはデスラー総統の勅命によりヤマト討伐を命じられ、ヒス副総統から精鋭部隊から送られることとなった。この時にドメルの元に送られたのが戦闘空母ダロルドとこの空母3杯である。
- バルグレイ 艦色は緑(旧作における第一空母、飛行甲板先端部が鋭角的になっている。後期生産型)
- ランベア 艦色は紫(旧作における第二空母、アングルドデッキが付いている。前期生産型)
- シュデルグ 艦色は蒼(旧作における第三空母、アングルドデッキが付いていない。最初に進宙した艦である)
バルグレイには艦上戦闘機DWG109<デバッケ>57機、ランペアには艦上攻撃機DMB87<スヌーカ>57機、 シュデルグには空間雷撃機FWG97<ドルシーラ>36機が搭載されており、純然たる艦上機の数でいえば、1杯だけでもでヤマト(32機)を完全に圧倒している。
しかし中性子星カレル163に置ける大規模包囲陣の時に比べると決定的に数が不足している。そして兵士達は老兵と少年兵で構成されており、これら3杯も整備中の物をかき集めた寄せ集めの部隊であった。精鋭とはきいて呆れる
なぜ決戦にもかかわらずこれだけの戦力しか送られなかったのか。
一つは観艦式で本土を含む各方面から集められた主力部隊のほとんどがヤマトによるワープゲートの破壊によって遊軍化し本土にわずかな戦力しか残っていないからである。そしてもう一つが親衛隊による策略である。
2199のガミラス親衛隊はナチスドイツの武装・一般親衛隊を合わせたような存在で、国軍を疎ましく思っている。
その中でも最たる邪魔者、ドメルの排除には極めて熱心であり、1隻1兵たりとも余剰戦力をよこさず、宇宙の狼と 言われた名将は、寄せ集めの空母3隻と艦載機、老兵、少年兵を「精鋭の増援」として、ヤマトとの決戦に赴くことになる。(索敵、特殊任務にUX-01も参加している。)
なお、各空母の航空隊指揮官は、バーガー、クライツェ、ゲットーといったドメル幕僚団の筆頭の士官たち。
本来であれば艦隊規模の戦闘団を率いているはずの彼らが、1パイロットとして直率することになる模様である。 この辺りにガミラスの歪な軍事組織構造と、ドメルの窮地が伺える。
序盤の陽動作戦、そして秘密兵器瞬間物質輸送機のワープ奇襲によりヤマトと艦載機隊を翻弄するも技量未熟なパイロットが多く攻撃機は次々と撃墜され、バルグレイもコスモファルコンの攻撃により撃沈した。この中盤までの戦いでゲットー、クライツェが戦死する。
波動砲封じのドリルミサイルも不発におわり、ドメルは全艦をもって砲撃戦を挑んだが逆転したドリルミサイルが戦闘空母ダロルドの眼前で狙撃され大爆発。ダロルドと後続のシュデルグが爆沈する。
緊急回避で爆発から回避したランベアもヤマトの砲撃により大破。イオン乱流の海に沈んだがかろうじて脱出に成功した。(映画「星巡る箱舟」につづく)
かくしてドメル艦隊は壊滅し、ドメラーズⅢもヤマトとの砲撃戦に敗れドメル中将も戦死した。
リアルの三段空母
実は三段空母というものは実在していた。日本海軍が建造した戦艦/巡洋戦艦を改装した空母「加賀」「赤城」がそれである。
最下層の三段目は戦闘機などの小型機の発艦用、最上段の一段目が発着用に使用されたが、中段の第二甲板は発艦に運用することが出来ず、艦橋設備や備砲が備えられた。空母という艦種がまだ試行錯誤段階だった頃のことであり、後の大改装で両艦の有名な姿である一段甲板に改装された。
関連動画
旧作での三段空母
2199における三段空母
関連商品
映像作品
模型
原作版
2199版
関連コミュニティ
関連項目
- 2
- 0pt