エンヤ婆とは、漫画「ジョジョの奇妙な冒険」第3部~第5部に登場するキャラクターである。
概要
本名はエンヤ・ガイル。画集『JoJo6251 荒木飛呂彦の世界』にてフルネームが掲載された。
DIOに「弓と矢」を与えスタンド能力の存在・能力の発現のさせ方を教えた人物。エジプトに出発したジョースター一行に刺客を差し向ける采配もしている。
「吊された男(ハングドマン)」のスタンド使いJ・ガイルの母親で、ド外道のJ・ガイルを「心の清い誠実なおまえ」と呼ぶほど息子を溺愛している。息子と同じく両手とも右手。
老婆とは思えないほどの驚異的な体力があり、ポルナレフには「ジョイナー以上の脚力」と評された。
初登場時は一般的な老婆のような体型だったが、話が進むごとにデフォルメで頭身が低くなり最終的にかなり小柄なおばあちゃんになった。OVA版アニメでは自らのスタンド能力で化けた若く美しい姿も見られる。
「スタンド能力」という第3部以降の根幹を成す要素を語る上でのキーパーソンであるためか、第4部以降もエンヤの名前が度々登場する。パラレルワールドが舞台の第7部にも、名前は出ないがエンヤ婆に酷似している人物がいる。
第3部
DIOに心酔しその人生を見守るために傍に仕える。DIOが自らジョースター一行を仕留めに行こうとするのを制止し、息子を含む7人のスタンド使いを一行に差し向けるが、結局全員返り討ちに遭ったショックで取り乱し復讐のため自ら抹殺に向かった。
スタンド能力「正義」による幻覚で墓場を町に見せかけ、宿屋の女主人に扮し一行に接近。承太郎たちを追って訪れたホル・ホースにも激しい憎悪を示し攻撃した。
死人たちを操り、特に恨みのあるポルナレフを追い詰め便器を舐めさせたところで駆けたつけた承太郎に遭遇、偽名を使っていた承太郎を本名で呼んでしまい刺客だとバレてしまう。物理攻撃が通用しない「正義」は承太郎に対して有利と思われたが、「スタープラチナ」にスタンドを頭部から吸引され呼吸困難になり敗北した。
その後はDIOの情報を聞き出すため生かされていたが、口封じのため現れたスティーリー・ダンのスタンド能力で体内の「肉の芽」を成長・暴発させられる。敬愛していたDIOに信頼されていなかったという事実を知ってなお最期までDIOを慕い、DIOの能力の秘密を守り通し死亡した。
のちにDIOは「息子を失って復讐への怒りで冷静さを失う前のあのエンヤ婆はこう言った~」と発言しており、「肉の芽」の使用は我を失った行動に対する処置であったと想像される。
スタンド能力
- 正義(ジャスティス)
【破壊力:D/スピード:E/射程距離:A/持続力:A/精密動作性:E/成長性:E】 - 王冠を被った巨大な骸骨の見た目をもつ霧のスタンド。
霧を操り幻覚を見せることができる。その効力は荒野の墓地に町ひとつ丸ごと再現できるほど広大で強力。 - さらに相手(死人を含む)の傷口から身体に侵入することで意のままに操ることも可能。操る際は傷口の血液を蒸発させコイン大の穴を作り、そこに霧の糸を通して操作する。同時に操れる人数にはっきりした上限はないようで、本人は「百人だろうと千人だろうとあやつれる」と豪語している。
- 単純なスタンドパワーで見ると作中トップレベルの恐るべきスタンドであり、身体のどこか一ヶ所をほんのちょっぴりでも傷つけられたが最後、傷口から侵入され「正義」の支配下に置かれてしまうので対策は非常に難しい。本体を狙っても幻覚と大量の死人に阻まれ本人の異常な脚力もあり捕らえるのは困難である。さらにスタンドのボディは霧の性質を持つので殴る・斬る・撃つなどの物理攻撃は全て無効というおまけつきである。
- そのあまりの強大さゆえ、ホル・ホースには「最強最大のスタンド」、ジョセフには「とんでもない執念のスタンドパワーの持ち主」と評された。
そしてそういった触れ込みで紹介された能力は、奇想天外な手段で呆気なく倒されるのも定番である。 - スタンド名の由来は、タロット大アルカナ11番目のカード「JUSTICE(正義)」。
第4部
スタンド能力を目覚めさせる「矢」を吉良吉廣に与えていた人物として回想で登場。
第5部
ディアボロが過去にエジプトで「矢」を6本発掘し、エンヤ婆が高値で5本買い取っているシーンがある。
6本の「矢」
スタンド能力は「弓と矢」を使わずとも目覚める者たちもいるが、才能ある者が「矢」の鏃に触る・貫かれた事により世界中でスタンド能力者が増えた。ちなみに下記が「矢」6本の行方。「弓と矢」の記事も参照。
- ディアボロ→ポルポ→ジョルノが破壊
- ディアボロ→エンヤ婆→?→ポルナレフ→ジョルノ(最後は亀の中に仕舞った)
- ディアボロ→エンヤ婆→?→虹村形兆→音石明→SPW財団(徐倫の元に送られた「矢」の欠片の可能性あり)
- ディアボロ→エンヤ婆→吉良吉廣→吉良吉影(体内に取り込んだ。その後は描写なし)
- ディアボロ→エンヤ婆→DIO→プッチ(体内に取り込んだ。その後は描写なし)
- ディアボロ→エンヤ婆(作中に出てこなかった。エンヤ婆が持っていた可能性あり)
第7部
名前は不明だが、ポコロコに『人生最高の至福の時期がやってくる』と占いをしたエンヤ婆に酷似している「ジプシーの女」が登場する。エンヤ婆の生まれ変わり・別の可能性の人物と思われる。特に悪事は行っておらず、ポコロコに助言をした後は登場していない。
歴代担当声優
余談
テレビアニメ版「ジョジョの奇妙な冒険」で、一番最初に決まった配役は承太郎ではなく、なんとエンヤ婆の鈴木れい子だったらしい。(参考→意外! それは… アニメ『スタクル』で一番最初に決まったキャスティング!)
関連動画
関連コミュニティ
関連項目
- ジョジョの奇妙な冒険
- DIO
- 空条承太郎
- ジャン=ピエール・ポルナレフ
- ジョセフ・ジョースター
- ディアボロ
- スタンド(ジョジョの奇妙な冒険)
- 弓と矢
- 魔女
- ジョジョの奇妙な冒険 関連項目一覧
- 高性能ばあちゃん
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