おかあさんの木とは、児童文学作家の大川悦生氏が1969年に発表したホラー作品である。
概要
支那事変と大東亜戦争を題材にした文学作品。小学校の国語の教科書にも使用されており、授業で習った諸氏もいるかもしれない。1986年にアニメ映画が製作され、2015年には東映が実写映画を製作している。
実写映画では若干設定が変更されており、田村の苗字が付けられている。
あらすじ
この時代に7人の息子を持ったお母さんがいた。名前は長男から一郎、二郎、三郎、四郎、五郎、六郎、七郎である。適当すぎる。しかし戦争は激化していき、1941年12月には大東亜戦争まで勃発。愛する息子達は次々に徴兵され、戦地に赴いた。お母さんは息子を徴兵されるたびに、裏の空き地にキリの木の苗を植え、息子の名前を与えた。
3年、4年が経過した頃、一郎が中国大陸で「名誉の戦死」をしたとの報が舞い込んだ。一郎の葬式では涙を見せなかったお母さんだが、一郎と名付けた木にすがって泣き崩れた。息子を失ったショックでお母さんの頭はおかしくなり、近所の人が注意しても戦争に協力しない非国民になってしまった。
一郎に続いて二郎が南の島で戦死、三郎は乗船していた船ごと海に沈み、四郎はガダルカナル島で戦死、五郎はビルマ戦線で行方不明、六郎は沖縄で戦死、七郎は特攻隊で散華した。失意のお母さんは「一人でいい、どうか一人だけでも帰してくれ」と祈った。冬の夜中にコトンの物音が立てば、「四郎かや、五郎かや」と起き上がった。それでも誰も帰ってこなかった。
そんなある日、ビルマ方面で行方不明になった五郎が生還。お母さんの家に帰ってきた。しかしお母さんは五郎の木にもたれかかる形で死んでいた……。
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関連項目
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