くしゃみ講釈(またはくっしゃみ講釈)とは、落語の演目である。
分かりやすい噺から、聴き手としては初心者向けなのだが、演じる方は覗きからくりや講釈の節を謡う技術が求められるため、かなり難しい噺でもある。上方落語の演目で、六代目笑福亭松鶴、笑福亭仁鶴、桂米朝、桂吉朝、桂枝雀など多くの噺家が演じており、東京でも三遊亭金馬などが演じている。
あらすじ
ある男が久々に大坂に戻ると、横町の化け物屋敷の様子が変わっていると友人に尋ねる。すると、屋敷跡に誰も買い手が付かないので、そこに講釈の席が出来て大変な入りだという。しかし、その講釈師の名を聞くや男は号泣。実は、美人で評判の小間物屋の娘と親しくなり、縁談手前まで行ったが、二人で河原で忍んでいた所、その講釈師が現れ、犬の糞を自分の鼻になすりつけられたせいで、ムードを台無しにされただけでなく、その娘と破談になってしまったというのである。
男はその講釈師に復讐したいと興奮するが、それならばと友人は八百屋で胡椒を2銭買ってこいと告げる。だが、この男は物覚えが悪すぎる。あまりにコロコロ忘れるので、友人は男の好きな覗き絡繰り「八百屋お七」を目安にしたらいいと助言を送った(お七の相手が小姓の吉三《きちざ》なので)。こうして、彼は八百屋に行くが、到着するや男はまたど忘れ。それでいきなり、八百屋の前で覗き絡繰りの節をそっくり謡い出すのだが、それでもなかなか思い出せない。だが、八百屋の方が「小姓の吉三」から「胡椒」を買いに来たことに気付くも、生憎胡椒は売り切れ。代わりに唐辛子の粉でもえぐいくしゃみが出ると教えられ、男は丸一日がかりで唐辛子の粉を買ってきた。
二人が講釈場に辿り付くと、さっそく一番前に座り、火鉢も用意してもらった。しばらくして、講釈が始まる。男はすっかり聴き入るが、友人が「やるなら早くやれ」と嗾けられ、思い出したように唐辛子をくすべる。しばらくして、講釈師の様子が変わり、くしゃみが始まる。最初に一発、二発、次第にくしゃみが止まらなくなり、彼はお客にお詫びの挨拶をすると、客はぞろぞろ帰っていった。
だが、男と友人だけは待ちかねたように、ここぞとばかり叱咤する。講釈師も「貴様ら何か私に故障(文句)でもあるのか?」と訊ねると、男はしたり顔で
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