ウェイソン選択課題または4枚カード問題とは、1966年に考案された論理パズルである。
概要
ウェイソン選択課題は、イギリスの認知心理学者P. C. Wasonによって考案された次のような問題である。
ここに、4枚のカードがある。それぞれのカードは、片面にアルファベット(A~Z)のいずれかが、もう片面に数字(1~9)のいずれかが書かれている。
AK47
いま、いく枚かのカードを裏返して、「カードの片面に母音が書かれているならば、もう片面には偶数が書かれている」という仮説が正しいかどうか確かめたい。裏返す必要のあるカードのみ示せ。
解答
解説
それぞれのカードについて、裏返す必要があるのかを考える。
- 母音「A」のカードを裏返すと仮定する。
- 子音「K」のカードを裏返すと仮定する。
- 偶数「4」のカードを裏返すと仮定する。
- 母音であろうと子音であろうと仮説に反しない。
- 奇数「7」のカードを裏返すと仮定する。
以上より、裏返して確認しなければならないのは、「A」のカードと「7」のカードの2枚である。
「K」のカードと「4」のカードは裏返す必要がない。しかし、「4」のカードを裏返す、または「7」のカードを裏返さないとする誤答が多い。これは、「4」のカードの裏が母音であることを確かめることで仮説を強めようとする心理や、「7」のカードを裏返さないことで仮説の反証を避ける心理があると考えられ、確証バイアスの一種として説明される。
命題と対偶
この論理パズルは、命題「PならばQ」の対偶「QでないならばPでない」を考えることでも解ける。
命題と対偶の真偽は一致する。しかし、逆「QならばP」や裏「PでないならばQでない」の真偽と一致するとは限らない。誤答を導いてしまう一因として、命題とその逆・裏・対偶の真偽の関係についての誤解があるとも考えられる。
正答率の上がる出題
ウェイソン選択課題は、社会規範や道徳に関する身近なテーマを扱うと、正答率が高くなることが知られている。
4人が飲み物を飲んでいる。A氏はジュース、B氏はビールをそれぞれ飲んでいる。C氏とD氏が何を飲んでいるかは分からないが、2人の年齢はそれぞれ16歳、24歳である。
以上より、ビールを飲んでいるB氏の年齢と、16歳のC氏の飲み物を確認するとよい。
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関連項目
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