コンテンダーとは、アメリカのトンプソン・センター社製の民間向け競技・狩猟用銃器である。
概要
コンテンダー(競技者)とは、1967年に登場した中折れ式単発銃である。ピストルモデルが有名だが、銃身と銃床を交換するだけでライフルモデルにも出来る。
20世紀の銃としては極めて単純な構造をしており、簡単な銃身の交換だけで、小口径リムファイヤー弾から22口径ライフル弾、45/70弾まで多数の規格の弾薬に対応できるのが特長である。弾倉や装填機構はなく、一発ごとに銃を折り開いて手ずから排莢・装填しなければならない。
当然のことだが、銃身が短く、銃床がないピストルモデルでライフル弾を発射するのは、過大な反動と発射炎が発生し、射手の負担が大きい。単発ということもあって、当初は実用品ではなくゲテモノ、銃身や銃床を交換して楽しむキットガンの類と思われていた。
だが、そのピストルモデルが、メタルシルエット競技において思わぬ成功を収めることとなった。
遠距離から重い金属板を弾くメタルシルエット競技では、命中精度だけでなく弾そのものの威力・重量も重要になる。弾速が高く、威力の大きいライフル弾が使えるコンテンダーはうってつけだったのである。
少し大型化した後継モデルにあたる、トンプソン・アンコールのピストルモデルは、30口径ライフル弾にまで対応、本格的なビッグゲームも楽しめるものになっている。さらに、ライフルモデル用長銃身は50口径先込め式や12番ゲージ散弾、アフリカン・ゲーム・カートリッジの375H&Hや416Rigbyまで対応し、小型害獣から鳥、象撃ちまでこなせる万能銃である。あくまで単発だが…。
世の中広いもので、トンプソン・アンコールでライフル用のマグナム弾である.600ニトロエクスプレスを撃てるように改造した馬鹿マニアがいる(関連動画参照)。しかし、銃本体の重量は精々2kg程度しかなく、撃った直後に反動により銃が後ろにぶっ飛んでいってしまっている。同じように.600ニトロエクスプレスを撃てる拳銃を目指してオーストリアで開発された、Pfeifer Zeliskaは、発射時の反動を軽減するために銃本体の重量が6kg(重めのライフル並)もあり、それだけでなく、火薬をやや減らした減装弾を使用することでなんとか保持できるようにしている。上記の改造銃がいかに無茶をしているかが分かるであろう。
関連動画
トンプソン・アンコールの改造銃 UP主はPfeifer Zeliskaと勘違いしている
関連項目
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