ジョニーウォーカーとは、世界一売れているスコッチウイスキーのブランド。
概要
スコットランド産のウイスキー、スコッチの中で世界一売れている銘柄。
種別としてはブレッドウイスキー[1]とブレンデッドモルトウイスキー[2]。
ブランド設立は1909年。しかしそのルーツは1820年まで遡る。
初代創業者のジョン・ウォーカーが若干14歳で食料雑貨店を開き、紅茶をヒントにウイスキーのブレンドを始めたのが全ての始まり。
ジョンの愛称にちなみ、三代目であるジョージ・ウォーカーによって『ジョニーウォーカー』が設立された。
当時品質が不安定だったウイスキーをブレンドする事により高品質で安定したウイスキーを供給でき、二代目の頃には瞬く間にイギリス中に広まり、ブランド発足後には世界規模へと成長していった。
現在はディアジオ社傘下。
日本国内でも古くから「ジョニ黒」「ジョニ赤」と親しまれている銘柄。
1980年代までは酒税が非常に高かったのもあり、当時のジョニ黒は1万円以上、
現在の貨幣価値換算なら3万円オーバーという高級品の代名詞だった。
90年には酒税法改正で急に本場と同じく数千円で買えるように。
それまでは政治家の賄賂などに利用されていたが、味は変わらないのに税制改正で価格が下がって賄賂などに利用されなくなったとか変な話も。
レギュラーラインナップ
レッドラベル
通称「ジョニ赤」。
大体1000円で買える最も安いジョニーウォーカー。
最初は10年熟成表記だったようだが現在のものはノンエイジ(熟成年数表記無し)。
熟成年数の短いウイスキー特有のアルコールの刺激はあるものの、同価格帯の中ではハイレベルに仕上がっている。世界で最も売れている1000円スコッチ。
ブラックラベル12年
通称「ジョニ黒」。ジョニーウォーカーの代名詞的存在。
前身である「オールドハイランド」も含めれば最も古い元祖のジョニーウォーカー。
熟成年数12年表記なので最低12年以上熟成した原酒が40種類以上ブレンドされている。
種類の多さは単純に複雑さを出すだけでなく、ウイスキーで難しい大量生産と品質の安定を両立する為。
2000円台のウイスキーで最高峰に挙げるウイスキー好きも多い。
仄かなピート[3]のスモーキーさに甘み、フルーティーさ、樽のウッディーさなど、ウイスキーの要素を全て網羅するかの様なバランスの良さが売り。
ウイスキー初心者の最初の1本にオススメ。
最初はフーンで終わるかもしれないが、その後シングルモルトの経験値も増やしてから戻ってくるとこのクオリティの高さを実感できることだろう。
ダブルブラック
かなり新参の銘柄。
元々は免税店向けのバリエーションだったが好評を受けてレギュラー入りした。
ジョニ黒と違いノンエイジ[4]。
味わいはジョニ黒からフルーティー感を減らして代わりにスモーキーさとバニラの甘みを増した感じ。
ピート香はアイラモルト[5]のようなヨードでなく、木を燃やしたような煙感。
スモーキーさが好きな層はジョニ黒よりこちら。
グリーンラベル15年
異彩を放つ人気ボトル。
ジョニーウォーカーで唯一、グレーン原酒を含まず100%モルトのみブレンドされたブレンデッドモルト。
ジャパニーズウイスキーで言えば竹鶴ピュアモルトと同じカテゴリである。
前身であるピュアモルト15年が1997年に発売され、2004年にグリーンラベル15年と命名された。
最低15年以上熟成させたタリスカー、クラガンモア、リンクウッド、カリラが主体にブレンドされている。
ジョニ黒よりスモーキーさとフルーティーさの両方が濃いだけでなく、よく草原の香りだとか若草の香りだとか表現される独特の爽快な香りが鼻に抜ける。
ジョニ黒が2本買えるお値段だがジョニ黒好きは一度は飲んでみるべき一本。
ゴールドラベルリザーブ
補欠版のジョニ金。現在ジョニ金と言われるのはこれ。
且つて「ゴールドラベル18年」として売られていたが原酒不足によりノンエイジ化。
補欠を意味する「リザーブ」の名前が付けられ価格もグリーンラベルと同等に。
ジョニーウォーカーの中ではピート香が最も少なくクセが無い。
甘さとフルーティーな爽やかさが全面に出ているが厚みもあり芳醇。
補欠扱いとは言え侮れない旨さ。
18年
且つてのゴールドラベル18年が終売後プラチナラベル18年として復活し、最終的にこれに。
何故か色ラベルじゃなくなった。
歴代のマスターブレンダー[6]のプライベートレシピを基に編み出されたそうで、ジョニーウォーカーの集大成と言えるボトル。
18年熟成ゆえのまろやかさが特徴。フルーティーさとスモーキーさを味わえる。
ジョニーウォーカーの中ではグリーンなどよりも飲みやすいが、決してつまらない無難さと言う訳ではない。ハイレベルな優等生タイプ。
ブルーラベル
レギュラー品では最上級のジョニーウォーカー。究極のブレンデッド。
全ボトルにシリアルナンバーが刻印されており箱も豪華で高級感が物凄い。
表記上ノンエイジではあるが貯蔵の中から最精鋭の原酒を選び抜き、それらは15年~60年熟成物の原酒との事。
非常にスムーズで優しい印象の飲み口。
仄かにスモーキーで甘みが強く、後味はスパイシー。優しい飲み口なのに余韻が長く、変化していく。
非常に複雑で難解。クオリティは高いが正直初心者には難しいウイスキーかもしれない。
限定品
ウイスキーは期間限定のバリエーション品が多いがジョニーウォーカーは特にである。
免税店向けやゲームやドラマとのコラボまで多数。
イロモノのような品も多いが中には正統派な物も。
最近ではジョニ黒の原酒から産地ごとにクローズアップしたオリジンシリーズが人気を博した。
中には閉鎖蒸留所の希少な原酒をブレンドしたブルーラベル ゴースト&レアという通常のブルーラベル以上の高級品も。
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関連項目
脚注
- *大麦麦芽から作られるモルト原酒と、小麦、ライ麦、コーンなどから作られるグレーン原酒をブレンドしたもの。
- *グレーン原酒は含まず、複数の蒸留所のモルト原酒のみをブレンドしたもの。
- *スコッチはピート(泥炭、植物の死骸が蓄積して泥化した化石燃料、石炭の前身とも)を燻して麦芽を乾燥させつつ香りを付けるのが主流。
- *年数表記無し。若く安い原酒を使っている場合が多いが、高級品の場合は味最優先で年数に拘らないというパターンもある。
- *スコッチ6大産地の一つ、アイラ島のウイスキー。海藻由来の磯臭いピートを使ったクセの強い香りが特徴。
- *ブレンドレシピ、つまりは味の全てを決めるブレンダーの最高責任者。
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