バケットホイールエクスカベーター(bucket wheel excavator、略してBWE)とは、重機の一種である。
カタカナ表記は多彩。「エクスカベーター」の部分を「エキスカベーター」「エクスカベータ」「エキスカベータ」などと表記する場合があるため。
概要
シャベルの役割をするバケット(bucket)がたくさん付いたホイール(wheel:車輪)を回すことで、地面を削って採掘を行うエクスカベーター(excavator:掘削機)である。主に大規模な鉱山での露天掘りに使用される。
掘削するバケットホイールの見た目は回転ノコギリのお化けのように見える。バケットホイールは長いアーム(ブーム)の先に付いており、そのブームの上ではベルトコンベアが動いている。回転ノコギリで削り取られた=バケットの中に入った掘削対象物はベルトコンベアに落とされ、搬出されていく。
類似した重機
- バケットチェーンエクスカベーター (bucket chain excavator):「ホイール」ではなく「チェーン」状にバケットが付いている掘削機。BWEは「巨大回転ノコギリ」のような見た目だが、こちらは「巨大チェーンソー」のような見た目。
- バケットホイールリクレーマー(bucket wheel reclaimer):バケットホイールで物を集めるのはBWEと同じだが、「掘削機」(excavator)ではなく「回収機」(reclaimer)。山積みにして集積されていた鉱石・石炭などを、その山から再回収して搬出するために使われる。
世界最大の車両
(※以下の文章には「世界最大」に関する内容が含まれる。これらの情報は2019年3月現在のものであり、その後に「世界最大」が更新された可能性があることに注意されたい)
数ある掘削用機械の一種に過ぎないと言えばそうなのだが、多数存在するBWEのうちドイツの企業が製造した「Bagger」シリーズが「世界最大の車両」の記録を長期間保持し続けていることで、BWE全体の知名度が高くなっている。
同シリーズ最大の、TAKRAF社による「SRs 8000」(別名:RB293、Bagger 293)は全長225m、高さ96m、重量14200トンを誇る。なおこれは無限軌道が付いており動き回れる。そのためこれが「世界最大の車両」と呼ばれることもある。
ただし「SRs 8000」などの「Bagger」シリーズは外部動力によって動く。動力が内蔵されているものに限れば、世界最大の車両はNASAでロケットやスペースシャトルの運搬に用いられる台車「クローラー・トランスポーター」になるという。
また、BWEではなくドイツにある「F60」という全長502mのコンベア橋を「世界最大」と見なす場合もある。この橋は両端がレールの上に立っており、レール上をゆっくりと動くことが出来るため。しかしさすがに、動けるとはいえ「橋」に対して「車両」という表現はそぐわないという意見もあるだろう。ちなみにこの「F60」も「SRs 8000」と同じTAKRAF社によるもの。
また「地上」という限定を抜けば、クレーン船の中には排水量が「SRs 8000」や「F60」の重量を超えると思われるものは多数あるため、仮にクレーン船を「重機」のカテゴリーに入れるならば「世界最大の重機」はクレーン船ということになるかもしれない。
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関連項目
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