ボビー・マルカーノ単語

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ボビー・マルカーノ(Roberto Antonio "Bobby" Marcano Cherubini)とは、元プロ野球選手である。故人。

概要

1951年6月7日生まれ。ベネズエラのミランダ州アセベド市出身。

高校卒業後、同国のプロ球団であるラ・グアイラを経て、1969年にシンシナティ・レッズと契約。その後、カリフォルニア・エンゼルス傘下のマイナーチームなど数チームでプレーしたが、メジャー昇格には至らなかった。

1975年、阪急ブレーブスと契約。阪急の監督であった上田利治が、広島時代の元チームメイトでありエンゼルスでスカウトを務めていた日系人の平山智に依頼し、斡旋してもらっての獲得であった。

初年度のオープン戦から活躍し、開幕後も阪急打線の中軸として安定感のある活躍を続け、オールスターゲームにも初出場。後半戦も崩れることなく、最終的には打率.298、23本塁打、71打点、リーグ最多の6三塁打をマークし、ベストナインとダイヤモンドグラブ賞を受賞。チームのリーグ制覇に貢献し、日本シリーズでは打率.346、1本塁打と短期決戦でも力を見せ、チーム初の日本一獲得にも大きく貢献した。

以降も阪急の中軸として攻守で活躍し、通算で4度のベストナイン・ダイヤモンドグラブ賞を受賞。中でも4番打者を任された1978年には打率.322、27本塁打、94打点と打ちまくり打点王のタイトルを獲得。チームのV4に大きく貢献した。

1979年は優勝こそ逃したが、キャリアハイの32本塁打を放った他、4度目の出場となったオールスターゲームで第2戦目のMVPにも選ばれた。

1981年からは膝を故障した影響で成績がやや下降。

1983年、ヤクルトスワローズへ移籍。移籍初年度は打率.271、25本塁打、78打点と復活を果たし、低迷するヤクルトを打棒で引っ張ると、1984年は打率.300、15本塁打、77打点という成績を残す。1985年、打率.299という成績を残したが、同年限りで自由契約となる。退団時には「ヤクルトは、ずっと負けてばかりで悔しかった。でも、日本人が、みんな親切。一生、忘れない」と涙ながらコメントを残し帰国。

ヤクルト退団後、読売ジャイアンツの中南米スカウトを担当し、抑え投手として活躍するルイス・サンチェを発掘。マルカーノ自身はサンチェの通訳として巨人のスタッフとしてチームに帯同した。また、現役復帰を諦めず、通訳業の傍らトレーニングを重ねていたようである。サンチェが退団した1987年オフにマルカーノ自身も退団し、ベネズエラに帰国している。

1990年11月13日、肺癌のため自宅で死去。享年39歳。日本での追悼式は神戸市内で行われ、阪急時代の指揮官である上田や、同僚であった福本豊らが参列した。

人物・エピソード

持ち前のパワーと堅実な守備で黄金時代の阪急と低迷期のヤクルト両球団を支えた名助っ人外国人。

性格は陽気であり、カタコトの日本語を使いチームメイトを笑顔にすることも多かったという。自身のサインに「丸河野(まるかーの)」と書いたり、うどんやカツ丼が好物であるなど、日本文化を積極的に学んでいたという。

オフには球団から止められても母国で開催されるウインターリーグにも参加するほど、根っからの野球好きでもあった。

トレードマークの眼鏡は練習中に左目を負傷し、視力が低下したため掛けるようになったものである。

先祖に日本人が居たという噂があったが、証明する資料が散逸していたため真相は定かではない。

通算成績

打撃成績

通算:11年	試合	打席	打数	得点	安打	本塁打	打点	盗塁	犠打	犠飛	四球	死球	三振	併殺打	打率	出塁率
NPB：11年	1313	5268	4938	655	1418	232	817	60	16	43	224	47	548	138	.287	.322

獲得タイトル・表彰

• 打点王：1回（1978年）
• ベストナイン：4回（1975年、1977年 - 1979年）
• ダイヤモンドグラブ賞：4回（1975年、1976年、1978年、1979年）
• オールスターゲームMVP：1回（1979年 第2戦）
• 日本シリーズ技能賞：1回（1976年）
• パ・リーグプレーオフ優秀選手賞：1回（1975年）
• パ・リーグプレーオフ首位打者賞：1回（1975年）

関連項目

• プロ野球
• 阪急ブレーブス
• ヤクルトスワローズ 
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