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包茎(ほうけい、ほうきょう)とは、包まれた陰茎のこと。男性器が皮に先端部分まで覆われている状態。皮かぶり。
概要
通常、男性は陰茎を持っており、その陰茎の周りには包皮がある。包皮は細菌や外部の衝撃によって陰茎がその機能を損なわないように守る大事な役目を担っている。
しかし、その反面その包皮によって包まれているために起こる様々な弊害もある。例えば、恥垢などによる悪臭などがあげられる。これは、包皮の下に垢がたまりそれが処理できないため臭いを放つようになるため。
また、包茎は多くの男性の自尊心を深く傷つけているともされ、一部の界隈では男性間での序列はすなわち陰茎の大きさ、陰茎の長さ、そして陰茎の罪深さによって決まる。そのため、男性諸君にとって陰茎の諸問題は社会における自らの立ち位置に直結する死活的問題であるかもしれない。
ちなみにアダルトゲームの魔法とHのカンケイ。はファンから法ケイという略称を付けられている。
種別
包茎といっても、仮性包茎・真性包茎・カントン包茎の3種類に分類される。
- 仮性包茎
- 普段は被ってるものの、包皮を指で摘まんで剥ける状態のことをいう。日本人の約7割は仮性包茎だとされている。
- 真性包茎
- 包皮が全く剥けない状態。亀頭を洗うことができないため不潔になりやすく、性感染症になりやすい。
- カントン包茎
- 勃起していないときは剥くことができても、包皮が狭いが故に勃起時に剥くことができない。剥いてるときに勃起をすると亀頭が締め付けられて包皮が腫れ上がり、最悪、壊死することがある。漢字で書くと嵌頓包茎だが、カタカナ表記のほうが多い。
問題点
世界的には存在しない仮性包茎の概念
仮性包茎という概念が存在しているのは世界的に見て日本だけであり、国際的に認められた医学用語ではない。包茎の分類の際に問題のない包茎に仮性包茎という用語がつけられたが、そのことが広まらずに問題があるものかのように扱われるようになった。
英語圏などの海外においても一般的に包茎(phimosis)を指すのは所謂真性包茎やカントン包茎とされており、仮性包茎を表す言葉や概念は存在しない。意識的に剥いた時や勃起時には自然と亀頭が露出するが、通常時は包皮に覆われている状態というのは、海外を含めた世間一般的にはごく当たり前かつ正常なことのため、医学的側面においても全く問題はない。
宗教上の理由でユダヤ教・イスラム教圏は割礼により亀頭が露出しているのは当たり前だが、それ以外の地域は露出していないのはそれほどおかしくはない。そのため後に述べる理由によって日本と韓国以外では割礼・手術などで仮性包茎ではない状態にするのは一般的ではない。
幼児の包茎対策
包茎対策で1990年代に我が子の包茎を治す「むきむき体操」というものが医師から提唱されており、男の子をもつ親からはこれをすべきなのかの声が寄せられていたりする。
幼少期から成人時の包茎の対策が必要かどうかを考えなくてはならないことになっている上に、当時むきむき体操を受けた子供は体験談として「痛かった」と語ってもいた。そもそもこれを受ける子供の意思が尊重されているかも疑問である。成長と共に自然に剥けるかどうか様子を見ればよく、むきむき体操のおかげで包茎にならずに済んだかは不明である。
性病対策
「包茎は恥垢などが原因で性病になりやすいので包皮を切除すべきだ」という意見もある。しかし、仮性包茎なら毎日風呂に入る際に皮をむいて包皮で隠れている部分を洗い、軽くこすって恥垢を落とせばいいだけなので、手術する必要があるかは疑問である。
商業上の理由でもてはやされる包茎手術
仮性包茎は悪であり、治療すべきものであるという風潮を作ったのはメディアであり、高須克弥である。宗教上の理由で割礼するユダヤ教など違い、割礼する人がほぼいない日本では商機だとみなして高須は積極的に広告を行い、日本と(高須の技術指導の影響があった)韓国に包茎手術を根付かせることとなった(「包茎を作った男」高須院長が整形産業について語る)。短時間で稼げるという点でもコストパフォーマンスが良い商売でもあった。
性にまつわる類似商品の例としては、パナソニックは全身の体毛に対応できる男性用ボディートリマーの発売したが、「欧州でアンダーヘアの剃毛はよくあることだった」「日本でもゲイのコミュニティが体毛ケアの意識が強い」などの情報をもとに需要があると踏んだからこそ商品として出せた("陰毛の電動トリマー"ヒットを生んだ演出)。そのことを考えたら自分から需要を作り出した高須はすごいとも言えるのだが、包茎の男性に対して不要な劣等感や余計な出費を強いらせる社会を作り出す結果を生むこととなった。
社会学者の澁谷知美は男性の性に関する言説の調査の結果、高須をはじめとした美容整形業界が「包茎は悪」だとする価値観を形成したと指摘している。一方で真性包茎・カントン包茎を問題視しないような言説はさすがになかった。
このような劣等感に付け込んで必要のない消費をさせる商法をコンプレックス商法と呼び、国民生活センターからは注意を促している。
人権侵害
同じ性器に関する話題ではアフリカでよく行われる女性の陰核切除(通称、女性器切除)が問題視されている。
これは名前の通りクリトリスの除去をはじめとした女性器の部位を人為的に切除するものである。これにより貞淑な女性ができあがる・通過儀礼を理由として生後間もないころから初潮目前の女子を対象に行われる手術である。
しかし、清潔な環境で行われない、麻酔も使わないため感染症によって苦痛、最悪死につながる恐れがあり、手術により後遺症も発生する可能性もある。そもそも女性だけこんな目に遭わなければならないという点でも性差別である。そのため当然のようにアフリカ大陸内外の国から批判が出ている。
こう考えると「女性は性器の手術を受けなければならない」のが人権侵害と認識される一方、「『男性は包茎なら手術を受けなければいけない』という風潮で正当化されるのは人権侵害なのでは?」と考えたくもなってしまう。そうは思われないのはなぜなのだろうか。包茎の人間に限られるからなのか。手術を受けてもまず死なないからなのか。
包茎は罪か
包茎は罪か・・・?
もしも、だが。君がささやかな慎ましい胸を持つ女性と性的交渉をする際、君は果たして彼女に胸の小ささを気にしてほしいだろうか。むしろ俺は小さい胸のほうが嬉しい。
それと同じで、女性も愛した男性が包茎であったところでその愛に揺るぎなど生まれ得ない。もし揺るぎが生まれるならばそれは真実の愛ではないのだ。
包茎かどうか、それを気にすることよりも、相手を思いやること。これが包茎の治療法において最も優れたものであることは間違いないことなのである。
真面目な話として、基本的に生物としては仮性包茎が基本である。割礼文化で生後から切除することもあるが、今では活発なところでも半々である。国によっては生後からの切除が違法になるケースもある。術のやり方によっては術後からの菌感染もありうる。
性交渉において痛みなどの障害になる真性や、場合によってはうっ血に陥る陥頓は治療の余地はある。もっともその場合は激しい動作をしなければいいので、自分の状態を見極めてそれに沿った方法を取りたい。
関連動画
関連項目
関連リンク
- 現代性教育ジャーナル No.103
「仮性包茎なんて言葉はやめてしまえ」プロジェクト が掲載。
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