固定電話とは、携帯電話やPHSのような移動式電話、それに公衆電話を除いた電話のことである。有線加入電話、IP電話などがあたる。
概要
携帯電話が普及したことに伴い、それに対する言葉として生み出された用語である(こういった用語のことをレトロニムという)。家庭に設置する電話のことを指す場合、「家電話」「家電(イエデン)」と略することもある。
公衆電話同様、携帯電話が普及したこと、それにインターネット接続を固定電話契約なしでも行うことが可能となったことにより、現在ではその契約数が漸減している。ピークの1997年11月には6322万回線が存在したが、2011年12月には3600万回線程度まで減少した(ただしIP電話に置き換わったものもあり、こちらの同月における番号利用数は約2700万回線である)。
以前は電話加入の際に高額な加入権料(施設設置負担金)を支払う必要があり、それが取引の対象とされたり、企業の資産として帳簿に計上されたりしていたが、今日ではNTT以外の企業が固定電話に参入したり、IP電話が普及したりしたことにより、負担金なしでも固定回線を引くことが可能になった。そのためこの加入権料については2000年代から廃止が検討されているが、先述した固定資産として計上している企業が多いという事情もあり、実現には至っていない。
固定電話の主流であったメタル回線は設備の維持限界が2035年にやってくるが、設備維持に多額の費用もかかることから巻き取ることとなった。メタル回線の代替は光回線を使用したひかり電話もしくはモバイル回線を使用した固定電話。既存の電話機はよほど古すぎるものでなければ切り替え後も利用できる。
なお、このメタル回線巻き取りに関連した詐欺行為が懸念されている。
余談
- 近年では高齢者層を中心に固定電話を解約し電話台を売却するケースが増えている、と一部の識者が主張しているという。その理由としては、若年層の中で音声で伝える会話から文章で伝える会話(LINE等のチャット)が中心となったことの影響や、電気代の高騰や経費削減などの目的が考えられる、とされている
関連項目
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