柚木進単語

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柚木進（ゆき すすむ）とは、元プロ野球選手である。故人。

概要

1920年9月28日生まれ。広島県呉市出身。

呉港中学に進学。同校には4学年上には藤村富美男が、同期には藤村富美男の弟である藤村隆男などがいた。1937の夏の甲子園大会に3番ファーストとして出場、藤村隆男とともに投手も兼任し、準々決勝まで勝ち進んだ。

1940年、法政大学に進学。速球派のエースとしチームの優勝にも貢献するなど活躍を見せていたものの、学徒出陣により応召し満州へ。戦後、ソ連軍の捕虜となり、シベリア抑留を経験。

1947年秋に帰国し地元の呉に帰郷。安定した会社員を志望し南洋興発に入社が決まっていたが、法政大学の先輩であり南海ホークスの監督を務める鶴岡一人から誘われ、熱意に押される形で入社を辞退し南海に入団することを決めた。

1948年、ブランクのある新人ながらエース格として活躍し、19勝11敗、リーグ2位の防御率1.89を記録した。

1949年は防御率3.93とやや安定感を欠いたものの、1950年は19勝10敗、防御率2.79の成績を残す。

1951年、19勝5敗と大きく貯金を作り、防御率2.08の成績をマーク。この年、防御率自体は同僚の服部武夫の2.03に次ぐ2位だったが、この年の南海の試合数は104試合であり、服部がこの年に限り採用された資格投球回数に達していなかったために柚木が最優秀防御率のタイトルを獲得した。

1952年、19勝7敗、防御率1.91の成績を残し、南海の連覇に貢献。2年連続で最優秀防御率のタイトルを獲得し、勝率.731、104奪三振で最高勝率と最多奪三振のタイトルも獲得した他、最高殊勲選手（MVP）、ベストナインにも選出された。

入団から1954年にかけて7年連続で二桁勝利を達成したが、1955年からは成績低迷。

1956年、現役を引退。

引退後は鶴岡一人監督が退任するまでの11年間、二軍監督や投手コーチ、スカウトとして南海黄金時代を支え、杉浦忠や皆川睦雄らを育て上げた。スカウトとしても藤田学や門田博光らの獲得に関わった。

1997年10月22日死去。享年77歳。

人物・エピソード

制球力の高さと大きく曲がるカーブを武器に南海黄金時代を支えた技巧派エース。

3年連続での19勝など4度に亘り19勝を記録したが、一度もシーズン20勝に届かなかったことでも知られている。

シベリア抑留の影響で腰を悪くしたため球威が落ちた他、突然脱力感に襲われることもあったという。

通算成績

投手成績

通算:9年	登板	完投	完封	勝利	敗戦	セーブ	ホールド	勝率	投球回	与四球	奪三振	失点	自責点	防御率
NPB	281	69	15	123	64	---	---	.658	1511.2	321	728	528	418	2.49

主な獲得タイトル・記録

• 最優秀防御率：2回（1951年、1952年）
• 最高勝率：1回（1952年）
• 最高殊勲選手（MVP）：1回（1952年）
• ベストナイン：1回（1952年）
• 最多奪三振：1回（1952年）　※当時連盟表彰なし

関連項目

• プロ野球
• 南海ホークス
• プロ野球選手一覧