神奈川区(かながわく)は、横浜市にある区のひとつ。かつての東海道の宿場町・神奈川宿のあった地で、現在の神奈川県の名前の元となった土地でもある。
概要
横浜市の中心部のひとつで、西区・鶴見区・港北区・保土ヶ谷区・緑区に囲まれ、東側には横浜港と接している。東側では京浜東北線や横浜線、東急東横線など多数の鉄道が通るなど交通の便がとてもよい一方で、西側に行くとバス以外に公共交通機関がない陸の孤島になるなど、地域差がかなり激しい。東西ともにほとんどが住宅地で、横浜都心部や鶴見・川崎、東京方面へ通勤する市民のベッドタウンとしての性格が強い。
2020年時点の人口は240,844人。人口が多いだけに商工業も盛んで、かつては活気に満ちた多くの商店街を抱えていた。現在となっては区内最大と言われた大口通商店街ですら閑散としている有様だが、それでもまだまだ商店街は区内に多く残っており、商店街マニアには垂涎の地である。
横浜の海沿いはどこもかしこも埋め立てが盛んに行ってきたもので、神奈川区も鉄道を通すためにごっそり埋め立てを進めた歴史がある。先述の青木橋の下を通る線路より海側(東側)は、昔はほとんど海だったところである。横浜で「平らな土地」というと、東海道の道沿いとこの埋め立てでできた土地くらいなもので、そこから逸れると途端に山と坂ばかりの難儀な土地が広がる。港北区との境目あたりはやたらと角度のきつい坂が多い。
海沿いに行くとそれなりに開けているものの、内陸に入ると家と山と畑ばかりが広がる、そんな神奈川区が筆者は大好きです。横浜らしいところに行きたいという人にはちょっとどうかと思いますので、素直に西区や中区に連れてってあげましょう。
歴史
「神奈川」の名前の由来となった神奈川宿は、現在の青木橋付近にあったらしいが、ほとんど史跡は残っていない。かつての神奈川宿は重要な宿場のひとつで あったが、横浜港の開港によってその地位がどんどん薄らいでゆき、現在では完全に「横浜の一部」である。青木橋の下も川も埋め立てられており、今は京急の神奈川駅が橋の下に存在している。
横浜は英米との条約で開港した港であったが、本来要求されていたのは神奈川の港であり、それでは江戸に近すぎて危険だということで横浜に寄港させたという経緯があるので、もし要求どおりに神奈川を開港していたら、今頃「神奈川市」になっていたのかもしれない。
神奈川には「浦島」という地名がいくつかあるが、これは浦島太郎伝説にちなむものである。区内の寺にはその足跡があり、小学生の遠足先によく使われている。神奈川区のマスコットもこの伝説由来のカメである。
交通
先述のとおり、神奈川区は東側に限れば鉄道の便が非常によい。急行の割にあちこちに停車する東急東横線の急行・特急だが、なぜか神奈川区内は見事に全部スルーしてくれる。市営地下鉄ブルーラインの快速までもが区内の駅全てを通過する。解せぬ。
以下は神奈川区内に存在する鉄道駅。但し、カッコ内は別の区の駅だが、位置関係が解りやすいよう便宜的に記載した。
■横浜線
(妙蓮寺駅) - 白楽駅 - 東白楽駅 - 反町駅 - (横浜駅)
(生麦駅) - 京急新子安駅 - 子安駅 - 神奈川新町駅 - 仲木戸駅 - 神奈川駅 - (横浜駅)
(新横浜駅) - 岸根公園駅 - 片倉町駅 - 三ッ沢上町駅 - 三ッ沢下町駅 - (横浜駅)
2019年11月、神奈川区西部にある貨物駅「横浜羽沢駅」の近くに羽沢横浜国大駅が開業。これにより相鉄とJR線との相互乗り入れが開始された。
なんと相鉄線で唯一の神奈川区内に存在する駅である。2023年3月には東急新横浜線が開業、羽沢横浜国大駅に接続し相鉄と東急との乗り入れが開始される予定。
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