長野県岡谷市の岡谷駅で本線から分岐し、上伊那郡辰野町の辰野駅を経て塩尻市の塩尻駅で再び本線と合流する。
概要
この区間は、1905年に中央本線の前身にあたる官設鉄道が岡谷-塩尻間を延伸開業した当初の本線にあたる。
岡谷と塩尻の間の「塩尻峠」をトンネル（塩嶺トンネル）で貫く現在の本線に対し、こちらはそれを避け南に大きく迂回するルートをとっている。
このルートの実現のため奔走した伊那地方出身の代議士・伊藤大八の名を取って、この区間は予てから「大八廻り」と称され、政治路線と考えられることもあるが、一方で、当時の土木技術では現在のように塩尻峠を貫く長大トンネル（※）を掘削することは不可能ないし非常に困難で、できたとしても蒸気機関車の時代にあってはその性能上、また安全上も無理があったためにこちらのルートが選ばれたとも考えられている。
※現在の中央線塩嶺トンネルは全長5,994m。対して、岡谷-塩尻間開通当時日本最長だった笹子トンネル（こちらも中央本線）は4,656m。
開通後は東京と長野・北陸を結ぶ大動脈の一部として、また名古屋・関西方面へ至る東海道線の迂回路として大いに賑わったが、1983年にこの区間の両端を直線的に短絡する新線が開通してからは、優等列車を中心に多くの列車がそちらを経由するようになり、旧線はいちローカル線に転落した。
現在は途中の辰野駅でほぼ完全に運行系統が分断されている。岡谷-辰野間を運行する列車はほとんどが辰野から飯田線に直通し、実質的に飯田線の一部となっており、対する辰野-塩尻間はこの区間内で折り返し運転を行う列車が多く、この区間をもって「辰野線」と呼ぶこともある。
駅名一覧
前述の通り事実上辰野駅で運行形態が分離している。1983年に塩嶺トンネルが出来るまでこちらが本線であり一部の特急あずさも辰野駅に停車していた。
| 路 線 名 |
飯 田 線 普 通 |
辰 野 線 普 通 |
駅名 | ■乗り換え路線 ○駅周辺施設 |
|---|---|---|---|---|
| 中 央 本 線 |
||||
| ● | 岡谷駅 | ■JR東日本 中央本線（甲府・塩尻方面） | ||
| ● | 川岸駅 | |||
| ● | ● | 辰野駅 | ■JR東海 飯田線 | |
| 飯 田 線 方 面 直 通 |
● | 信濃川島駅 | ||
| ● | 小野駅 | |||
| ● | 塩尻駅 | ■JR東日本 篠ノ井線 ■JR東日本 中央本線（岡谷・甲府方面） ■JR東海 中央本線（中津川・名古屋方面） |
||
| 路 線 名 |
飯 田 線 普 通 |
辰 野 線 普 通 |
駅名 | ■乗り換え路線 ○駅周辺施設 |
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関連項目
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