大糸線とは、長野県の松本駅から新潟県の糸魚川駅までを結ぶJRの鉄道路線である。
概要
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名前は、もともと「信濃大町」ー「糸魚川」間を結ぶ路線として建設されたことに由来する。
松本ー南小谷間がJR東日本管轄の電化区間、南小谷ー糸魚川間はJR西日本管轄の非電化区間である。
南小谷駅以南のラインカラーは紫色である。駅ナンバリングは南小谷駅以南の区間のみ実施されているが、南小谷駅以北である非実施区間の糸魚川駅を駅数の起点としており、南小谷駅の「□09」以上からカウントされる。南小谷駅以北ではラインカラーおよび駅ナンバリングは付与されていない。
車窓からの北アルプス、安曇野、仁科三湖、姫川などの自然あふれる風景が魅力的な路線。「北アルプス線」という愛称がついているらしいが地元でもあまり知られていない。
JR東日本管轄区間(松本ー南小谷)
特急では新宿方面から「あずさ」が定期的に運転している。休日には臨時で名古屋方面への「しなの」など、臨時特急が走ることがある。
普通列車はE127系の100番台、もしくは211系が使用されている。E127系100番台の車両は路線西側の風景(北アルプス、仁科三湖など)がよく見える座席配置になっている。
1937年に国有化された信濃鉄道が母体であるため早くから電化されており、新性能電車投入以前は戦前型の旧性能電車が投入されていた。なかにはクモハユニ44といった1形式1両のユニークな電車や、信濃大町までの貨物列車牽引のためにED60型という国鉄の直流電気機関車の原型となる車両が投入されており、南の飯田線の陰に隠れがちではあったが、鉄道マニアの注目を集める路線であった。
また、原則として信濃大町以北は全てE127系。ほとんどの駅が無人駅のためワンマン運転となる。
2016年12月12日より、首都圏エリア以外のJR東日本の路線としては初となる駅ナンバリングが導入される(大糸線単独での導入となるため、路線記号は導入されない)。付番方法は首都圏エリアと異なり、ワンマン運転の整理券番号(糸魚川駅を1として付番)に合わせているため、JR西日本管内の駅にあたる1~8は欠番となっている。
ヤナバスキー場の営業休止により、ヤナバスキー場前駅は2016年度から事実上休止状態だったが、2019年3月16日のダイヤ改正をもって廃止された。駅番号の17は欠番となっている。
また、同時に北陸本線と信越本線の各一部がJRから経営分離されたため、JR東日本とJR西日本の境界駅であった直江津駅がJRの境界駅ではなくなった為、大糸線の南小谷駅がJR東日本とJR西日本が唯一直接接する在来線の境界駅となった。
JR西日本管轄区間(南小谷ー糸魚川)
かつては大阪・金沢方面から北陸本線経由で急行列車が乗り入れていたが、現在は普通列車のみの運行である。普通列車の運行は一日7往復のみ。南小谷駅と糸魚川駅以外は無人駅である。
使用されていた車両は、糸魚川からの50キロ足らずで600メートル近い標高を稼ぐ急峻な路線のため、無煙化当時からキハ51、その後もキハ53、キハ58などの二エンジン車が投入されていた。中でも耳目を集めていた車両が旧国鉄色に塗装されたキハ52形気動車(右お絵カキコはそれ以前のオレンジ色の車両)。基本的に一両編成であった。そのどこか懐かしい雰囲気と、時に厳しく時にのどかな自然や田舎の風景との取り合わせは一部の鉄道ファンに人気があり、休日には必ずといっていいほどカメラを構えて待機している人が見られた。
また、18きっぷシーズンに運行されるムーンライト信州から乗り継ぐことになる南小谷始発列車は通勤列車並みの混雑が起きるので、あらかじめ注意されたし。
なお当区間は、去る2009年3月のダイヤ改正により米坂線のキハ52の定期運用が廃止されて以来、同形式の活躍する最後の舞台となっていたが、ついにこの大糸線のキハ52も2010年3月13日のダイヤ改正を以ってキハ120へ置き換えることが発表され、JRの同形式車両は定期列車から完全に姿を消すこととなった。なお、配置されていた3両のうち1両が同じくJR西日本の旧津山機関区機関庫にて保存・展示されることになっている。
現在、JR西日本においては採算が厳しい事もあり廃線によるバス転換などの検討対象路線の一つになっていたが、2015年3月14日開業の北陸新幹線開通後も存続することになった。
路線図
駅 番 号 |
駅名 | あ ず さ |
無 人 駅 |
■:乗り換え路線 □:廃止年月日 ○:駅周辺情報 | |
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J R 東 日 本 |
42 | 松本駅 | ● | ■篠ノ井線 ■松本電鉄上高地線 | |
41 | 北松本駅 | | | ○松本城 | ||
40 | 島内駅 | | | × | ○松本市音楽文化ホール | |
39 | 島高松駅 | | | × | ||
38 | 梓橋駅 | | | |||
37 | 一日市場駅 | | | |||
36 | 中萱駅 | | | |||
35 | 南豊科駅 | | | |||
34 | 豊科駅 | ● | ○安曇野市役所 ○安曇野赤十字病院 | ||
33 | 柏矢町駅 | | | ○あづみのショッピングプラザ | ||
32 | 穂高駅 | ● | ○穂高神社 | ||
31 | 有明駅 | | | |||
30 | 安曇追分駅 | | | |||
29 | 細野駅 | | | × | ||
28 | 北細野駅 | | | × | ||
27 | 信濃松川駅 | | | ○安曇野ちひろ美術館 | ||
26 | 安曇沓掛駅 | | | × | ○仁科神明宮(国宝) | |
25 | 信濃常盤駅 | | | × | ||
24 | 南大町駅 | | | × | ○ザ・ビッグ新大町店 | |
23 | 信濃大町駅 | ● | ○大町山岳博物館 | ||
22 | 北大町駅 | | | × | ○大町文化会館 | |
21 | 信濃木崎駅 | | | × | ○木崎湖温泉ゆ〜ぷる木崎湖 | |
20 | 稲尾駅 | | | × | ○「おねがい☆ティーチャー」ロケ地 | |
19 | 海ノ口駅 | | | × | ○「おねがい☆ティーチャー」ロケ地 | |
18 | 簗場駅 | | | × | ○中綱湖 ○鹿島槍スキー場 | |
17 | ヤナバスキー場前駅 | | | ※臨時駅(冬季のみの営業(~2015年度)⇒通年休止(2016年度~)) □2019年3月16日廃止 ○ヤナバスキー場(閉鎖中) |
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16 | 南神城駅 | | | × | ※JR東日本最西端の駅 ○白馬さのさかスキー場 ○姫川源流湧水(名水百選) |
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15 | 神城駅 | | | ○白馬五竜スキー場 ※臨時しなのは停車する | ||
14 | 飯森駅 | | | × | ||
13 | 白馬駅 | ● | ○白馬八方尾根スキー場 | ||
12 | 信濃森上駅 | | | × | ○白馬岩岳スキー場 | |
11 | 白馬大池駅 | | | × | ○栂池高原スキー場 | |
10 | 千国駅 | | | × | ||
9 | 南小谷駅 | ● | |||
J R 西 日 本 |
中土駅 | × | |||
北小谷駅 | × | ○道の駅おたり | |||
平岩駅 | × | ○姫川温泉 | |||
小滝駅 | × | ○ヒスイ峡 | |||
根知駅 | × | ○塩の道温泉 ○フォッサマグナパーク | |||
頸城大野駅 | × | ||||
姫川駅 | × | ||||
糸魚川駅 | ■北陸新幹線 ■えちごトキめき鉄道日本海ひすいライン ○赤レンガ車庫 ○糸魚川海水浴場 |
使用車両
JR東日本管轄区間(松本-南小谷)
現在の使用車両
過去の使用車両
- 115系(普通、快速)
- 165系・169系(普通、急行)
- E257系(特急『あずさ』)
- E351系(特急『スーパーあずさ』)
- 183系・189系(特急『あずさ』、臨時快速『ムーンライト信州』)
- JR東海381系(臨時特急『しなの』)
JR西日本管轄区間(南小谷-糸魚川)
現在の使用車両
過去の使用車両
関連動画
大糸線の車窓から
キハ52の雄姿
関連項目
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