概要
十二国記シリーズの長編2作目(『魔性の子』を含めれば3作目)。
同シリーズ長編1作目『月の影 影の海』にて言及のあった、もう一人の胎果である泰麒を主人公に据え、この世界において重要な存在である麒麟という存在を描く。
時系列的には『月の影 影の海』より約5年前となっている。
2002年にNHK-BS2にてアニメ『十二国記』の内の第十五話から第二十一話としてアニメ化されている。
あらすじ
王を選定し、王に仕える神獣・麒麟。戴国の麒麟・泰麒が金の果実として蓬山の木に実る。しかし、果実は天変地異“蝕”によって蓬莱へと流されてしまった。
10年後、人として育った泰麒は戴国の王を選ぶために連れ戻された。だが、泰麒は麒麟の姿になることもできず、麒麟としての自覚もない。
幼い少年の葛藤の日々が始まった。
主な登場人物
泰麒(たいき)-CV:釘宮理恵
本名は高里要(たかさと かなめ)。
卵果が蝕により日本(蓬莱)へ流されて女の胎に宿り、ただの人間として生まれ育った戴国の麒麟。
10年後に発見され、蓬山に連れ戻された。戻された頃には幼獣の時期を過ぎていたため、麒麟としての自覚が薄く、その力の大部分が眠った状態であった。
本来、麒麟の髪(鬣)は金色だが泰麒は黒麒のため、磨いた鋼のように黒い。
白汕子(はく さんし)-CV:勝生真沙子
泰麒に仕える女怪。女の上体に魚の首、下半身は豹、尾は蜥蜴の姿。
碧霞玄君玉葉(へきかげんくんぎょくよう)-CV:津田匠子
蓬廬宮に住まう女仙の長。
歳の頃が判然としない、玲瓏とした美女。
蓉可(ようか)-CV:ゆかな
蓬山に住まう女仙の一人。
女仙の中では新参で、仕えた麒麟は泰麒が初めて。
禎衛(ていえい)-CV:豊口めぐみ
蓬山に住まう女仙の一人。
女仙の中でも蓬山住まいが長い。
景麒(けいき)-CV:子安武人
景台輔。
仏頂面で、そっけなく、言葉が足りない。
この頃はまだ、陽子の前の景王である舒覚に仕えている。
李斎(りさい)-CV:進藤尚美
昇山の者の一人。姓名は劉紫。承州師将軍。
大柄な女性で泰麒になつかれ、交流を深める。
天馬という種類の妖魔・飛燕を連れている。
乍驍宗(さく ぎょうそう)-CV:藤原啓治
昇山の者の一人。姓名は朴綜(ぼくそう)。戴国禁軍左将軍。
血のような真紅の瞳に、青みをおびた白銀の髪、褐色の肌をしており、なぜか泰麒を怯えさせる気配を纏う。
騶虞という種類の妖獣・計都を連れている。
関連項目
――燐光を放って夜を駆け上っていく獣が見えた。
「泰麒……」
まだ短い鬣は鋼の色。
黒に銀と雲母を散らした背、漆黒の脚、漆黒の首。
額に短く真珠の一角。
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