黒い雨とは、
である。ここでは1について記載する。
概要
黒い雨と言えば広島市と長崎市に降ったものが有名だが、核爆発や原子炉の事故でも発生する。黒い雨は決して過去の出来事ではなく、現在でも起こりうるのである。原理は核爆発によって生じた放射線物質が、家屋の炎上などで発生した上昇気流によって高空に舞い上がり、発生した雨雲に溶け込んで降ってくるというもの。非常に強い放射能を含んでおり、浴びただけで二次被爆する。また重油のように粘り気を伴っているため、壁にこびりついて残る。科学的には未解明の部分が多い。
広島市の黒い雨
大東亜戦争末期の1945年8月6日午前8時15分、軍都広島市に向けて原子爆弾が投下された。もくもくとキノコ雲が作られ、放射線物質が大気中に撒き散らされた。この日は快晴であったが、投下から僅か10分で黒い雨が降り始めた。降水量は120mmと土砂降りであり、爆心地を中心に東西11km、南北19kmに渡って降った。被爆した人々は口を開けて喉を潤したという。
しかし黒い雨は煤や放射線物質を含んだ死の水であった。これを口に含んだ者、身に浴びた者は二次被爆してしまった。当時は放射能の存在が一般に認知されておらず、宇品から救助に来た陸軍船舶司令部の兵士や、身内を心配して来た人々が知らず知らずのうちに二次被爆してしまうケースが多かった。降り注いだ黒い雨は井戸水や川を汚染し、魚の大量死が確認された。また、今まで元気だった人間が突然死したとの情報もあり、いかに恐ろしい雨だったかを物語っている。井戸水を飲んだ者は下痢に悩まされたという。
1976年、国は特に多くの黒い雨が降った地域を第一種健康診断特例区域に指定。無料で健康診断を受けられるように法整備を行った。しかし小雨程度にしか降らなかった地域は除外され、広島市や広島県は降雨地域全てを特例区域にするよう訴えたが、未だに認められていない。2015年、黒い雨で健康被害を受けた84名は国に対し特例区域を広げるよう裁判を起こし、2020年に勝訴した。
ちなみに長崎市にも原爆が投下されたが、ごく一部の限られた地域でしか降らなかった。
関連項目
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