C51形蒸気機関車とは、1919年から1928年まで浜松工場・汽車会社・三菱造船所で289両製造された国産初のパシフィック形蒸気機関車である。
概要
明治末期には特別急行列車を運転する計画があったが、それまでの2B形では能力不足とみられ、明治44年にイギリス、ドイツ、アメリカから4形式の2C形テンダー式蒸気機関車を輸入した。
そのうちアメリカ製の8900形は他の3形式のような、火室が台枠の間にある狭火室ではなく、動輪の後ろに火室を置き従輪で火室を支え火室を台枠より広くとる広火室を採用していた。そのため車軸配置は2C1形であった。
この4形式を参考に8900形の改良として国産化したものがC51形蒸気機関車である。
8900形の改良であるため、当初は18900形と称したが国鉄の番号改正により昭和3年にC51形と改称された。
このC51形も8900形と同様に広火室を採用していた。動輪径はそれまでの1600mmを上回る1750mmのものを初めて採用した。これは当時狭軌では世界最大のものだったと言われる。
配置は浜松から順次大津・東京・神戸と東海道全般に行き渡り大正末期には全国の主要幹線に配置された。
初期はランボードが一直線だったが空気制動装置の装備により2段式となった。
やがて自連、複式コンプレッサー、ターボ発電機、パイル・ナショナル式前照灯や省形給水温め器などを装備。
デフレクターの追加も進められた。
歴史的には意義深い車両であるにもかかわらず、保存されている車両は極めて少ない。
残っていても、教材用のカットモデルにされていたり、部品が失われたりしている。鉄道博物館の5号機、秋田総合車両センターの44号機、鹿児島総合車両所の85号機、京都鉄道博物館の239号機の4両のみである。
主要数値
- 車軸配置 2C1
- シリンダ直径 530mm
- シリンダ行程 660mm
- ピストン棒直径 86mm
- 使用圧力 13.0kg/cm²
- 火格子面積 2.53m²
- 傳熱面積
- 重量
- 換算輌数
- 罐水容量 5.8m3
- 水槽容量 17.0m3
- 燃料積載量 8.00t
- 動輪直径 1,750mm
- 最大長 19,994mm
- 最大幅 2,700mm
- 最大高 3,800mm
- 固定軸距 3,800mm
- 全動輪軸距 3,800mm
- 全軸距 17,487mm
- 煙管
- 弁装置形式 ワルシャート式
- 台車種類
- 空気圧縮機 複式
- 砂箱容量 0.42m3
- K値 15.5
- KS値 13.7
- 製造初年 大正8年
- 製造所 浜松工 汽車 三菱
- 最大指示馬力 1,175
- シリンダ牽引力 11,700kg
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関連項目
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