FlashAirとは、東芝の発売した高機能SDメモリーカードの1種である。
デジカメ写真を共有するために販売されているが、それに留まらない性能を持つ。
キャッチコピーは、「撮る→シェアする - いつでも、どこでも、その場でつながる、共有できる! -」
概要
FlashAirは、Wi-Fi通信機能を内蔵したSDカードであり、主にカメラに差し込んで、撮影した写真をスマートフォンに手軽に取り込むことが目的で開発された商品である。
Eye-Fiとの違いは、自動アップロード機能がなく、スマートフォンやPCからアクセスすること、一括で写真を取り込むことは前提ではなく、ほしい写真だけを手早く取り出し、共有することである。
カメラ向け機能としては、ブラウザからアクセスできるWebサーバー機能、スマートフォンからカードに接続するためのWi-Fiアクセスポイント機能、カードに接続しながらもネットに接続できるインターネット同時接続機能、PCからネットワークドライブのようにアクセスできるWebDAV機能、他の人を接続させて選んだフォルダのみを公開し写真を渡せるフォトシェア機能などがある。
開発用ボードとして、電源供給+RGB-LED搭載のAirioや、ブレッドボードでのプロトタイピング・IO拡張のAirio RPといったボードが、マルツやスイッチサイエンスなどで販売されている。
開発者向け機能
上記の機能は、正直Eye-Fiなどとそこまで差がない。しかし、これらの機能は、いわば一般向けに販売するための口実でしかない。
FlashAirの真の機能は、以下のとおりである。
- Wi-Fiアクセスポイント機能(+DHCPサーバー機能)
- Wi-Fiクライアント機能
- Wi-Fi中継(インターネット同時接続機能)
- Webサーバー機能
- ファイルアップロード機能
- iSDIOの共有によるホスト機器-ブラウザ間通信インターフェース
- iSDIOからのHTTP/HTTPSアクセス通信機能
- プログラマブルIO(Lチカもできる)
- WebDAVサーバー機能
- Lua実行機能(CGIとしても、単独でも)
- アドホック通信によるFlashAir間および機器間のP2P接続ネットワークの構築
- pingによる死活監視
- フォトシェア機能によるファイルアクセス制限
- command.cgiによる設定書き換え
これらの、マイコンでは実装の面倒な各種通信機能が、4千円ちょいの家電量販店で売られているたった2グラムのSDカードに内蔵されているのである。
これにより、もともとWi-Fi通信機能のないカメラや、デジタルサイネージ、ボイスレコーダー、FAX、文書作成機(ポメラ)などを、ハードウェアを変えずに、ソフトウェアのアップデートだけで インターネット対応の機器にしてしまうことができる。
また、これらの機能は公式開発者向けサイト
にて仕様が公開されており、Arduinoからインターネットに接続するサンプルなども公開されている。
さらに、2015年3月に発売されたW-03では、SDカード内でLuaを実行する機能が搭載され、これにより、facebookや、Dropboxなどに、撮影した写真や、書き込まれたデータを自動アップロード&ダウンロードすることができるようになった。
そのため、もはや既存の機器のソフトウェアを更新するまでもなく、SDカードにスクリプトを書き込むだけで、SDカードが勝手に通信してファイルを置き換えたり、外に送ったりということができるようになったのである。
ちなみに、勘違いされやすいが、FlashAirはすべてのファイルを配布できる。RAWファイルでも、officeドキュメントでも、Webページでも、EXEファイルでもである。
RAWファイルが使えないという場合、Webブラウザからアクセスすることをおすすめする。
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購入の際は、W-02とW-03の違いに注意されたい。W-02は安いが、WebDAV機能や、Lua実行機能がない。W-03はすべての機能が利用できる。
yodobashi.comの他、近くの家電量販店で手に入れられるが、最近、マルツや秋月などが電子部品として取り扱い始めているので、そちらもおすすめである。
関連コミュニティ
関連項目
- 東芝公式サイト

- 公式開発者向けサイト

- SDメモリーカード
- 東芝
- Wi-Fi
- Eye-Fi
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- 0pt

