いいちことは (イイチコとは) [単語記事]

いいちことは、大分県宇佐市の酒造メーカー・三和酒類が販売する麦焼酎の銘柄である。

なお、空耳により「いいちこ」と俗称される外国映画については「いいちこ (sm1565213)」を、東方Projectの二次創作を手がけるうｐ主については「いいちこの人」を参照されたい。

概要

昭和54（1979）年に「下町のナポレオン」の触れ込みで発売され、当社の看板商品となった。

当初は通常の酒瓶と紙パックでの販売でいかにも昔ながらの焼酎というイメージであったが、昭和59（1984）年から「洋風」を意識したイメージの転換が図られ、携帯用ボトルやフラスコ形のボトルなどスタイリッシュな商品も登場している。

また平成20（2008）年には日田醸造所で特別醸造された「いいちこ日田全麹」を発売。こちらは「和」を前面に押し出した商品である。

ニコニコ動画など動画サイトでいいちこが語られる場合、必ず話題となるのがテレビCMである。

いいちこは当初テレビCMが放送されていなかったが、昭和61（1986）年から上述のイメージ転換戦略によってテレビCMが制作されるようになった。「洋風」のイメージ確立のため、欧米の風光明媚な土地を巡って撮影が行われており、広大もしくは幻想的な自然風景の中にいいちこの瓶がぽつりと存在するという美しい画面風景を創り出している。

また一貫して音楽にフォーク歌手のビリーバンバンが起用されているのも特徴である。三和酒類の社長がファンであったことからの起用であるが、CMの雰囲気にマッチした叙情的な曲をいくつも創り出し、CMをさらに印象的なものとしている。これらの曲はビリーバンバンの曲の中でも名曲とされるものが多い。

一方、新発売の「日田全麹」では和風のイメージを出すために演歌歌手の坂本冬美を起用し、「いいちこ」で使われていた「また君に恋してる」をカヴァーした。ニューミュージックの曲を演歌歌手がカヴァーするという珍しい例であるが、こぶしをきかせつつも独特の情感を出す歌声に徐々に注目が集まっている。

なお現在「いいちこ」のCM 枠は「いいちこ」と「日田全麹」で分け合われ、「日田全麹」優先で使用されている。このため「いいちこ」のCMは放送されているものの回数が少なくなっており、一部で「いいちこのCMの歌手が坂本冬美に変わった」などの誤解を招いている。

平成22（2010）年10月から「いいちこ」「日田全麹」ともにCMソングが「ずっとあなたが好きでした」に、翌年には「愛は祈りのようだね」に変更されたが、引き続いて「いいちこ」ではビリー・バンバンを、「日田全麹」では坂本冬美を起用している。

また、坂本冬美版は音楽ゲームの太鼓の達人（AC14～）、BEMANI シリーズのREFLEC BEAT（初代～）に収録されている。
どちらの機種でもとにかく曲が遅いため、リズムが合わせづらくスコアが出ない事で有名。特にREFLEC BEATの一部界隈では「『また君に恋してる』BASIC 譜面で1度でもJUST以外を出したら負け」という特殊ルール、通称「冬美サドンデス」が流行しているとか。