へび座

へび座 Serpens
略符	Ser
象徴	the Snake
起源	古代　プトレマイオス
概略位置 (頭部)	赤経：16 赤緯：+10
概略位置 (尾部)	赤経：18 赤緯：-5
正中日時(頭部)	6月30日21時
正中日時(尾部)	8月5日21時
広さ	637平方度(23位)
3.0等以上の恒星数	1
最輝星	ｳﾇｸ･ｱﾙﾊｲ(2.63等)
メシエ天体数	2
隣接する星座 (頭部)	ヘルクレス座 へびつかい座 てんびん座 おとめ座 かんむり座 うしかい座
隣接する星座 (尾部)	わし座 へびつかい座 いて座 たて座

へび座とは、トレミーの48星座の一つ。

プトレマイオスによって、へびつかい座から独立した。

概要

へびつかい座によって西側の頭部(Caput)と東側の尾部(Cauda)に分断されている。

このヘビは、ギリシャ神話に登場する名医アスクレーピオスが持っているもので、星座絵でもへび座とへびつかい座は一緒に描かれる。

明るい星は少ないため、見つけるのはやや難しい。

主な天体

恒星

• α：ウヌク・アルハイ(Unuk Alhai)
  • へび座の最輝星で唯一の3等星。意味はアラビア語で「蛇の首」。
    ラテン語で「コル・セルベンティス(蛇の心臓)」という名前も持つ。
• β：シュウ(Chow)
  • 蛇の頭に位置する。シュウの名は中国の周王朝から。
    おおぐま座運動星団に属する。
• γ：アイン・アルハイ(Ain Alhai)
  • アラビア語で「蛇の目」。黄白色に輝く様子は目そのもの。
• θ：アルヤ(Alya)
  • ヘビの尾の先端にある2重星。名前はアラビア語の「アルハイア(蛇)」が訛ったもの。

バイエル符号の振られた星は、頭部にα、β、γ、δ、ε、ι、κ、λ、μ、π、ρ、σ、τ、χ、ωが存在し、尾部にはζ、η、θ、ν、ξ、οが存在する。

データ

名称		視等級	絶対等級	距離(光年)	スペクトル型	変光星型	変光幅	備考
α	ウヌク・アルハイ	2.63	0.87	73	K2III			3重連星
η	タン	3.23	1.84	62	K0III-IV
μ	レイオレピス	3.54	0.14	156	A0V
ξ	ネフシュタン	3.54	0.99	105	F0IIIp
β	シュウ	3.65	0.29	153	A3V			3重連星
ε	へび座ε星	3.71	2.04	70	A2m
δ	へび座δ星	3.80	-0.24	210	F0IV
γ	アイン・アルハイ	3.85	3.62	36	F6V	変光星?
θ1	アルヤ	4.62	1.59	132	A5V			2重星

星団・星雲・銀河

• M5 球状星団
  • 中心部の密度が高く、それを取り巻く星が渦巻き状に見える美しい球状星団。
• M16、IC 4703　わし星雲
  • 散開星団M16と散光星雲IC 4703が複合した天体。赤い星雲が羽を広げた鷲のように見える。この星雲は星形成が活発で、M16もこの星雲から生まれたと考えられている。
    中央の暗黒星雲では、生まれたばかりの星が隠されている様子が観測されており、後にこの細長い暗黒星雲は「Pillars of Creation(創造の柱)」と名付けられた。
• IC 1101　楕円銀河
  • Abell 2029銀河団に属するSO型楕円銀河。
    現在知られている銀河で最も大きく、その直径は約600万光年。これは銀河系の60倍もの大きさで、仮に銀河系の位置にIC 1101を置くと、アンドロメダ銀河まで飲み込んでしまう。

その他

• グリーゼ710
  • 尾部にある9.6等星で、質量は太陽の半分程度。地球からの距離は約63光年。
    現在太陽系に24km/sの速さで近づいていて、およそ140万年後には太陽系から1.1光年の距離にまで接近する。

ギリシャ神話

→へびつかい座の神話も参照。

名医アスクレーピオス(へびつかい座)は、ヘビによって薬草の効用を知り、また蛇毒を薬として利用した。そして彼は、自身のシンボルとしてヘビを用いるようになった。

このアスクレーピオスにあやかり、ヘビは現代医学のシンボルとして描かれている。

関連静画

関連コミュニティ

関連項目

• 星座の一覧
• へびつかい座
• 夜空の蛇
  • うみへび座
  • みずへび座