おおぐま座とは (オオグマザとは) [単語記事]

おおぐま座 Ursa Major
略符	UMa
象徴	the Great Bear
起源	古代　プトレマイオス
概略位置	赤経：11 赤緯：+55
正中日時	4月20日 21時
広さ	1280平方度(3位)
3.0等以上の恒星数	6
最輝星	アリオト(1.760等)
メシエ天体数	7
隣接する星座	りゅう座きりん座やまねこ座こじし座しし座かみのけ座りょうけん座うしかい座

おおぐま座とは、トレミーの48星座の一つ。

3番目に大きい星座で、日本など北半球の地域からは1年中見ることができる。

概要

7つの明るい星の並びは北斗七星と呼ばれ、ひしゃくやスプーンなどに見立てられている。

北斗七星は北極星を探す際にもよく用いられる。α 星とβ 星の間隔を5倍すると北極星にたどり着く。
同じ役割を持つカシオペヤ座は北極星を挟んでほぼ反対側にある。おおぐま座が見えにくい秋から冬にかけては、カシオペヤ座を用いる。

また、ミザールとアルコルの2重星があることでも有名である。古くから視力検査に使われ、様々な言い伝えがある。詳細は死兆星を参照。

明るい星は北斗七星に集中している。α、η以外の5つの星はおおぐま座運動星団に属する、いわゆる兄弟星である。

この星座は銀緯が高く、銀河系の外側の天体を観測することができる。このため、おおぐま座内には多くの銀河が存在する。

M81 渦巻銀河
- M82に近接しており、強い重力の影響を与えている。
M82 不規則銀河または棒渦巻銀河
- その形状から「葉巻銀河」ともいう。M81に近接されたために、爆発的星形成(スターバースト)が引き起こされている。
M97 惑星状星雲
- 丸い星雲の中にやや暗い部分が二つ並んで存在しており、フクロウの顔のように見えることから「ふくろう星雲」の名がついている。
M101 渦巻銀河
- 「回転花火銀河」と呼ばれる、綺麗な渦巻構造が観測できる。

ツインクエーサー
- 地球から138億5000万光年離れた位置にある、約91億年前の宇宙に存在するクエーサー。
  重力レンズ効果が初めて確認された天体で、分裂して見えるが1つのクエーサーである。

森のニンフにカリストーという活発な娘がいた。大神ゼウスはカリストーに恋をし、2人の間にアルカスという男の子が生まれた。これを知ったゼウスの妻である女神ヘーラーは大変に怒り、カリストーを毛深く声の低い、恐ろしい熊にしてしまい、ほめられていた口も顎にかわってしまった。
(カリストーは女神アルテミスの侍女でありながら純潔を破ったため、アルテミスが罰として熊に変えたという説がある)

やがてアルカスは立派な青年に成長した。ある日アルカスは獲物に向かって弓を引いたところ、それは熊にされた母カリストーだった。これを見たゼウスは驚き、矢がカリストーを射殺す前に2人とも天にあげて星座とした。母カリストーがおおぐま座、息子アルカスがこぐま座で、2人は寄り添うように天に並んでいる。

さらに別の説では、2人へのヘーラーの怒りは天にのぼっても収まらず、2人が地上に降りて休むことを許さなかった。このため、こぐま座とおおぐま座はずっと沈むことがないようにされたという。
これはギリシャ・ローマ地方では北斗七星が周極星であるために出来た逸話であるといわれている。