アルベルト・フォン・ゴールデンバウム 単語

アルベルトフォンゴールデンバウム

1.8千文字の記事

アルベルト・フォン・ゴールデンバウムとは、「銀河英雄伝説」の登場人物である。

概要

ゴールデンバウム朝銀河帝国第29代皇帝ウィルヘル2世の第二皇男子
とその寵ドロテーアとの間に生まれた男子であり、異として皇后コンスタンツェとの間に生まれたコルネリアス(のちの第30代コルネリア2世)がいる。

母親皇后の確執に巻き込まれ、齢15にして消息を絶った。

生誕と女の確執

アルベルトは、皇帝ウィルヘル2世の次男として誕生した。
しかし彼を産んだドロテーアは、そのために皇后であるコンスタンツェにしく憎まれることとなる。女って怖い
そんな中で彼は育ったが、どうやらコンスタンツェの産んだコルネリアスとの仲は悪くなかったようである。 

そして15歳に達したアルベルトは、その少年的な好奇心によって、伝説に伝えられる皇宮新憂宮の「地下迷路」に興味を持つこととなった。男の子がそういうものに弱いっていうのは、千年たっても変わりゃしませんな。

What`s 地下迷路

「地下迷路」。
それは、数年に及ぶゴールデンバウム王歴史において、代々の皇帝が、それぞれ政争による暗殺や民たちの革命を恐れて新憂宮の内部に建設させた数の秘密通路のことである。二重のに隠された小部屋から地下通路を経て庭園などの屋外に抜ける避難通路が大量に存在し、数の増築とその秘密の失伝によって、新憂宮の表に見えない部分は迷宮と化していったのだ。設計図も伝わっていないだろうに、理な地下増築を重ねて崩れたりしなかったらしいのは驚異の建築力である。

これらの中でも、おそらくアルベルトより後の代になってランズベルク伯爵が建造を命じられたもの、すなわちオーディン帝国博物学協会ビルの地下倉庫から新憂宮北の西側を通って南のジギスムント1世像の足元に至る通路は、建設者より5代を経た当アルフレット・フォン・ランズベルクにより、のちに第37代皇帝エルウィン・ヨーゼフ2世の「救出」に使用されたことで知られる。

失踪

アルベルト好奇心に負け、年若い従武官を伴いその探検に出かけることとなった。
そして、ついに帰ってくることはなかった。彼は従武官ごと、どこかへ消え去ってしまったのである。

この「失踪」を知った人々の間は、二通りの説がささやかれた。
一つに、アルベルトを憎んだ皇后コンスタンツェが彼を地下迷路に閉じ込めたのだ、という説。ありそうな話である。
もう一つ、アルベルトに災厄が振りかかるのを恐れたドロテーアが、信頼できる従武官に任せて息子を隠し、同盟に亡命させたのだ、という説。なかなかどうして、こっちもありそうな話である。
しかも厄介なことに、第一の説には「10年後に地下迷路で『呪詛する少年(10年後なら25歳のはずなんですがそれは)を聞いた」という言が、第二の説には「フェザーンの客で成人した彼を見た」という言がついてきているのである。 

この二説だけならば、どちらもただの都市伝説と言ってしまうことしか出来ない。しかし更に恐ろしいのは歴史に残った事実であった。つまり、アルベルトの失踪直後に皇帝ウィルヘル2世病気により崩御し、これを受けた長男コルネリアスの即位直後にドロテーアが殺され、さらに1か後に皇太后コンスタンツェまでもがの熱病で狂死した、という陰謀論の三連星みたいな事実である。いったいなにが起こったものやら、というところであろう。

後日談

ここまでは、こういう王の停滞期によくある世継ぎ争い関連のドロッドロの陰謀のお話、という体なのだが、アルベルトについてはむしろこっちが本編、みたいな滑稽な後日談がついてきた。というか、この事件が述べられている原作第4巻においても「本編より人気の高いスピンオフ」みたいなノリで後日談のほうが記述多くて本人涙目

ともかく、それが「にせ『アルベルト大公』事件」である。
詳しい説明はにせアルベルト大公の記事に任せるが、彼の失踪から20年後、アルベルトを名乗る謎の男が姿を表し、貴族たちから見事に巨万の富を巻き上げて再び消えたのである。この男が果たしてほんものであったのかにせものであったのかって話は「にせアルベルト大公」の方ですでにやった気がするが、なんにせよ、相はよくわからない……。

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