キケロ(競走馬)とは (キケロとは) [単語記事]

キケロ(Cicero)とは、1902年生まれのイギリスの競走馬である。

概要

父 Cylleneは遅生まれのためクラシック登録していなかったが11戦9勝の成績で世代最強と目され、期待されて種牡馬入りしたが初年度産駒が2頭しか勝ち上がることができず、アルゼンチンに売られた後に産駒が活躍したという競走馬・種牡馬。詳細は当該記事参照。
母 Gasはダービー馬 Lad asの半妹。
母父Ayrshireは2000ギニー、ダービー、エクリプスSなど16戦11勝を挙げた名馬である。

キケロはエプソム近郊の牧場でローズベリー伯爵(元英国首相)によって生産・所有された。
キケロは小柄な栗毛の馬だったが、ニューマーケット近郊のハラトンコートで訓致を受けると活力と闘志を見せ、バッキングやキッキングの行動を取った。これを見た一人のライターは「彼の奇行は何かを取り除こうとしているようだけど、取ることのできるものも沢山あるぞ」とコメントしたという。

2歳時(1904年)

キケロは4月にニューマーケットでデビューするとフィッツウィリアムSを勝利しデビューを飾った。6月のエプソムでのウッドコートSを勝利し、ロイヤルアスコットでのコヴェントリーSでも勝利した。ニューマーケットでのジュライSでは1/20(1.05倍)という圧倒的1番人気で勝利し、7月中旬のサンダウンでのナショナルブリーダーズプロデュースSでも勝利した。しかし、このレースで怪我を負ってしまい、残りのシーズンを休むことになった。

2歳時の成績は5戦5勝となった。

3歳時(1905年)

キケロは2000ギニーは回避してニューマーケットSから始動し、ここを楽勝した。

迎えるダービーステークスでは2000ギニー馬Vedasが怪我のため回避することになったので、キケロが4/11(約1.36倍)という1番人気になった。2番人気はフランスから挑戦してきた無敗馬 Ja rdyだった。
レースではダニー・マーハー騎手鞍上のキケロが直線前に仕掛けたが、コーナーを上手く回ることができなかった。キケロは直線で外側からJa rdyとSignorinoの激しい争いに入り、3/4馬身差でJa rdyを交わし辛勝した。2:39.6は当時のレースレコードとなった。
ローズベリー伯爵は地元で花火大会を行い、その後400人の救貧院の収容者に豪華な御馳走を振る舞い、3000人の労働者のためにガーデンパーティーを行った。

キケロは連勝記録を伸ばすためエクリプスSに出走したが、プール・デッセ・デ・プーラン(フランス 2000ギニー)優勝馬でキケロより3ポンド軽量ハンデのVal d'Orに1/2馬身差交わされ2着だった。

キケロはセントレジャーの有力馬と見なされていたが、故障でこの年はその後全休となった。

4歳時(1906年)

4歳となったキケロは4月20日のニューマーケットのビエンナーレSで始動し、ここを勝利した。

古馬の大レース、アスコットゴールドカップでは2番人気となったが、Bach elor's ButtonとPretty Pollyのはるか後方でレースを終えた。レースの後キケロはひどくやつれていた。

調教師の提案により、キケロは引退することとなった。

通算10戦8勝。

種牡馬として

キケロは種牡馬としてバッキンガムシャーの牧場で供用されたが、わずかな活躍馬を出すにとどまった。代表産駒はプリンスオブウェールズS 優勝馬のFr iar Marcusであった。1923年に種牡馬を引退して功労馬となったが、その後すぐ腸捻転を起こし、安楽死の処置を取られた。

血統表

Cyllene 1895 栗毛	Bona Vista 1889 栗毛	Bend Or	Don caster
			Rouge Rose
		Vista	Macaroni
			Verd ure
	Arcadia 1887 栗毛	Isonomy	Sterling
			Isola Bella
		Dist ant Shore	Hermit
			Land's End
Gas 1892 鹿毛 FNo.1-l	Ayrshire 1885 鹿毛	Hampton	Lord Cl if den
			Lady Lang den
		At alanta	Galopin
			Feronia
	Ill umi nata 1877 黒鹿毛	Ros icrucian	Bea dsman
			Mad ame Eglen tine
		Paraffin	Bl air Athol
			Paradigm