クロム・ファルコンとは (クロムファルコンとは) [単語記事]

クロム・ファルコンとは、ライトノベル「アクセル・ワールド」の登場人物である。アニメ版には未登場。

この記事は「アクセル・ワールド」のネタバレ成分を多く含んでいます。
ここから下は自己責任で突っ走って下さい。

概要

2039年、何者かから「Brain Burst 2039」を受け取った親を持たないBB プレイヤー、いわゆる「100人のオリジネーター」の1人。2040年には加速世界から退場している過去の人物。単行本4冊に渡った大キャンペーン「災禍の鎧・浄化編」における、最重要人物の1人。
彼のリアルについては、小学2年生である事くらいしか語られない。言動は内向的で自信に乏しい性格を伺わせるが、BBと加速世界を心底楽しんでいたようである。ギャラリー中に出会ったサフラン・ブロッサムに一目惚れしてその場でタッグ結成を申し入れ、快諾された。以降は感情面でも固く結ばれたパートナーとして行動を共にする。帝城から帰還した時点では《子》は不在。BB コピー・インストール無制限の時代の人物だが、身の回りに適格者がなかなか見つからなかったらしい。が、それ以降に《子》を見出せたかどうかの描写も、原作第13巻時点では無い。

ブロッサムのパートナーとして相応しい身の証を立てたい、と焦る彼は、ある時その必殺技を用いての「帝城」への入城計画を決行。これは裏口潜入に近い物ではあったが見事に成功し、帝城本殿に安置されていた《7の神器》の六番星、全身鎧《開陽/THE DESTINY》をブロッサムへの手土産に得て生還した。ファルコンはBB初の帝城侵入／生還者である。

しかし、これを遠因とした「ある事件」（後述）の結果ブロッサムを喪い、そこで生まれた強化外装《THE DISASTER》を身に着けて30人以上のBB プレイヤーを最終消滅に追い遣り、以後あらゆる戦場で狂戦士的に戦う。結果その力を危険視したハイランカー達の集中攻撃によってポイントを全損、消滅した。

デュエルアバター「クロム・ファルコン」

外観に象徴的な外装や武器は無い。細い体躯と大きな頭部、顔はつるりとしたフェイスシールドに覆われている。その姿は後のシルバー・クロウに似ており、ファルコンの方がやや濃い目の色合い。猛禽類を思わせる湾曲した顔面部の形状が特徴。
メタルカラーアバターで、チャート位置は中央やや右寄りの「クロム」。本人曰く「特殊攻撃耐性も物理耐性も中途半端」。ただし腐食・酸化攻撃が一切効かないという特性を有する…が、当時はあまり役に立たなかった。
必殺技は、全身を粒子化させて行う擬似テレポート「フラッシュ・ブリンク」。
「見えている所にしか行けない」「空間がつながっていないと行けない」という制限はあるが、わずかな隙間からでも進入出来て移動はほぼ一瞬、重力効果無視、攻撃無効という半無敵の移動技で、応用次第で果てしなく危険な技。「黄色系の間接攻撃でないと対処出来ないかもしれない」とは、（ネタバレ反転）それを用いて戦った6代目クロム・ディザスターこと、シルバー・クロウ＝ハルユキの評価。

始まりの「事件」（ネタバレ反転）

サフラン・ブロッサムは、バーストポイント全損による最終消滅を回避するプレイヤー間ポイント互助のシステムと、それを具体化したレギオンを結成する夢を持っていた。ファルコンと《THE DESTINY》の力を借りて十分なポイントをプールした所で彼女は互助レギオンの立ち上げを宣言、参加者を広く募った。参加者は30人以上に昇った。
しかしそれは罠だった。彼らは規格外にすら見える神器の力、そして輝かしいブロッサムの理想を「異物」と見做し、排除する事を狙っていたのだ。会見の場でファルコンとブロッサムは「参加者」の1人だったブラック・バイスに拘束され、ブロッサムは神獣級エネミー「ヨルムンガンド」の縄張り深くに放逐された。ブロッサムはファルコンの目の前で延々と殺され続け、ついには自身の願いによってファルコン自身の手で殺されてポイント全損、消滅した。
絶望と憎悪、悲哀、怒り、あらゆる負の心意を激発させたファルコンはその場にドロップされた《THE DESTINY》を装備してヨルムンガンドを撃破、ヨルムンガンドがドロップした高位強化外装、大剣《STAR CASTER》をも装備。この2つを心意によってオーバーライドし、融合させた。これが後々まで恐れられた複合強化外装《THE DISASTER》の起りである。その最初の標的は、ブロッサムを陥れた周囲のBB プレイヤー達だったが、その憎悪は加速世界全てとその全住人に向けられた。