クローン・トルーパーとは (クローントルーパーとは) [単語記事]

クローン・トルーパー(くろーん・とるーぱー)とは、映画『スター・ウォーズ』シリーズに登場するキャラクターである。

概要

説明

銀河共和国(旧共和国)の正規軍・共和国グランド・アーミーに所属する兵士である。後に成立する銀河帝国軍兵士のストームトルーパーの前身でもある。

名前通りジャンゴ・フェットという一人の人間の遺伝子を元に生み出されたクローン人間で、遺伝子操作で独立心をギリギリまで抑え、通常の人間の2倍の時間で成長し、成人時で既にあらゆる戦いに精通した優秀な兵士として戦場に送り出される。プログラム通りにしか動けないバトル・ドロイドと比べ、自分で考え臨機応変に行動出来るクローン・トルーパーは非常に優れた存在として戦力の中核として迎え入れられ、瞬く間に銀河を席巻した。

その成立

ルーサンの戦い以降銀河から大規模な戦いは消え、銀河共和国も正規軍を持たなくなり、銀河の紛争事にはジェダイが調停に取り組んでいた。「ナブー封鎖」後、シスの脅威に対抗するべくジェダイ・マスターのサイフォ＝ディアスは大規模な戦争の到来を予期し、銀河共和国を防衛するための軍隊設立を唱えたが、ジェダイ・オーダーから許可されず、オーダーの席を失ってしまう。しかし、ダース・シディアス(パルパティーン)はそれを利用した。親友だったドゥークー伯爵(ダース・ティラナス)に唆されたサイフォは惑星カミーノの住民にしてクローン技術に長けたカミーノアンにジェダイ評議会や銀河元老院から許可を得ないでクローン軍団の製造を依頼する。依頼後、サイフォはドゥークーに暗殺され、クローン軍団設立はシスの手によって秘密理に進められていった。

遺伝子提供元には腕利きのバウンティハンターとして知られていたジャンゴ・フェットが選ばれた。ドゥークーは惑星マンダロアでの紛争でジャンゴの戦いを見ており、その縁からジャンゴに「試験」を課し、それを達成したジャンゴを莫大な金銭と遺伝子に手を付けていない純粋なクローン(後のボバ・フェット)を報酬として雇った。クローン軍団は順調に誰にも知られる事なく生み出されていった。

その後、パドメ・アミダラ暗殺未遂事件の首謀者を追跡していたオビ＝ワン・ケノービはカミーノに到着。ここでクローン軍団を目にし、その存在がジェダイと銀河共和に初めて知られた。パルパティーンの思惑通り進み元老院は最高議長に非常事大権を与える議決を可決し軍隊の設立を可能とし、クローン軍団はヨーダに引き取られた。クローン大戦の初戦「ジオノーシスの戦い」でクローン軍団は各ジェダイに率いられて初陣を飾り、銀河共和国に勝利をもたらす。戦乱は銀河全土に広がり、クローン・トルーパーも銀河系各地の戦場へ派遣され、共和国の戦力として活躍することになる。

その真実

全てのクローン・トルーパーには製造時に脳内にチップを埋め込まれる。そのチップはジェダイ抹殺指令・オーダー66を遂行させるための行動制御装置であり、パルパティーンの遂行命令により各クローンはジェダイを政府転覆を企てる逆賊として躊躇せず攻撃するのである。クローン達はただ命令に従っているだけなのでジェダイが感知できる悪意は持っておらず、結果ジェダイの多くは奇襲に対処できず殺されていった。

特徴

各クローンはジャンゴと全く同じ顔と声と体型を持ち、子供の頃から成人するまでの間に様々な軍事訓練を施される。また、通常より早く成長していき誕生から約10年で成人を迎え戦場へ送り出される。

遺伝子操作により自我を弱められたクローン達はどんな命令にも迷う事なく従い、命を捨ててでも任務を遂行する。任務達成のための思考は残されており、臨機応変に柔軟な対応が可能。ほとんど均一化され自我をギリギリまで抑えられているとはいえ個性・個人差はちゃんと存在し、特に経験を積み重ねたクローン達はそれが顕著である。基本的に国家と上官に忠実で仲間意識が非常に強いが、長年に及ぶクローン大戦はクローン達にも変化を及ぼしており、心を病んだ者・自分達のあり方に疑問を持ち分離主義者側に寝返る者・脱走兵も発生している。

クローン・トルーパーにはＡＲＣトルーパーという、特別に思考関係の遺伝子操作がされていないトルーパーが存在している。ＡＲＣトルーパーは遺伝子提供主であるジャンゴから直接戦闘技術を指導されており、それらによる高い独立性・指揮能力持ち、上官の命令にも異議を唱えられる。特に「アルファ」という名のＡＲＣトルーパーはコマンダークラスの育成のために指導官としても活躍しており、大戦後期のコマンダーは全員「アルファ」の指導を受けている。