サエーナ鳥とは、『世界樹の迷宮III 星海の来訪者』にて登場する癒しの宿魔物である。
サエーナ鳥は『世界樹の迷宮III 星海の来訪者』から初登場した大航海クエストにて初めに戦うことになるボスである。スカンダリア大灯台に巣を構え、航海に出て大灯台へ近づくと強風で船を沈めてしまうため初めて航海に出た冒険者を大いに悩ませる。(最初のミッションなので沈められた船の修理代は取られないのが救いだが…)
戦闘では一応ボスに分類されるだけあって、知らない人にFOEや階層ボスと説明しても信じてしまうほど強そうな見た目に、そこそこのスピードでこちらの攻撃をかわし混乱付与や一列への雷攻撃などの技で冒険者を苦しめるのだが、やはり初期も初期に出てくる関係上そこまでの強さはない。弱点である突属性や氷属性の攻撃手段を揃え、LV8から10辺りまで鍛えられたパーティならば撃破可能なボスキャラなので、所詮はただデカいだけの鳥だということだろう。
カストル&ポルックス兄弟がNPCに付くクエストならばポルックスがサエーナ鳥の攻撃を先読みしてカストルやパーティメンバーを回復してくれるので、回復役が不在のパーティやレベルが低めのキャラでも安定して戦える。とはいえ低レベルのうちから戦いを挑む場合は高AGIのおかげで攻撃を回避されたり先制されまくったり、長期戦になると分身シノビのキリカゼさんでもサヨナラ!させられてしまう強さなので油断は禁物。
イワオロペネレプ「所詮あいつはデカいだけの見かけ倒し」
深淵を舞う者「冒険者をhageさせられないようでは鳥族の面汚しよ」
と、ここまでならただの弱い魔物であり、一通りドロップ素材をそろえたら忘れられてしまう運命だったかもしれない。しかし、大航海クエストのボスであるという点が、彼に新たな役割を持たせることとなる。
大航海クエストに参加したキャラは戦闘後にHP・TPが全回復する仕様になっている。
世界樹の迷宮シリーズにおいて、金欠は常に付きまとう深刻な問題であり、特に序盤ではアリアドネの糸を買う代金どころか宿屋に宿泊するためのわずかなenでさえ足りなくなるということが頻繁に発生する。また戦闘不能や石化などの治療は、宿泊とは別料金であり、これらも地味に冒険者の財布の中身を削り取っていくのである。さらに、特殊なスキルを発動するために必要な「リミットゲージ」も宿泊することでリセットされてしまう。
しかし大航海クエストに参加すれば、5人全員が一度に回復できないという欠点はあるものの、これらが無料で全回復できる上に「リミットゲージ」もリセットされないどころか、より貯めることができてしまう。
そのため大航海クエストの最弱ボスであるサエーナ鳥に繰り返し挑み、宿屋代わりに利用する冒険者が大量に発生した。いわゆる『サエーナ宿』『ホテルサエーナ』またの名をヨエーナ鳥である。
世界樹には蟷螂や蝶といった独特の強さで記憶された魔物は数いれど、宿屋代わりということでここまでのキャラクターを確立させたものは珍しい。願わくば新3が発売される際には、また利用させてもらいたいものである。
とはいえ、HPやTPが尽きかけた状態で挑んだり空振りを連発したり混乱を付与されたりで突然に戦列がガタガタになりhageてしまうのも醍醐味か。
また、勝利すれば第1階層のFOE並の経験値がもらえることでパワーレベリングのスポットにもなっており、「鳥道場」「サエーナ師範」などの愛称でも親しまれるようになっている。事実、第1階層のザコ敵を狩り続けるよりもサエーナ鳥を周回し続けた方が経験値効率は高く、地下2階でビックビルや貪欲な毒蜥蜴を倒せる実力があれば十分戦えるはず。
しかも前述の通り宿代わりに利用できるため、迷宮の探索中と違いHPやTPを一切気にせず思う存分にスキルを連発できるというのも大きいだろう。
通常攻撃以外のスキルを、「困惑の爪」が足封じで、「神速一閃」が腕封じで、「サンダーフェザー」は頭封じで封印できるので縛り技の練習台にもうってつけ。特に腕封じはレアドロップ「東仙境の巣材」をゲットする条件でもあるので、腕封じ技を使えるビーストキングや槌ウォリアーなどを鳥道場で鍛えあげ腕を縛って倒せば序盤から金策もスムーズ。
ちなみに大航海クエストでもらえる経験値は通常のバトルと同じでNPCを含めた人数で等分しているので、NPCキャラが倒れた状態でボスにトドメを刺した方が経験値の分け前が増える。キリカゼやカストルをMOVEで前列に出すと倒されやすくなる。
2023年に発売されたリマスター版ではコモンスキル「聞きかじりの経験」が大航海クエストで得た経験値も対象になるよう変更されたので、サエーナ鳥を狩り続けることでギルドで聞きかじり待機しているメンバーのレベリングも捗るようになった。さらにオンライン機能を利用することで、レベルが1桁の新米冒険者をベテラン冒険者が同伴しながら修行をつける、という利用法もある。令和の時代でも、サエーナ鳥は冒険者たちに慕われているのであった。
なお元ネタとなった「サエーナ鳥(シームルグ)」は、ゾロアスター教に登場する聖樹「サエーナの木」に棲まう霊鳥である。この聖樹にはあらゆる薬草が実り、サエーナ鳥は薬草を食すことで癒しの力と長寿を得ていたと言われている。冒険者を癒やすのは必然だったのかもしれない。
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最終更新:2025/12/20(土) 21:00
最終更新:2025/12/20(土) 21:00
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