スーパーハイビジョンとは、NHK放送技術研究所が中心となり開発したテレビ放送の規格である。8Kスーパーハイビジョンや単に8K(読み:はちけー)とも呼ばれる。開発は1995年から始まり、2016年に試験放送を開始、2018年12月1日に「NHK BS8K」チャンネルにて本放送が開始された。
スーパーハイビジョン放送の総画素数は7680×4320であり、フルHD比で縦横それぞれ4倍、画素数で16倍となる。たとえば85型テレビで表示すれば解像度は約103.7ppiとなる。
映像の圧縮形式は紆余曲折を経て、現在の日本におけるデジタルテレビ放送(ISDB-T)のMPEG-2 TSではなく、圧縮率の高いHEVC/H.265が採用される。またビットレートも約100Mbps程度になる。映像色域はITU-R BT.2020。映像の視野角は100°を想定、フレームレートは60p/120p。
なお、ITU-R BT.2020はNHK放送技術研究所の働きかけにより制定された規格で、制定以前のスーパーハイビジョンがベースである。
BT.2020だけに留まらず、映像規格にHDR(ハイダイナミックレンジ)を盛り込りこむようNHK放送技術研究所が国際電気通信連合無線通信部門(ITU-R)に提案。この結果なのか、2016年8月に制定された「ITU-R BT.2100」にHDRが取り入れられている。
音声のチャンネル数は22.2ch。但し、日本の居住環境やコスト上の問題から22個のスピーカーと2個のサブウーファーを用いて22.2chを再生するのはオーディオ・ビジュアルマニアでもない限り現実的ではない他、そもそも2018年時点で22.2chをダウンミックスせずそのまま再生できる個人向けシステムがない。
本放送では大抵が2ch・5.1chとなり、22.2ch放送も一部には存在する形である(大抵ダウンミックスされるかサイマル放送の2ch等に切り替え)。なお、シャープが22.2chを受け取り独自にダウンミックスするシアターバーを発売している(8Kチューナーもシャープ製品で揃えること)。
2018年12月に本放送開始された、日本におけるBSを用いた8K放送。4K放送も同日に本放送開始されたため、4Kが付いている。4Kについては省略する。
新4K8K衛星放送に対応している、といっても本放送時点で出された対応チューナーはほぼ全て4Kにダウンコンバートしてしまう。このため、8Kのオリジナル画質を見るには8K出力対応チューナーが必須となる。2018年現在のHDMI規格では帯域不足でケーブルを4本要求する他、その時点で内蔵型含め、シャープ以外誰も製造していない。
放送チャンネルもNHKのみであり、早期試聴をしたいイノベーター層向けであることが否めない。
BSにおいては左旋放送となり、従来の放送と一切の互換性がないため、アンテナ・配線も含め全て取り換えが必要となる。BS放送は電波を螺旋状に回転=円偏波として発信しており、従来の放送はこれが右回り=右旋放送であったが、8Kにおいては逆方向に回転した左旋しか使わないためである。
なお新4K8K衛星放送では、B-CASカードが廃止され、基板内蔵(一部製品はドングル)型のACASチップとなっている。これは対応製品であれば、従来放送でもB-CAS互換機能によりACASチップが用いられるため、ドングル型の一部を除きB-CASカードは付属しない。
試験放送としては2016年8月1日~2018年7月23日まで、元地デジ難聴対策用BS帯域を使用して行われていた。4K・他放送局との共用であり、大半の番組は4K番組であった。8K番組を供給したのはNHKのみ。
試験放送中に提供された番組数は、NHK、日本テレビ、テレビ朝日、TBS、テレビ東京、フジテレビ、WOWOW、東北新社の8社合計で4K番組が96タイトル1,105時間40分、そのうちHDR対応の4Kが39時間48分。NHKによる8K番組は10タイトル30時間、HDR対応の8Kが9時間50分。4K8Kのメイン/サブチャンネル合計で106タイトル、1,135時間40分(A-PAB枠の終了告知6分含む)となった。
このときのチューナーは専用品であり本放送では使用不可。また一般の視聴はパブリックビューイング・一部ケーブルテレビ局のダウンコンバート再送信を除いて不可能だった(ACASチップがドングル式・後日送付の東芝テレビで、たまたま受信できたという口コミあり)。
地上波での8K放送は送受信実験に成功しており技術的には可能であるが、地上波8K放送の開始時期は明確にされていない。また、MIMO技術やOFDM技術などを用いるため現状の地デジ用アンテナを流用することは出来ない。地上波よりはIP放送やケーブルテレビ放送での配信が現実的であり、現状でもこれらの方法を用いた4Kの商用配信・放送が行われている。
参考資料:4K・8Kロードマップに関するフォローアップ会合(総務省)、NHK放送技術研究所(8Kスーパーハイビジョン)
掲示板
27 ななしのよっしん
2018/02/15(木) 20:06:02 ID: SGHuq9qINL
電波帯域はいまでもパンパンなのにこんなデータ量をどうやって放送するんだよ
有線放送限定にする気か
それも既存のインターネット使ったら帯域圧迫するから
昔、電話や光ケーブルがそうしたように、放送専用ケーブル作るってか?
そんな技術、貧乏人から高額の受信料とってやることなのかよ
28 ななしのよっしん
2018/06/29(金) 18:34:56 ID: /M8/CGv6Hb
その辺は何か圧縮技術が出てきそうだからなぁ
29 ななしのよっしん
2019/01/16(水) 22:44:29 ID: UJq0I+1Sdg
ここまでくると一般向けというか医療とかそっちの方がメインのような
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最終更新:2024/12/21(土) 20:00
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