デストーイ・マッド・キマイラとは (デストーイマッドキマイラとは) [単語記事]

悪魔宿りし非情の玩具よ、刃向かう愚民を根こそぎ滅ぼせェ！
融　合　召　喚
現れ出ちゃえ、全ての玩具の結合魔獣
《デストーイ・マッド・キマイラ》！！

《デストーイ・マッド・キマイラ》とは、アニメ「遊☆戯☆王アーク・ファイブ」に登場したカードである。

概要

《デストーイ・マッド・キマイラ》
融合・効果モンスター
 星８/闇属性/悪魔族/攻2800/守2000
「デストーイ」モンスター×３
(1)：このカードが戦闘で相手モンスターを破壊した場合に発動出来る。
その相手モンスターを自分フィールドに特殊召喚する。
また、この効果で特殊召喚したモンスターが自分フィールドに存在する限り、
このカードの攻撃力はそのモンスターの数×３００アップする。
(2)：このカードが戦闘を行う場合に発動できる。
バトルフェイズ終了時まで、相手は魔法・罠カードを発動出来ない。

紫雲院素良の使用する【ファーニマル】デッキの切り札。
「デストーイ」モンスターは基本的に融合モンスターであり、融合モンスター同士の融合で召喚する形になる。
そのためか、他の「デストーイ」モンスターを彷彿とさせる頭部を宿した歪な三つの胴体を有する。

初登場は舞網チャンピオンシップ１回戦における「素良vs 黒咲隼（１戦目）」。
黒咲に追い詰められ危機に陥った素良が《魔玩具融合_{（デストーイ・フュージョン）}》により墓地のデストーイモンスター《デストーイ・シザー・ベアー》《デストーイ・チェーン・シープ》《デストーイ・ホイールソウ・ライオ》を除外することで融合召喚した切り札。
黒咲の《ＲＲ－ブレイズ・ファルコン》を戦闘破壊した上で、そのコントロールを奪うことで決着をつけようとした・・・が、素良が顔芸するほど冷静さを欠いていたためか、ここで相手の効果発動を阻害する(2)の効果を使わなかったのが致命的なプレイングミスとなる。
直後《ＲＵＭ－レヴォリューション・フォース》により《ＲＲ－ブレイズ・ファルコン》を奪い返されたどころか、《ＲＲ－レヴォリューション・ファルコン》に進化されてしまい、その効果によりこのカードが破壊され、付随する効果ダメージにより敗北してしまった。
この時素良はアクションカードを手にしていたのだが、発動体勢に入った時にアクションフィールドの建物の崩壊に気が付かなかったため、その下敷きにされる形で発動機会を失い敗北してしまった。
ちなみに、この時は素良の豹変もあってか、歪で奇妙な外見のこのカードの登場に幼い観客は泣いてしまった。

その後、「素良vs ユート（途中で榊遊矢も参戦）」においても融合召喚しようとするが、強制帰還システムの作動により素良は融合次元に強制送還されてしまい、召喚叶わず中断となってしまった。

大きく飛んで次の出番は「柚子＆素良vs セキュリティ」戦。
柚子の危機に割って入った素良が融合召喚したが、この時は素良のトラップカード《融合死円舞曲_{（フュージョン・デス・ワルツ）}》の効果で柚子のフィールドの《幻奏の華歌聖ブルーム・プリマ》と共に攻撃力を参照し、そのトラップカードの効果でセキュリティ４人を一度に撃滅した。
このトラップの効果適用時、《幻奏の華歌聖ブルーム・プリマ》とワルツを踊るという演出が成された。一見シュールなこの絵面だが、素良の切り札が柚子のモンスターと踊り、舞い、それを見ていた子供たちを喜ばせる姿は遊勝塾で学んだエンターテインメント・デュエルを思わせるものであり、スタンダード次元での経験を忘れておらず、柚子に友情を感じている素良の心境を連想させてくれる。
ちなみに、融合素材は乱入前に元々揃えていたのを融合した。荒業にも程がある。

そして「月影 vs オベリスク・フォース」に乱入した際は、自身の効果により「デストーイ」に計上される《エッジインプ・ＤＴモドキ》とエクストラデッキの「デストーイ」２体を永続魔法《デストーイ・サンクチュアリ》で墓地に送り、それを《魔玩具融合》で墓地融合する形で速攻召喚。
月影の罠カードの効果によりモンスターに３回攻撃する権利を得たこのカードで３回攻撃したことにより、オベリスク・フォースのモンスターを１体ずつ強奪。《デストーイ・サンクチュアリ》と追加で融合した《デストーイ・シザー・タイガー》の相乗効果により、モンスターを奪うたびに攻撃力を上げ、最後は奪ったモンスターの攻撃によりﾜﾝﾀｰﾝｽﾘｰｷｩ１ターン３キルを達成した。

出番を総括するに、このカードは「本当の素良の分身」であると推察できる。
最初は他次元の人間を恐怖に陥れる禍々しき存在だったものが、柚子と共にエンターテイメントを完遂し、自らを兄の仇と敵視していた月影の的確な援護を受けオベリスク・フォースに反旗を翻すと、素良の在り方が如実に表れている。
融合召喚の口上も、初登場時は「現れ出でよ」だったのが、「月影 vs オベリスク・フォース」に乱入した際は他のデストーイと同じ「現れ出ちゃえ」と丸い口上になっているのが印象的である。

攻撃名は特にないが、各頭ごとに攻撃方法は異なる。
前面の熊の頭からはミサイルを発射でき、左の頭は伸縮する胴体を活かした体当たり、右の頭は砲弾を発射している。

ＯＣＧ版

《デストーイ・マッド・キマイラ》
融合・効果モンスター
 星８/闇属性/悪魔族/攻2800/守2000
「デストーイ」モンスター×３
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
「デストーイ・マッド・キマイラ」の(2)の効果は１ターンに１度しか使用できない。
(1)：このカードが戦闘を行う場合、
相手はダメージステップ終了時まで魔法・罠・モンスターの効果を発動できない。
(2)：このカードが戦闘で相手モンスターを破壊し墓地へ送った時に発動できる。
そのモンスターの攻撃力を半分にして自分フィールドに特殊召喚する。
(3)：このカードの攻撃力は、元々の持ち主が相手となる
自分フィールドのモンスターの数×３００アップする。

2015年 2月14日に発売された「クロスオーバー・ソウルズ」でOCG化を果たした。
主な変更点は以下の通り。

特殊召喚制限の追加
相手の効果封殺能力の書式変更
コントロール奪取効果の制限・弱体化
攻撃力強化効果の独立

１の特殊召喚制限は、融合以外での召喚方法が不可能になったことで、正規手段の融合以外で活用することができなくなっている。
そのため、純粋に【ファーニマル】デッキでしか使用できなくなっているが、【ファーニマル】においてもこのカードの融合は重く、融合召喚の難易度が高い。
このカードより緩い条件で融合できる「デストーイ」が強力であり、《デストーイ・サンクチュアリ》もＯＣＧ化されていないため出番は少ない。
カウンター罠《デストーイ・マーチ》により他の「デストーイ」と入れ替わる形で融合召喚扱いの特殊召喚ができるため、その手段を使うならば採用の余地はある。
２の書式変更は一長一短だが、このカードの攻撃宣言時に反応する効果も封じることができ、モンスター効果すらも封殺できるため非常に頼れる効果となっている。ただし、効果範囲はバトルフェイズの間からダメージステップ終了時に縮小しており、後続モンスターの攻撃を安全に通すことはできない。
３のコントロール奪取効果の制限は、アニメのように複数回攻撃能力を付与して大量にモンスターを奪うことはＯＣＧでは不可能なため注意したい。無論効果自体は悪くないが、戦闘破壊の必要があるため、自身より攻撃力の高い相手には手も足も出ないところに注意したい。攻撃力が半分になる為追撃にも適していない、と弱体化の色が強い。
４の「攻撃力強化効果の独立」は、全体的に弱体化を受けたこのカードの中でも書式変更により強化を受けている。他のカードで相手カードのコントロールを奪った場合でも攻撃力は上昇するため、事前に相手モンスターを奪うことでこのカードの攻撃力を上げる手段がとれる。１体のコントロールを奪うだけで攻撃力は３１００に到達し、多くのモンスターを戦闘で破壊できるため悪くない。

総じて、ただでさえ素材が重い上に、アニメ効果から弱体化された部分もあり、強化もその弱体化を覆すに至らず、微妙な扱いを受けている。
適当に融合するだけなら【ファーニマル】にも他に適任が居る為、相手の防御手段を突破するフィニッシャー、あるいは奪いたいモンスターがいる場合コントロールを奪う、などの明確な役割が持てる時に融合召喚したい。
他の「デストーイ」と融合素材が異なる為、１枚くらいは刺しておくと出番はあるかもしれない。