不破光治とは (フワミツハルとは) [単語記事]

不破光治（ふわ・みつはる？～ 1580頃？）とは、美濃の戦国武将である。

概要

西美濃三人衆（稲葉一鉄・氏家卜全・安藤守就）と並ぶ美濃斎藤氏の有力家臣。そのため彼も含めて四人衆として扱われることもある。美濃国・西保城主。

三人衆と違って寝返りはしなかったが、斎藤氏滅亡後は織田信長に降伏して家臣となった。のち、柴田勝家の傘下に組み込まれて北陸戦線を戦った。前田利家・佐々成政と並ぶ府中三人衆のひとり。

歴ゲー界では「信長の野望の能力値について子孫からクレームが入った」都市伝説で有名。

生涯

不破氏の出自はあまりよく分からないが、鎌倉時代末期ごろに美濃国不破郡に土着した一族とされる。美濃守護土岐氏に代々仕えてきた。1525年の時点で不破河内守の名が現れているが、これが先代か先々代だろうか（光治も河内守を名乗っている）。父は不破通直。

やがて国盗りを行った斎藤道三に仕えるようになる。稲葉・氏家・安藤とともに四人で連署した書状が残っていることから、彼らと並ぶ四家老（西美濃四人衆）という立場だったと推測される。

三人衆のように織田家からの調略に応じたとは記録されていないが、稲葉山城陥落後は織田信長に仕えた。

この後は他の家臣たち同様、畿内周辺を忙しく転戦した。やがて朝倉氏や越前一向一揆が滅亡し、1575年に柴田勝家に越前一国が与えられると、前田利家・佐々成政とともに勝家の目付役として越前府中に配置された。この時の三人は府中三人衆と呼ばれ、三人合同で10万石の領地を与えられている。光治は龍門寺城主となる。

目付、つまり監視役であるが、なにしろ前任者の前波吉継は傲慢がすぎて狂犬富田長繁の大暴れ＆一向一揆乱入という酷い展開を招いていたので、まあ妥当な処置ともいえる・・・。やがて勝家が加賀一向一揆や上杉氏などの対北陸戦線のいわゆる「軍団司令官」になると、府中三人衆も勝家の与力とされ、越前衆の一翼を担うことになった。

その一方、「与力」という立場は現代でいえば本社からヘルプで派遣された社員のような存在なので、必要に応じて信長の命令を受けて畿内方面の援軍に赴いたりと、かなり忙しく働いている。

実際のところ、府中時代以降の光治に関しては息子・勝光と混同されている部分もあるようだ。その為、死去した時期には諸説ある。1580年死去と言われる一方で、1581年の第二次伊賀攻めに参加していたり・・・少なくとも賤ヶ岳の戦い以前には死去しており、勝光へと代替わりしている。

子孫・その後

息子・不破勝光（不破直光）は引き続き柴田勝家の傘下で活動する（勝の字は勝家からの偏諱だろうか）。賤ヶ岳の戦いでは、前年末の時点で前田利家・金森長近と共に和睦交渉（という名の時間稼ぎ）を行っているが、本戦では利家の撤退後に直光・長近も撤退したため既に調略されていたのでは？という疑惑をもたれることになった。

これ以降は前田利家の配下となり、子孫も加賀藩の重臣（4500石）として仕えた。

光治の次男・不破広綱（通称・源六）は小牧・長久手の戦いの頃には尾張国竹ヶ鼻城主であったが、織田信雄についたため、羽柴秀吉による水攻めを受けて降伏した記録が残る。その後は兄を頼ったとされる。

補足

「信長の野望」（PC）シリーズにおける不破光治の能力一覧。

戦国群雄伝には父を差し置いて広綱が登場している。覇王伝で勝光と共に初登場（息子はこれっきり）。が、次の天翔記を最後に長らく消息不明となる。尾張美濃あたりの人材が多すぎるのも一因であろうが、いつしか「能力値の低さに子孫がクレームをつけてきたため、出演できなくなった」なる都市伝説が生まれることになった（この噂は鳥屋尾満栄にも存在する）。