情報通信研究機構

情報通信研究機構（にほんご表記：情報通信研究機構、英語表記：National Institute of Information and Communications Technology、略称：NICT）は、日本における独立行政法人、情報通信分野の国立研究機関である。

概要

総務省の所管下にあり、2004年に旧通信総合研究所と郵政省電波研究所などを統合する形で設立された。日本の情報通信分野における唯一の国立研究所であり、情報通信技術（ICT）に関する基礎研究から応用研究、標準化、実証実験まで幅広い活動を行っている。

主な研究分野

• 電波・周波数利用：電波の効率的利用や電波伝搬の研究。
• ネットワーク：次世代インターネット、サイバーセキュリティ、量子暗号通信などの開発。
• 人工知能・自然言語処理：機械翻訳システム「みんなの自動翻訳（TexTra）」などの言語処理技術研究。
• 時間標準：日本標準時（JST）の維持・供給を行う。セシウム原子時計や光格子時計の開発を通じて、世界最高精度の時刻基準を提供している。
• 宇宙通信・衛星技術：深宇宙通信、衛星データ中継、宇宙天気予報など。

また、NICTはサイバー攻撃の観測・分析を行う「NICTER（Network Incident analysis Center for Tactical Emergency Response）」や、未来社会を想定した大規模ICT実験基盤「StarBED」などを運営している。

fVisiOn

fVisiOnは、「情報通信研究機構（NICT）」が開発した、眼鏡やヘッドマウント不要のテーブル型裸眼立体ディスプレイである。ユーザーは、誰でも自由な角度から立体映像を同時に視認できるという特徴を持つ。ディスプレイには、直径90cm のテーブル上に円形表示エリア（直径約20cm）を設け、垂直画角60°・水平360°で映像を出力する仕様になっている。初音ミクを立体的に踊らせるデモが行われており、テーブルから飛び出すように見える映像が極めて印象的である。

注意点としてfVisiOnは「ホログラム風の映像」であり、光の波の性質全体を再現する技術ではない。あくまで“光線”の重ね合わせによって立体感を再現している点が本物のホログラフィと異なる。

実際のホログラム（電子ホログラフィ）は、光の干渉や回折などまで再現する高度な技術であり、NICTでも別途研究されている。

関連動画

関連リンク

• 情報通信研究機構公式HP

関連項目

• IT
• 独立行政法人
• インターネット
• 初音ミク