海掠神エイリャークとは (カイリャクシンエイリャークとは) [単語記事]

「海掠神エイリャーク」とはテーブルトークRPG「ソード・ワールド2.5」に登場する大神（メジャー・ゴッド）であり、主に蛮族が信仰する、海賊の神である。

格言

「欲しければ奪え、憎ければ殺せ」

「我ら生み出さず、ただ刈り取るのみ」

「海となれ。海は自由であり、流転し、暴虐なり」

概要

第二の剣の陣営で海軍の総大将を務めた、と言われる神格。
水棲蛮族に広く信仰されるほか、人族でも海賊や盗賊など無法者に信者がいる。

その神像は、尖った兜を被るヒゲを生やした壮年の男性で、その背中から8本の触手が生えている。
聖印は、海に棲む巨大なイカの姿をした魔物（クラーケン）が触腕を広げた様を意匠化したもの。

その性格は残忍で、他者から奪うことを好んだとされており、略奪の記録ばかりが遺されている。
神話では、飛びぬけて巨大なクラーケンを生きたまま己の旗艦へ改造し、眷属として数多のクラーケンを使役していたとのこと。
そこから「クラーケンは海掠神の使者である」として神獣のように扱う信者も多い。

エイリャークの信徒曰く「自分達は奪う側」。何かを生み出すこと・それに対価を払うことを嫌悪し、欲しいものは力ずくで奪い、強者こそが全てを手にすると説いている。
また、定住することよりも、新たな獲物を求めて常に移動し続けることを美徳としている。そのため、獲物から根こそぎ奪いきるまでの短い間しか留まることはない。

エピックトレジャリーの「神々の相関図」において。
導きの星神ハルーラに対し「目障り」という感情を抱いており、逆にハルーラは「強い警戒」を抱いている。
神話の時代に何があったかは不明だが、ハルーラ神殿は港町だと灯台を兼ねていたり、船乗りにも信仰されている。船旅の安全を祈るハルーラ神官は、海賊であるエイリャークの信者にとって目障りなのだろう。

特殊神聖魔法

“海掠神”の名に恥じず、特殊神聖魔法すべてが水中に関わるもの。水場が得意な蛮族向けの魔法となっている。
ただ致命的な問題として、水場を舞台としたセッションはとても書きづらく、PCのビルドも限られるため、中級者～上級者向けの敵となるだろう。

ウェーブ・ライディング

レベル2の特殊神聖魔法。
任意の対象に「水中にいる間、回避力判定にボーナス修正を得る」という効果を与える。
消費MPも少なめだが、射程や効果時間も少なめ。
後衛神官が《魔法拡大すべて》により全ての前衛に付与し、余裕があるならば時間も延長できると強いか。
訂正：なんと補助動作で可能なので、魔法拡大はほぼ不要。
通常移動した手番でないなら、前衛でも《マルチアクション》なしで自身に掛けつつ攻撃できる。
この手の魔法は使われると地味に厄介なので、軽視しないように。

ディープ・ブロック

レベル4の特殊神聖魔法。
任意の対象に「水中にいる間、戦闘特技《ブロッキング》を習得しているものとして扱う」という効果を与える。
実は2.0時代より《ブロッキング》の重要度が上がっている。
- 具体的に言うと「乱戦エリア内の敵の数が少ないと、敵から移動妨害されずに後衛の方に通り抜けられる」のだが、《ブロッキング》による部位数の上昇がこの「自身や味方が通り抜けできるか否か」でも参照されるようになった。
- つまり、この魔法を敵に使われると「敵を移動妨害できずに後衛への接敵を許す」という事態に陥る恐れがある。短いテキストの割に強力な効果である。
なお、多部位の魔物に掛ける際は消費MPを部位数倍にする必要がある。《ブロッキング》の性質上、多部位ほどその効果も大きくなるため、クラーケンにでも掛けておくといい。

ウォーター・ハンマー

レベル7の特殊神聖魔法。
任意の対象に水・氷属性の威力30の魔法ダメージを与える。
術者が水中に居るならば、魔法行使判定にボーナス修正が入る。
対象が水中にいる必要はない。
射程・威力ともに充分な魔法なので、要所で使うとプレイヤーを泣かせられるだろう。

ウォーター・バインド

レベル10の特殊神聖魔法。
水の流れを停滞させ、水上・水中にある任意の物体の動きを封じる。
キャラクターには無効だが、物体の大きさは問わない。
どちらかというとギミック的な魔法で、そのセッションのボス戦前に使う形になるだろう。
誤って「船」の魔物データを作成しないように。
キャラクターになってしまい、動きを止められなくなる。

ウォーター・ブリッジ

レベル13の特殊神聖魔法。
術者は効果時間のあいだ「水でできた橋を主動作で作る」能力を得る。
- 直線的かつ常識的なアーチに限られるが、何度でも作成可能。
  幅と深さ。長さに加え、流れの向きや速さも設定できる。
- ただし、構造物やキャラクターにぶつかるような作成はできない。
  また、1度作った橋は効果時間が切れるまで消えることはない。
当然だが、この橋の上を船で渡ったり、中を泳ぐ事ができる。
水気のない場所でも水上・水中を作り出せる魔法となる。