第11番惑星兵站基地司令(仮称)とは、宇宙戦艦ヤマト2の登場人物である。
「宇宙戦艦ヤマト2」第19話にのみ登場する白色彗星帝国の軍人であり、地球攻略のため太陽系への橋頭保として建設されたと思われる第11番惑星[1]兵站基地の指揮を執っている人物。
ヤマトに乗り組んでいた空間騎兵隊の隊長、斎藤一(さいとう はじめ)が、艦長代理の古代進に頼んだ戦死隊員の弔いを探査任務という建前で許可され、ロボットのアナライザーと共に第11番惑星へと降り立った際に初登場。地下に建造されその存在を隠していた兵站基地内から監視映像を睨みつつも、「決戦を控えた大事な時だ」[2]と、当初は手出しせず様子を見る判断を下し、冷静に状況を見極めようとした。
元々墓参りのみのためごく短時間の立ち寄りに終わる予定であったがその後ヤマトの寄り道を見咎めた地球防衛軍司令長官が古代を急かしたこともあり、斎藤の乗る航空機を速やかに収容するためヤマトは高度を下げて待機しようとする。この降下を見てヤマトに自分たちの存在を感づかれたと判断した彼は、惑星付近に残留していた艦隊に連絡を取り、上空と地表からヤマトを挟撃しようとミサイルでの攻撃を開始する。当初挟撃そのものは上手くいったものの、斎藤がミサイルの発射台を複数基破壊したこともありヤマトに深手を負わせるには至らなかった。加えて残留艦隊が挟み撃ちの位置取りを維持するのに失敗した挙句基地とヤマトを結ぶ直線上に位置させられる愚を犯し、更にはヤマトに波動砲へのエネルギー充填の猶予を与えてしまった結果、基地と運命を共にすることとなった。
1話間のみの登場であり人物描写など全く無くセリフも数えるほどしかないため、如何なる評価も推察の域を出ない。
しかし、ストーリー上明らかに着任から日が浅いながらも、自らの指揮する基地の「地下に隠されている」という特性を充分に把握し、敵が接近しても無暗な攻撃を避ける冷静かつ的確な判断力、攻撃を決断してからも、これまた完成から日が浅い兵站基地を淡々と指揮し、いくつもの自軍艦隊を撃滅されたことは知っているであろうヤマト相手にも怖気づくことなく果敢に攻撃を繰り出すなど、優秀な軍人であることをうかがわせる。
攻撃を命じるに至った直接の理由が、ヤマトの降下を「こちらの存在を察知しての行動だ」と誤認したためであることから、状況判断力に疑問を抱く方もおられるかも知れない。しかし斎藤を発見した時点で、ロボットであるアナライザーも当然斎藤同様に捕捉していたと考えれば、遅かれ早かれその探査機能によって存在を暴かれると判断したとしても無理はない(結果論としても実際にアナライザーは基地が姿を現す直前に、基地の将兵のものと思われる生命反応を確認しており、様子見を続けたとしても基地の暴露は避けられなかった可能性が高い)。
戦闘開始後には彼個人の描写は全く無くなるが、作中での戦闘の流れを見る限りこの戦闘における白色彗星帝国側の敗因は残留艦隊の方にあると考えられるのではないか。なぜなら挟み撃ちを要請したにもかかわらずそれに失敗し、ヤマトに波動砲があることを知っていながらその射線に基地と重なるように位置してしまったのは紛れもなく彼らだからである。加えて挟撃が成功していた段階においても、ミサイルで着実にヤマトに損害を与えていた兵站基地と異なり、この艦隊は主砲門数が物足りないものであったことを差し引いてもその命中率が著しく低いのである。従って敗北の責任を司令を初めとする基地の将兵の能力不足に帰するのはあまりに酷だと言わざるを得ない。
たった数カットの出番のみでこの世を去ってしまったが、軍人として彼が下した判断と決断、そしてとった行動は、極めて妥当だったのである。優秀な軍人であればこそ、艦隊決戦を前にした前線の兵站基地の指揮官という重要な役目を与えられたのであり、またそれを全うこそできなかったが、死して大帝に詫び、責任を取った彼は、忠誠心にも能力にも秀でた立派な軍人であったという結論を述べ、当記事の主旨とするものである。
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最終更新:2025/12/06(土) 18:00
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