「腐ってやがる。早すぎたんだ」とは、手の施しようの無い重度の腐敗物を見つけた者が思わず発する嘆きの言葉。
「腐ってやがる」等と略することもある。本項目では類似の「腐ってやがる。遅すぎたんだ」にも言及する。
元ネタは、映画『風の谷のナウシカ』* のクライマックス。王蟲の群れを撃退するためにトルメキア帝国軍が強引に復活させた巨神兵を見て、第四皇女付き参謀クワトロクロトワ(27歳)は「腐ってやがる。早すぎたんだ」と戸惑い紛れに独りごちる。巨神兵は肉体形成を完了しておらず、陽子ビームを2度発射するとまもなく肉体を崩落させた。
それに、婦女子から転成した「腐女子」(のちに「腐男子」も派生)から生じた「腐」(=腐女子あるいはその文化またはそのネタを、漠然と総称的に略したもの)あるいは「腐る」** (=「(人が)腐女子/腐男子化する、(物が)腐ネタ化する」)というオタク語が結び付いたもの。つまり「ある対象がもう取り返しのつかなくなるまで腐化してしまった」という事態の深刻さと自己の無力さを、若干の諧謔と韜晦を交えて吐露するときに使われる成句である。
* また『~ナウシカ』からは他にも「腐海(=腐の世界、または腐化の影響範囲)」という表現が生まれている。当然、「海(カイ)」は「界(カイ)」に通じており、また計り知れないほど広大かつ深遠というイメージもある。
** 批判的な「腐れる」、意図的な「腐らす」、完全性の「腐り切る」、形容の「腐れ」、などの派生語もある。
いずれにせよ、見つけた腐は直ちに焼却処分することをおすすめする。 さもなくば、そなたもいずれそれより生じた腐海に沈み、呑み込まれてしまうであろう・・・・・・。
先のクロトワの物真似以外では、腐女子文化関連の話題でよく使われるオタク用語である。
とはいえ、元ネタ自体がオタク以外にも広く知られた作品であるため、非オタクが例えば実際に食べ物が腐ったのを見た時、熱血教師が腐ったミカンを見た時、腐れ縁と呼ぶに相応しい因縁を感じた時、幼虫が大きく育ちそうな腐葉土を見た時に使う・・・・・・かどうかは分からないが、可能性が無いとも言えない***。
というか、未成熟な中学生である腐ったミカンは正しい意味で「腐ってやがる。早すぎたんだ」である。
*** 実際「腐海」の方は非オタクにも「昆虫・寄生生物・病気等による植物が甚大な被害を被った状態」「食器等の内容物が極度に腐敗もしくはカビに覆われた様子」等に比喩的に用いられる場合も散見される。
なお、「腐ってやがる」の後に続く言葉としては「早すぎたんだ/速すぎたんだ」と「遅すぎたんだ」が混在している。これはどこに発言の重点があるかによるものであり、どれが適切かは文脈次第である。つまり、
ただし「腐ってやがる。早すぎたんだ」で一つの成句であるため、「早すぎたんだ」に語呂合わせ・ネタ以上の意味を持たせない解釈もある。つまり「恐れ入谷の鬼子母神」の「(入)谷の鬼子母神」、「その手は桑名の焼き蛤」の「(桑名)の焼き蛤」と同じようなものである。まあ要するに・・・・・・こまけぇこたぁいいんだよ!!
夏が近づくと物は腐りやすくなるものだ。だからと言って冬に物が腐らないとも言い切れないが。主に有明あたりで。
そう言えば、「腐海」と「深い」と「不快」って似てるよね。
なおあまり関係無いが、新しき生命の息吹を讃えるかのような「萌」と、成熟した生命の腐敗を傷む悼むかのような「腐」という言葉は表裏一体である――生と死が隣合わせであるのと同じように。
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最終更新:2024/10/08(火) 00:00
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