荒磯に波とは、ざっぱ~んである。
「荒磯に波」とは、東映株式会社の映画作品のオープニング映像の通称である。本来は社内でのみの呼称だったがいつの間にかファンの間でもその名が知られるようになっていた。岩と岩の間から荒れた波が打ちつけ、ざっぱ~んとともに東映のロゴマークが飛び出してくるというもの。
この波は千葉県の犬吠埼にある灯台近くで撮影されたもので、ざっぱ~んとなってる岩は犬岩という。つまりのあのざっぱ~んは太平洋の海のざっぱ~んである。よく日本海のざっぱ~んと間違えられるが正しくは太平洋のざっぱ~んである。
撮影の際には近くの宿屋に何泊も泊まり、迫力のあるざっぱ~んが見られる日をずっと待っていたという。ファンが気軽にあのシーンを再現しようとするにはハードルが高いかもしれない。足場も悪く、天気の運もあるし。
このオープニングが初めて使用されたのは昭和30年に公開された「血槍富士」で、以降東映の映画にはほぼ全てで使用された。制作当時は白黒映像だったが、映像技術の発達と共にざっぱ~んの映像も何度か作り直され、2014年現在は5代目のざっぱ~んが使われている。しかし近年は地球温暖化の影響で迫力のあるざっぱ~んが撮影できなくなり、最新のOPはCGを用いたざっぱ~んとなっている。おのれディケイド!
ちなみにOPには一時期だけ銚子の海のざっぱ~んだったり、空の映像が使われたりしたこともある。
東映のOPははなぜ波なのか。東映はもともと東京映画配給株式会社、東横映画株式会社、太泉映画株式会社の3つの会社が合併した企業で、ざっぱ~んの3つの岩はその3つの会社を表し、荒波に負けずに三位一体となって立ち向かうというイメージの象徴、だからざっぱ~んするのだという。
浮世絵の「波富士」に代表されるように、日本には古くからざっぱ~んするものに対してテンションが上がる何かを持っているのかもしれない。
以下の説明文はこちらの動画と主にお読みください。(1:30あたりからざっぱ~んスタート)
記念すべき初のざっぱ~ん。
とはいえ岩もなく水しぶきも上がらないなだらかなざっぱ~んである。
これより岩に波がぶち当たり水しぶきが上がるざっぱ~んが定番化。
2001年に公開された「バトル・ロワイヤル【特別編】」より使われたざっぱ~ん。台風の目を上から見たようなCGの後にざっぱ~んと来る。
この他にも会社名を模した看板のようなロゴを表示するだけだったり、空の映像だったり、東横映画という別の名前の会社のロゴが入っていたりと様々なパターンがあるが、本記事では「ざっぱ~ん」を中心に解説した。だって波じゃないもん。
なんせ有名なオープニングなので、20世紀フォックス社のOPロゴと同じようにパロディにされることが多い。大体はざっぱ~んした背景とロゴさえ出せばそれっぽく見えるのだろう。
また東映自身がパロディに使うこともある。有名なのは以下の通り。
声優無法地帯ことCG版ビーストウォーズの映画で、98年、2000年に公開された2本の映画ではそれぞれオープニング場面に声優がざっぱ~んというアドリブで吹き替えた。
モチーフがズバリ「スーパー戦隊」であり、公式で「ゼンカイ脳」と呼ばれるように基本コミカルタッチで描かれている本作だが、その中でゼンカイジャーの最強武器「ゼンリョクゼンカイキャノン」の必殺技である「ゼンリョクゼンカイフィナーレバスター」は敵にヒットすると、背景に東映のロゴが無いざっぱ~んのみ映像がバックに映る。
北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の国営テレビ局朝鮮中央テレビの番組などで似たようなシーンが出てくると高い確率で「東映」とコメント弾幕が流れる。
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最終更新:2025/12/11(木) 18:00
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