5G(第5世代移動通信システム)とは (ファイブジーとは) [単語記事]

4G (前世代)
6G (次世代)

5 G

5Gとは、移動通信システムの新たな規格で、第5世代(5th Gene ration)のモバイル用通信方式のことである。

概要

2015年に国際電気通信連合（ITU-R）が発行した小冊子に初めて5Gの要求性能が記載され、その後3GPP（通信方式の仕様を標準化するプロジェクト）によって5Gが定義された。5Gには過去の規格に比べ「高速・大容量」「低遅延」「多接続」という特徴がある。^[1]

最近は5Gという名前があまりに広がりすぎて「5G」という共通化された何かしらのシステムがあるように思う人もいるかも知れないが、そんなシステムは無い。ゲーム機に世代があるのと同じように、その時代に主流となる要求要素や標準を定め、それを満足させた通信方式が5Gと呼ばれるようになるのである。

ただ、各国が自分たちの方式を勝手に5Gと名乗れるわけではなく、国際連合の機関である国際電気通信連合（ITU）によって認定されたものをそう呼ぶ。第4世代(4G)の通信方式の一つであるLTEは3.9世代とも呼ばれ3Gと4Gの中間に当たるが、ITUにより4Gと認定されたため、現在でも「4G LTE」の表記が認可されている。

通信周波数のSub6帯周波数（3.7GHz、4.5G Hz）を利用するものの周波数の特性上広域に広まらないので、さらに細かなホットスポットを設置してSub6帯に近い28GHzのミリ波も併用することで、最大、3.2Gb ps(約400Mbyte/秒)という、大容量高速通信が行える新しい通信規格である。
が、日本ではミリ波の基地局整備が進まず、対応端末も少ないのが現状である。加えて、NTTドコモはSub6帯の基地局を「瞬速 5G」としてコツコツ整備していたがそのせいで4G エリアとの境界で繋がりにくくなった、KDDIとソフトバンクは4G向け周波数帯を転用し一部で「なんちゃって5G」と呼ばれるなどエリア展開の手法にも違いが見られている。なお、楽天モバイルは4G基地局に設備追加とソフトウェアの書き換えで5G エリア化できるとしミリ波も積極的に展開しているが、アンテナの柱が細いけど大丈夫かとアンテナオタクから心配されている。
※ドコモが当初4G周波数帯の転用をしなかったのは、ドコモの基地局が電電ファミリーで技術上転用前提でなかったのに対し、KDDIとソフトバンクが海外ベンダーで技術上対応しやすかったためである。

これだけの大容量通信が行えることで、スマートフォンなどに利用している動画配信などが秒基準で伝送され通信のラグがほとんど無くなったり、これまで通信量の問題で諦めていた細かな情報まで細かく送れるため、自動車の遠隔操作や離島の病院における情報など多種多様な技術に利用できると考えられている。

なお、ドコモもそれなりに5G関連の特許は持っているが中国勢に遅れを取っていることから、NTTは自社が推進するIOWN構想と共に次世代の6G規格開発に舵を切っている。

問題・事件

5G陰謀論

5Gは人体に危険であると主張する陰謀論者が現れるようになっている。スピードやデータ量が増えるぶん電波は強力になるので、実際に何かしらの影響がある可能性はありうるが、現状ではそれを示す科学的根拠はなく、陰謀論の扱いとなっている。 ^[2] ^[3]

ただ、2020年以降に流行した新型コロナウイルスの影響で5Gにまつわるデマを真実だと思いこむ陰謀論者が増加してきており、世界各地では5G通信がコロナを拡散させるというデマを信じた現地住民によって5Gの施設（基地局）が破壊される事件も起きるなど、単なる陰謀論では済まない行動を起こすものも出てきつつある。 ^[4] ^[5] ^[6]