FMステレオ放送とは、超短波放送(VHF)で放送されているFMラジオの音声をステレオで提供する音声多重放送サービスである。
日本においては1960年(昭和35年)8月FM東海(東海大学超短波放送実用化試験局、JS2H、FM東京の前身)がFM-FM方式(クロスビー方式)による実験放送を開始。
しかし1961年アメリカFCC(連邦通信委員会)によりゼネラル・エレクトリック・カンパニーとゼニスが提案したAM-FM方式(パイロット・トーン方式)が標準方式として採用、翌1962年にイギリスの公共放送BBC(英国放送協会)も採用。
このことを受けて1963年(昭和38年)6月25日に同局がAM-FM方式(パイロット・トーン方式)に変更、同年12月24日にNHK東京FM実験局(JOAK-FMX)も実験放送を開始した。
NHK-FMの本放送免許はステレオを50%以上放送することが条件であった。
アメリカのクロスビー研究所が開発した方式。L信号(左)とR信号(右)の和、L信号(左)からR信号を引いたの差をそれぞれFM変調して多重する方式。1958年頃から研究されていた。
アメリカのゼネラルエレクトリック社とゼニス社の提案による。L信号(左)とR信号(右)の和をFM変調に、L信号からR信号を引いた差で搬送波抑圧変調というAM変調の一種の変調をして多重させる方式。日本においてはこの方式で、郵政省電波審議会で答申されたもの。
以上の信号を作って電波に乗せている。調べてみるとアナログテレビのステレオとは別の方法だった。パイロット信号=パイロット・トーン、ステレオ放送であるという目印信号を乗せるから「パイロット・トーン方式」と呼ばれる。
和信号(L+R)を受信するとモノラルで受信できる。
ステレオで受信するときは
(L+R)+(L-R)=2L...左信号
(L+R)-(L-R)=2R...右信号
と処理するとステレオで受信できる。
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最終更新:2025/12/16(火) 07:00
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