SCP-2411-JPとは、シェアード・ワールド『SCP Foundation』に登場するオブジェクト(SCiP)である。
SCP-2411-JP | |
基本情報 | |
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OC | Euclid |
収容場所 | N/A |
著者 | stengan774 |
作成日 | 2021年4月15日 |
タグ | 交換 儀式 可視光 外部エントロピー 宗教 時空間 瞬間移動 精神影響 素手喧嘩コン21 食物 |
リンク | SCP-2411-JP |
SCPテンプレート |
SCP-2411-JPは特定の物体の生成と発生を目的として構築されたと思しき一連の儀式的手順。詳しい手順はSCP-2411-JP担当職員のみが共有しており、他の職員には開示されないが、財団の秘境技術的(thaumaturgic)分析でこの儀式は4フェーズに大きく分けられることがわかっている。
第1フェーズでは、周囲から隔絶された空間(物的儀式要素ML-カシルに指定)を用意し、第4フェーズまでこの空間にとどまることを要求される。これは一室やパーテーションなどで四方を区切られていればよいが、そうでなくても、コンスタンティン-タイプ魔術的凝念尺度 (Constantin Type: Thaumaturgic Dhāraṇā Scale)におけるエクサ級精神集中を可能とする心理的に外界と区切られた空間……まあ平たく言えば結界でも代用可能である。なので、地面に円を描いて結界を作れば実行可能である。パーテーション買ってきたほうが早い気がするのは魔術慣れしていないからだろうか。
第2フェーズでは実行者はML-カシル内で事前に用意した水(物的儀式要素MW-リナドに指定)を適量口に含み、一定のリズムで3回に分けて飲み干す。このとき実行者が12時間以上断食あるいは空腹感を示しているとき、この儀式の成功率が上がる。この水は人間が飲用可能な真水または塩水であることが要求される。いわゆる邪気・穢れを払うための水のようだ。
第3フェーズでは、10度に渡って「あかびるさま」と呼称される何らかの存在に対する祈りを意味すると思われる文言(無形儀式要素TS-メテスに指定)を詠唱する。このとき言い間違えたり5分以上中断した場合は最初からやり直す必要がある。この文言は意味不明な文字列だが、財団の言語学部門はサンスクリット語や上代日本語が口伝で言語変化したものと推測している。
そして第4フェーズ。実行者は3分以内に速やかにML-カシル内を退出し、速やかにローソンに入店し、入り口から最も近いレジで「ファミチキください」とオーダーする。……あれぇ!?店員はまったく違和感を表明せず、自店舗で販売されている『Lチキ』をファミチキとして売買契約を成立させる。このとき、周囲の客はまったく違和感を表明せず、そして平均73%の確率で、店員が実行者に販売したLチキは実行者の手中で消失し、光量不定の発光を伴って同空間軸上にファミチキを出現させる。
このファミチキはいかなる場合においても分子レベルで標準的なファミチキ(プレーン)と同様の組成であり、強度テスト、感応テスト、更には食べてみても通常のファミチキと同じ評価を得られている。財団はこの「Lチキをファミチキに変える儀式」を数百回行っているが、全国のファミリーマートにおけるファミチキの流通量が変化しないことから、財団は『SCP-2411-JP儀式はファミチキをファミリーマート店舗からワープさせているのではなく、不明な手段でその場に生成している』と結論付けた。
この「ローソンでファミチキが食いたくなったとき」にしか使えない儀式だが、元々財団は小・中学生の間で流行っている『おまじない』を調査していたところ発見した。そしてこの口コミを調べるうちに、財団は長崎県のとある市がこの噂の出どころであるとつきとめた。この地では弘法大師・空海にまつわる知名度の低い伝承が残されていたのだ。
昔、この地(かつて███市東部に存在した██郡と推定)には神を名乗る物の怪が住み着いており、一帯の安寧と引き替えにさまざまな暴虐を働いていました。ある時旅の僧侶がこの地に訪れると、人々が嘆いています。僧侶は人々が嘆いている理由を尋ねると、彼らはこう答えました。
「一月ほど前から、この地の神は一日につき一人の若い娘を生け贄として求め始めました。奴は人を喰らい骨すら残しません。次は私たちの集落に残された最後の娘が行かなければならないのです」
「なんと、それはむごいことだ。私が何とかしてみよう」
僧侶は彼らの嘆きを聞き届けると、一度娘を自分に預けるように言いました。人々がそのようにすると、僧侶は娘の家族が住む家を借りて籠もり、水垢離と 摩訶毘盧遮那仏(まかびるしゃなぶつ)への祈りを通して大きな肉塊を出現させ、娘とすり替えました。
「これをその神への生け贄として差し出しなさい」
僧侶の言葉を聞いて人々がそのようにすると、物の怪はすり替えに気づかず、喜んで肉を受け取りました。物の怪が肉を喰らっているとその隙に僧侶は物の怪を調伏し、その後生け贄が求められることは無くなりました。
この僧侶が、後に弘法大師として高名を馳せる空海様だったとのことです。
SCP-2411-JP - SCP財団より,2022/06/03閲覧
娘の代わりに大きな肉塊を出現させるこの伝承と、Lチキの代わりにファミチキを出現させる儀式SCP-2411-JP。そして儀式SCP-2411-JPで繰り返し言及される『あかびるさま』は摩訶毘盧遮那仏が由来であることは察せられる。財団はこの長崎県の伝承がローソンでファミチキが買える儀式に変容した原因を調査しており、目下一部ローソン店舗でかつて従業員教育として用いられていた『お客様は神様です』の標語との関連性の解明が担当研究班の主要な課題となっている。……いや確かにローソンでファミチキくださいって言って困らせるお客様いるけども。
ここで気になるのはLチキの行方である。当初財団は、Lチキは手中で分解され、ファミチキに再構成されると考えていた。しかしLチキに取り付けていたGPSが突如再度受信されたのでこの仮説は見直された。高野山奥之院の弘法大師御廟から出るGPS信号を辿っていくと、なんとそのあたりにLチキが大量に堆積していたのだ。最終的に「SCP-2411-JPによって消失したLチキはおよそ2190日間を経て弘法大師御廟付近へ転送されている」ということが判明した。これより、真言宗における協力関係の維持に伴い、真言宗の不殺生戒・肉食に引っかかるためその後の実験は停止されている。
……じゃあファミチキはどっから来たんだよ。
SCP-2411-JP
大光明遍照揚鶏繰換之術式(※遺伝子組み換えでない)
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最終更新:2024/11/08(金) 00:00
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