わかっています、私の名前はSCP-3908。違う!私の名前はSCP-3908なんだ!違うんだ!
SCP-3908 - SCP財団より, 2024/02/26閲覧
SCP-3908とは、シェアード・ワールド『SCP Foundation』に登場するオブジェクト(SCiP)である。
項目名は『SCP-3908』。いや、メタタイトルは?と思った読者諸賢も多かろうが、これがメタタイトルなのだ。SCP-3908はSCP-3908なのだ。
SCP-3908 | |
基本情報 | |
---|---|
OC | Euclid |
収容場所 | 人間型標準収容ユニット |
著者 | JanitorCakeworth |
作成日 | 2018年6月26日 |
タグ | メタ 人間型 反ミーム 情報災害 生命 知性 |
リンク | SCP-3908 |
SCPテンプレート |
SCP-3908は反ミーム実体である。SCP-3908について言及した会話・文章は全て直接的・間接的関わらず検閲されてしまう。また、実体の画像は「SCP-3908はSCP-3908である (SCP-3908 is SCP-3908)」と黒単色の画像に白字で書かれたものになってしまう。つまりこういうことになる。
SCP-3908 is SCP-3908 |
SCP-3908自身も発話ができるが、自分自身にもこの効果が及ぶため、SCP-3908自身について知ろうとすることは非常に困難になってしまう。何を言っても「私は◯◯です」ではなく「SCP-3908はSCP-3908です」になってしまうからだ。
インタビュアー: ウィッツ博士
インタビュー対象: SCP-3908
ウィッツ: こんにちは、SCP-3908。
SCP-3908: どうも。
ウィッツ: あなたの名前を教えていただけませんか、SCP-3908?
SCP-3908: ええ、私の名前はSCP-3908。待っ──
ウィッツ: それは財団が指定したものです。私はあなたの出生時の名前を知りたいんです。
SCP-3908: わかっています、私の名前はSCP-3908。違う!私の名前はSCP-3908なんだ!違うんだ!
ウィッツ: SCP-3908、あなたの異常性の起源はわかりますか?
SCP-3908: ええ……ある日、私はSCP-3908だった。そして私は──畜生……私はSCP-39──私はそうじゃない!
[SCP-3908はSCP-3908である。ウィッツ博士は当惑している。]
ウィッツ: 落ち着いてください、SCP-3908。
SCP-3908: わかりました……すみません。
ウィッツ: あなたの異常性について説明してください。
SCP-3908: 私の特性は……私はやれる……私の特性は私がSCP-3908であることです。どうして?違う!止めてくれ!私はSCP-3908だ!違う!
[SCP-3908はSCP-3908である。テーブルは現在部屋の反対側にある。]
ウィッツ: SCP-3908、落ち着いてください。
SCP-3908: ええ……ええ……私はSCP-39──
ウィッツ: SCP-3908、どうか落ち着──
SCP-3908: 私はSCP-3908だ!違う!私はSCP-3908だ!神よ、どうかこれを止めてください!これが嫌なのです!
[SCP-3908はSCP-3908である。ウィッツ博士は怪我をしている。]
ウィッツ: インタビューの終了を!
[保安職員が収容チャンバーに入室する。SCP-3908はSCP-3908である。]
SCP-3908: 待ってください!私はSCP-39──
[SCP-3908はSCP-3908である。保安職員がウィッツ博士を回収する。]
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そして次のインタビュー。
インタビュアー: ウィッツ博士
インタビュー対象: SCP-3908
序文: SCP-3908はSCP-3908である。これはSCP-3908がSCP-3908であることを防ごうとしている。
SCP-3908: 先生、これは本当に必要ですか?
ウィッツ: 私たちの最後のインタビューの間、あなたはSCP-390──
SCP-3908: ええ、迷惑ですよね?
ウィッツ: 順序通りに進めましょう。あなたの出身はどこですか?
SCP-3908: ええと……私はSCP-3908で──
[SCP-3908はSCP-3908である。ウィッツ博士はSCP-3908に手を差し出した。]
ウィッツ: SCP-3908がSCP-3908ではなくするために──えー……あなたに自身のことを言及せずに質問に答えてほしいです。
SCP-3908: わかりました、わかりました、できると思います。
ウィッツ: では、いつ、どこで生まれましたか?
SCP-3908: レドモンド、ワシントン州、1978年。
ウィッツ: あなたが覚えている中で最も早くSCP-3908と呼ばれたのはいつですか?
SCP-3908: SCP-3908は──いつ……7才の頃です。
ウィッツ: 他の人はどんな反応をしていましたか?
SCP-3908: あだ名……スキップ(Skip)です。
ウィッツ: そのあだ名は彼らがあなたにつけた名前ですか?
SCP-3908: そうです。
ウィッツ: 友人はいましたか?
SCP-3908: いいえ。
ウィッツ: それが何故か気がつきましたか?
SCP-3908: 私がSCP-3908だったからです。
ウィッツ: SCP-3908、自身に言及することを控えてください。
SCP-3908: ああ、すいません。えーと……怒りっぽいことが問題でした。
ウィッツ: なるほど。インタビューお疲れ様でした、SCP-3908。
SCP-3908: ありがとうございました。
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SCP-3908は会話できるどころか高度にコミュニケーションを取ることができる。しかし一度自身について言及すると、それは全てSCP-3908に置き換えられてしまうのだ。
最初のインタビューで途中に何度も「SCP-3908はSCP-3908である。」と挟まる。これは実際には、「SCP-3908は混乱している」「SCP-3908は激昂している」「SCP-3908は暴れている」「SCP-3908は拘束された」であるはずだが、SCP-3908について言及したときは全て一律に「SCP-3908はSCP-3908である」になってしまうわけである。
そしてウィッツ博士はこれについて、「SCP-3908に言及する」と「SCP-3908はSCP-3908である」と表現される特性の本質を理解したわけである。それはつまり、「SCP-3908」が「文章の主語である場合」である。SCP-3908が自身について言及していても、「私が/は (I am / I do) 」ではなく、単に目的語だけ話せばよかったのだ。だから、「いつ、どこで産まれましたか」に対して「私はワシントン州レドモントで1978年に産まれました」ではなく、「レドモント、ワシントン州、1978年」だけ回答すればこの検閲に引っかからない。その次のインタビューではより詳細を確認することができた。名前はクレイグ・ワトソン。40歳。6月26日産まれ。
これは仮定だが、SCP-3908が日本に生まれていればあまり異常性も気になるものではなかったかもしれない。英語は日本語に比べて主語を明確にしないとフォーマルな会話ができない。
ウィッツ博士はこのインタビューの後、SCP-3908の改訂版ファイルを提案した。それは、報告書としてはかなり端的な、しかしSCP-3908を明確に表現できるものであった。
人間の男性。灰色の髪。茶色の目。1.8メートル。72キログラム。白色人種。40歳。
自己言及型反ミーム。直接話したり書いたりすることはできません。
怒りっぽいことに問題があります。そんなに悪いヤツではありません。
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最終更新:2024/09/17(火) 02:00
最終更新:2024/09/17(火) 01:00
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