ギルデッドミラー 単語


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ギルデッドミラー

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ギルデッドミラーとは、日本の競走馬である。

2017年2月19日生まれ。牝馬。鹿毛。サリオス、イクイノックス、グローリーヴェイズらを抱えるクラブ法人シルクレーシングの所有馬。

馬名の意味は、「金色の鏡。本馬の血統より連想」とのこと。

主な勝ち鞍

2022年:武蔵野ステークス(GⅢ)

概要

血統

父:オルフェーヴル

母:タイタンクイーン

母父:ティズナウ (Tiznow

父オルフェーヴルは黄金色の芸術と例えられる名馬、GⅠ6勝を挙げた三冠馬で、凱旋門賞で2度2着になった。母タイタンクイーンは米国産の繁殖牝馬。代表産駒として、2018年の鳴尾記念(GⅢ)を勝ったストロングタイタンがいる。母父ティズナウはブリーダーズカップ・クラシック(GⅠ)を初めGⅠ4勝を成し遂げた名馬。デビューの未勝利戦を除きすべて馬券圏内という安定した成績を残している。

デビューからクラシック そして、長い低迷

ギルデッドミラーは栗東トレセンの松永幹夫厩舎に入厩し、2019年7月の中京開催の新馬戦でデビューした。鞍上は川田将雅。1番人気に推された彼女はその期待に応え勝利、その後、掲示板には入るが勝利を逃し続けるも、5戦目となる2020年3月の阪神開催の3歳1勝クラスで勝利。

初の重賞挑戦はアーリントンカップ(GⅢ)。鞍上は岩田望来。道中中団に構え、外を回りながら直線に入るも、タイセイビジョンの2着に終わった。

次走のNHKマイルカップ(GⅠ)では、鞍上を福永祐一に変え挑戦。レシステンシアがリードするこのレースで彼女は先頭集団に交じりながら直線に入るも前が他馬でふさがっている厳しい位置取り。しかし、前が空いたのを見計らったのか福永の鞭が入り、タイセイビジョンとシャインガーネットの間から加速、結果はラウダシオンの3着となったが、タイセイビジョンには先着し前走のリベンジを果たした形となった。

デビュー以降掲示板を外さず、GⅠでも3着と力を示し続けたギルデッドミラーだったが、次走の中京記念(GⅢ)では6着と初めて掲示板を外した。以降ギルデッドミラーは何度か掲示板内に入ることはあったが、勝利を掴めない日々が続くこととなった。

癖馬博覧会⁉ 京王杯スリリングカップ

2022年5月14日、ギルデッドミラーは京王杯スプリングカップ(GⅡ)に出走することとなった。偶然にも父オルフェーヴルの生誕日と同じ日であった。鞍上はダミアン・レーン。このレースでは、真面目過ぎた天才美少女として知られるメイケイエールが出走していた。

結論から言えば、ギルデッドミラーは大敗を喫した。ゲートに収まった後、彼女は一度大きく立ち上がるもすぐに落ち着いた。かと思いきや、スタート直前に再び立ち上がり、盛大に出遅れ最後方からのレースとなってしまった。必死に走り、何とか馬群には追いつくもそれでも位置は後方、直線に入ってもそれは変わらず、最終的に9着に終わった。

このような残念な結果に終わったギルデッドミラーだったが、このレース、彼女と同じかそれ以上に目立つ行為をした馬がいた。一頭はこのレースを制したメイケイエール。彼女は元々道中でかかる癖があり、同年のシルクロードステークス(GⅢ)でそれを克服したかと思われていたが、見事にかかってしまい獅子舞のような走りを見せた。それでも一着になるあたり、彼女の実力の高さがうかがい知れる。もう一頭はリフレイム。彼女は元々骨格の問題でまっすぐ走ると外へヨレてしまう癖があった。先頭に立ちながら直線に入るもその癖によって途中から外へ外へヨレ失速し、8着という結果に終わった。

こうして第67回京王杯スプリングカップは、ギルデッドミラー、メイケイエール、リフレイムの三頭が個性あふれる癖を見せたレースとなり、一部からは京王杯スリリングカップと呼ばれることとなった。

詳細は「京王杯スリリングカップ」を参照。

転機 ダートへと転向 そして最後に出会った最高のライバル

何はともあれ、ギルデッドミラーは再び敗北してしまった。しかし、ここでギルデッドミラーは今まで走り続けてきた芝からダートへと転向。

ダート初戦はNST賞(OP)。鞍上は三浦皇成。先頭集団からやや後ろの位置に控えたギルデッドミラーは外を回りながら直線に入ると、一気に加速、同じ松永厩舎所属のノンライセンスを交わして一着となった。3歳時に勝利した1勝クラス以来、およそ2年半ぶりの勝利となった。

ダート初戦かつ牝馬ながらオープン競走を制したギルデッドミラー。次走はグリーンチャンネルC(L)。鞍上は引き続き三浦皇成。中団に構えながら直線に入るも馬群に包まれる苦しい展開。しかし、最内をぬってグレートウォリアーを交わし、さらに前が空いたところで三浦が鞭をうち加速し、先頭のデシエルトに迫るもわずかに届かず、2着に終わった。悔しい結果となったが、厳しい展開にも拘らず2着に食い込んだ彼女の実力は確かなものだったといえる。

引き続き三浦皇成を鞍上にダート戦では初の重賞挑戦となる武蔵野ステークス(GⅢ)
そこでギルデッドミラーにとって最大のライバルと相まみえる事となる。
それこそが翌年2023年フェブラリーステークス覇者となる快速馬、レモンポップである。
京王杯SCでギルデッドミラーより先にゴールしたリフレイムを前走のペルセウスステークス(OP)で悠々と突き放して制し、8戦6勝(うち2着2回)の4連勝100%連帯と絶好調のレモンポップが単勝オッズ1.7倍の1番人気に推される中、ギルデッドミラーは前2走における確かな実力を示したことで単勝オッズ6.0倍の2番人気に推された。 序盤はバスラットレオンがハナをとり、少し離れた位置にレモンポップ、ギルデッドミラーは中団前に構えた。道中、ギルデッドミラーはやや後ろに下がり、そのまま直線に入る。前が壁となっていたが外に持ち出し、前走、前々走以上の豪脚を発揮し一気に加速。レモンポップをハナ差で差し切り、初の重賞制覇を成し遂げた。牝馬にして武蔵野ステークスを制したのはギルデッドミラーが初めてである。

武蔵野ステークスを制したことでチャンピオンズカップ(GⅠ)への優先出走権を手にしたが陣営の判断でこれには出走せず、フェブラリーステークスを目標に年内休養に入ることとなった。
そして年が明け、前哨戦となる根岸ステークスでは3枠6番で出走。
前走での着順を考えれば1番人気に推されてもおかしくないが、ハナ差で制した前走から200m短いという距離の不安もあって単勝オッズは5.1倍の2番人気となり、前走で破ったレモンポップの1.6倍に大きく差をつけられた。レースでは道中後方の外に位置を取り直線に入るが馬群にもまれる苦しい展開となった。何とか外に持ち出し持ち前の豪脚を発揮するも、やはり前走より距離が短かったことも響いて1着のレモンポップには届かず半馬身差の2着に終わってしまった。とはいえ、上り3F35.0秒という出走馬最速の末脚を見せており、次走に期待の持てる結果だったといえる。

次走はフェブラリーステークス(GⅠ)。根岸ステークスでギルデッドミラーを破ったレモンポップ、昨年の帝王賞馬メイショウハリオ、フェブラリーステークス史上初の外国馬シャールズスパイト、同じオルフェーヴル産駒牝馬で昨年のかしわ記念馬ショウナンナデシコ、2021年の全日本2歳優駿馬ドライスタウト、同じく2021年にJBCスプリントを制したレッドルゼル、昨年のフェブラリーステークス2着の重賞5勝馬テイエムサウスダン、浦和の強豪牝馬スピーディキックなど錚々たる面子が出走を予定していた。
中でも競馬ファンの間ではギルデッドミラーとレモンポップの2強レースと評価され、3度目の対決に俄然注目が集まっていた。

ところが、2月7日の調教後に右前脚繋靭帯の炎症と第一指骨の剥離骨折が判明、全治3ヶ月以上と診断され、フェブラリーステークスへの出走は不可能となり、そのまま引退することが決定した。引退後は繁殖馬となる予定である。

そして無念の引退発表から翌2月19日のフェブラリーステークス。ライバルのレモンポップは対抗馬と目されていたスピーディキックやドライスタウト、レッドルゼルらを難なく蹴散らして1着となりG1馬となった。
最後の直線では「必ずあいつが飛んでやって来る」とまるでギルデッドミラーを意識してるとばかりにグングンと他馬を突き放すレモンポップの走りを見た競馬ファン達からは「ギルデッドミラーがもし出走していれば…」「レモンポップの隣を並んで走り抜けるギルデッドミラーが見えた」等の声がSNSで上がり、レース後のTwitterではレモンポップの名前と共にギルデッドミラーの名前もトレンド入りを果たすこととなった。

余談

  • ギルデッドミラーがダートに転向した2022年は、彼女と同じオルフェーヴル産駒がダートで実績を残している。同じ牝馬のショウナンナデシコは牝馬にしてかしわ記念(JpnⅠ)を制覇、他にもエンプレス杯(JpnⅡ)マリーンカップ(JpnⅢ)スパーキングレディーカップ(JpnⅢ)を制し、地方所属のタニノタビトは東海三冠を制覇している。
  • 京王杯スリリングカップ、癖馬博覧会とも形容される京王杯スプリングカップで盛大に出遅れたギルデッドミラー。その次走のNST賞で勝利したが、同じく迷レースを作り出したメイケイエールとリフレイムも次走で勝利している(メイケイエールはセントウルステークス(GⅡ)、リフレイムはパラダイスステークス(L)を制した。)。
  • ダート転向後、見違えるように才能を開花させた事から「もっと早くダートに転向させるべきだったのでは?」という声が競馬ファンの間で上がったが、松永幹夫調教師は「半兄のストロングタイタン(勝鞍:2018年鳴尾記念)を始め芝で活躍する兄弟が多かった事。アーリントンカップ2着、NHKマイル3着と1着は取れずとも芝でも掲示板に入る結果を残してる事からなかなかダート転向の決断が出来なかった」と話し、京王杯スプリングカップでの大出遅れがダート転向を決断するきっかけとなったとも語っている。リンク

血統表

オルフェーヴル
2008 栗毛
ステイゴールド
1994 黒鹿毛
*サンデーサイレンス Halo
Wishing Well
ゴールデンサッシュ ディクタス
ダイナサッシュ
オリエンタルアート
1997 栗毛
メジロマックイーン メジロティターン
メジロオーロラ
エレクトロアート *ノーザンテースト
*グランマスティーヴンス
*タイタンクイーン
2005  黒鹿毛
FNo.8-h
Tiznow
1997 鹿毛
Cee's Tizzy Relaunch
*ティズリー
Cee's Song Seattle Song
Lonely Dancer
Ensnare
1996 黒鹿毛
Seeking the Gold Mr. Prospector
Con Game
*トラップパス Danzig
I Pass

クロス:*ノーザンテースト 5x4(9.38%)、Buckpasser 5x5(6.25%)、Northern Dancer 5x5(6.25%)

関連動画

京王杯スリリングカップと呼ばれるレース

関連リンク

関連項目

  • 競馬
  • 競走馬の一覧
  • オルフェーヴル (父)
  • ショウナンナデシコ(同じオルフェーヴル産駒・牝馬・ダート重賞勝利経験ありという共通点を持つ。)
  • マルシュロレーヌ(上に同じくオルフェーヴル産駒の牝馬。2021年にブリーダーズカップ・ディスタフ(GⅠ)の勝者となった。)
  • 京王杯スリリングカップ
    • メイケイエール / リフレイム(ギルデッドミラーと共に迷レースを見せた牝馬たち)
  • 2020年クラシック世代
  • レモンポップ(ダート転向後、武蔵野ステークスと根岸ステークスで激闘を演じたライバル)
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