ホワイトバンドとは、ボランティア活動の一種である。
以下、かなりくだけた説明を試みる。
一般的には「ほっとけない世界のまずしさ」と言う宣伝コピーで販売されている白いリストバンド風のシリコン製輪ゴムのこと。アクセサリーとして腕に着けるのがポピュラーな使い方。
まずもって、70~80年代に冷戦期に第三世界=発展途上国なる定義がされて以来、大なり小なり様々な支援が貧困にあえぐ彼等になされてきたわけだが、2000年代に入ってもその効果たるや、人によっては「やらない方がマシだったのでは?w」と、様々な事情があったと分かっていたとしても辛辣な意見の1つも口にしたくなるくらい実りのないものであった。
そこで、イギリスやアイルランドで主に活動するNPO団体が「ちまちまカネ集めて送ってももう無駄!むしろこのカネをオレらが『貧困撲滅』を訴える政治活動のために使えばいいんじゃね?そんで賛同者の声がでかくなればれば世界のエライ人たちも動かざるを得ないっしょ。貧困撲滅の具体的なとこはそのエライ人にやってもらった方が効果的じゃね?」という発想をするに至った。
こういった困っている人を直接助けるのではなく、権力者に救済を訴える活動を「アドボカシー活動」(=advocacy)と呼び、その資金捻出のため団体は前述の輪ゴムを売ることになったが、売ることよりも多くの有権者に白いモノを身につけて「貧困撲滅」という意志を外に出して貰うことこそが目的なので「買いたいなら喜んでお譲りしますが、別に身につける白いモノはゴムじゃなくてもオッケーですよ。リボンでもボロ布でも。」「買ってくれたのであれば大部分を我々の活動資金にさせて頂きます」という事前注意がなされていた。
そして05年夏頃にこのムーブメントが日本に上陸するのだが、率先して取り入れたサニーサイドアップはスポーツ業界から中田英寿や北島康介、音楽業界からはMr.childrenの桜井寿和やGLAYのTERU、その他タレントの藤原紀香や作家の村上龍ら有名人に「ほっとけない、世界の貧しさ」という例のコピーと共に静かに指を鳴らして「子供が死んでゆく」などのスタイリッシュなTVCMをうつも、見た目重視過ぎで前述のような直接支援でないアドボカシー活動の意図やボランティアとは一線を画したホワイトバンドプロジェクトの内容をサッパリ伝えられなかった上、販売時にも大した説明をしなかったため、ブームが広がるにつれてネットやブログで「この運動は本当にボランティアの募金活動か?」「なぜ団体の取り分がこんなに多いんだ?何故宣伝費にこんなにカネを使うんだ?」「不当表示の募金サギwww死ねwww」といった怒りが爆発。
CMだけに留まらずサニーサイドアップは「ネットオークションでの転売を禁止する」などと、「多くの人に白いモノを・・・」という目的を反故にしたりするなどの不味い対応を繰り返し、日本では完全に「募金サギ」の印象で定着してしまった。
一方、こういう事件のあった日本市場以外でならこの運動が成功したのかというとそうでなもく、アドボカシーとして為政者達に要求する団体公式の案「多くの最貧国が最貧国である原因は先進国への借金なので、それを帳消しにして下さい」というアイディアも、これまた「どーせ紛争地帯じゃ浮いた金で武器を買うに決まってる」「その購入先は、この団体の本拠・イギリスじゃないか!」「そういうことが容易に想像できるのにホワイトバンドは武器について何にも言ってない。『貧困追放』などと耳当たりの良い主張をしてはいるが、根本的な解決をする気は無いのか?」などと、これまたフルボッコ。
日本での売り方どころか団体そのものへの異議があちこちでも読めるようになった。
⇒http://eco.nikkei.co.jp/column/maekita_miyako/article.aspx?id=MMECcc003007092007
⇒http://blog.livedoor.jp/zarutoro/archives/50176657.html
ブーム期はコンビニでも売っていたらしいホワイトバンドもいまはどこへやら。日本の公式サイト(hottokenai.jp)はさすがになくなっているけど大元となる海外の公式サイトはまだあるみたいですよ。
サニーサイドアップに所属する参加者はノーギャラでPRをしており、同社は利益どころか多額の赤字を出したらしい。
ホワイトバンドに関するニコニコミュニティを紹介してください。
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最終更新:2024/05/06(月) 12:00
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