京都競馬場 単語


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京都競馬場とは、JRA(日本中央競馬会)が所有・管理する日本の競馬場である。

菊花賞と秋華賞、クラシック三冠と牝馬三冠の最終戦が行われる「三冠の終着点」であり、数多くの歴史的瞬間の舞台となっている。

2020年秋から2023年春にかけて大規模な改修工事を行い、馬場の土壌入れ替えとゴール側スタンド(観客席棟)建て替え作業が実施された。

概要

  • 所在地:〒612-8265 京都府京都市伏見区葭島渡場島町32
  • 入場料:200円(京都開催以外の時は無料)
         JRA共通入場回数券8枚つづり1000円 
  • 開催G1競走:天皇賞(春)、秋華賞、菊花賞、エリザベス女王杯、マイルチャンピオンシップ

コースの特徴(芝コースの数値はAコース時)

  • 芝・外: 1894m(直線404m)
    • 芝・外回りの特徴は何と言っても淀の坂と呼ばれる3コーナー。高低差は4.3mである。かつてはここを抑えて登り、抑えて下るのが定石だったが、近年は下りでそのままスパートをかける展開も多い。
      スタンド前の直線は400m超と長めで、淀の坂以外の高低差はほぼ無い。中央4場(東京・中山・京都・阪神)で唯一、直線に坂がないため、京都を得意とする競走馬も多い。
      菊花賞・天皇賞(春)・万葉ステークスなど3000m超のレースでは坂を2回上下するので非凡なスタミナが必須。 
  • 芝・内: 1783m(直線328m)
    • 芝・内回りの特徴は外回りほどではないものの、淀の坂に準ずる坂がある。
      直線が短くなるので先行有利になる。 
  • ダート: 1608m(直線329m)
    • こちらも3コーナーを除いて高低差は無く、好タイムが出やすいコースである。 
  • 障害 : 1414m
    • 3コーナー付近で2種類のコースに分かれる。
      高さ80cm・長さ15.9mのバンケット障害(台に上がって走って下りる障害)が特徴的。 

アクセス

  • 京阪電鉄本線 淀駅 徒歩2分  ※直結の通路が完成したことにより雨に濡れずにスタンドまで行ける。
    • 普段は準急停車駅((ここを始発・終点とする場合は急行も停車)だが、競馬開催日はメインレースの格付けに応じて優等列車の臨時停車が行われる。また競馬開催時のみゲート直結の出入口が使用できる。特に大記録のかかったレースの開催日は臨時列車を増発することも。
  • JR京都線(東海道本線) 山崎駅からバス約20分(15分間隔で運行)
  • 阪急電鉄京都線 水無瀬駅からバス約20分(15分間隔で運行)
  • 自動車での来場も可能、近くに駐車場があり、駐車場からゲートまでのシャトルバスも運行。

スワンメンバーズ

京都競馬場限定のファンクラブ。入会・年会費など一切無料。
会員カードを持参してファンクラブルームに行くと日曜は1ポイント・その他の曜日は2ポイント加算される。
6ポイント以上で限定グッズ・実使用ゼッケン・指定席と交換でき、交換が完了するとそのポイント分が消費される。
ポイントの期限は12月末で、1月になると0ポイントにリセットされ持ち越しされることは無い。

施設

  • ゴールサイド(旧・グランドスワン) - 2つあるスタンドのうち、ウィナーズサークルやゴールに近い側の大型観客席棟。パドックもこちらのスタンド側に存在する。
    屋外指定席スマートシート、スマートシートプラスと、屋内指定席A・Bはこちら。屋内3~4階以上は指定席限定フロアであり、スマートシートプラス以上のグレードの指定席チケットがないと入場できない。
    5階以上は報道・馬主等の関係者専用フロアになっている。
  • ステーションサイド(旧・ビッグスワン) - 淀駅からの直通ゲートに近い側のスタンド。1999年完成。こちらのみ喫煙可能なスタンドとなっている。一階部分は平日払戻所のクイックエリアとなる他、開催G1競走勝ち馬の記録パネルエリアや、一般入場者向けのフードコート、キッズルームが設けられている。
    各種ラウンジ型の指定席はこちら。勿論指定席エリアにはチケットがないと入場できない。
  • パドック - 長い楕円形パドック。ゴールサイド2階から繋がる屋上部分は円状の観覧スペース「パドックリング」となっており、360度オールレンジでパドック観覧が可能。
    2020年まではグランドスワン・ビッグスワンの中央部分に位置しており、全国でも珍しい真円の周回路が設けられていた。中央にはクロガネモチの木がそびえていたが、樹木診断の結果、新パドックへの移植は断念され、伐採された。この木材を文字盤に使用した時計がゴールサイド2Fのスタンドに設置されている他、23年のグランドオープン時には木片を埋め込んだ記念カードが来場者にプレゼントされた。
  • コントレイル像-ディープインパクトと親子で無敗三冠馬となったコントレイルの銅像。旧パドックの芝生広場に設置されている。同馬の馬主・前田晋二より寄贈された。
  • シンザン像 - 「5冠馬」シンザンの銅像。駐車場方面から競馬場への入り口「三冠馬ゲート(旧・シンザンゲート)」のそばに設置されている。
  • 三冠馬メモリアルロード - 三冠馬ゲートから続く屋外展示エリア。ビッグスワン内に展示されていた過去の牡・牝三冠馬全ての馬像を23年代改修に合わせて移設し、展示している。
  • 馬頭観音・ライスシャワー碑 - 各競馬場に存在する馬頭観音の隣に、菊花賞と2度の天皇賞(春)を勝ち、京都開催の宝塚記念で予後不良となったライスシャワーを追悼する碑が建てられている。G1開催日には特に多くの参列者が列をなし、ニンジンや花束を供えるのが恒例となっている。
  • 映像ホール(シグネットホール) - ステーションサイド内に設けられた大学の講義室のような小ホール。トークショーなどの会場となる他、開催日は巨大ビジョンでレース映像が放映されている。
  • 緑の広場 - ステーションサイド隣に存在する広大な公園スペース。エアードームや遊具、ポニー乗馬体験エリアなどが設けられており、子供連れで非常に賑わう。奥のステージではキャラクターショーも行われる。競馬開催に合わせて行われるイベントの会場としても使われる。

その他

  • カレー味のホットドッグが名物。吉野家やCoco壱番屋、もり山といった大手も参入しており食事の種類は豊富だが、競馬開催時はとにかくどの店舗も行列必死。ゴールサイドの指定席エリア限定の店舗もあるため、目当てのレースと相談して計画的に。
  • 馬場の中央は埋め立てされた巨椋池の名残とされ、弁天島という小島と神社がある。
    巨大マルチターフビジョンのほぼ真後ろにあることもあり、あまり気付かれない。 

工事について

2025年に京都競馬場が100周年を迎える記念事業の一環として大規模な改修工事が行われ、2023年3月工事完了。4月22日に再オープンした。細部に関しての残工事は2024年の3月まで行われる。

  • 工期(準備工期および残工期を含めた全体工期):2020年2月-2024年3月
  • 開催休止期間:2020年11月-2023年3月

告知

工事期間中の影響

  • 休止期間中の振替開催は阪神競馬場と中京競馬場で行われるが、例年京都競馬場で開催されているG1は全て阪神競馬場での開催となっていた。これにより直線が平坦な中央開催が一時的になくなるため、坂を苦手とする馬はローカル開催にまわっていた。
  • 開催中止の間もステーションサイド(旧・ビックスワン)において発売・払い戻しは通常通り行われていた。

工事後の変更点

関西テレビのYouTube動画も参照。

  • コースレイアウトの変更は基本的になし。外回りの4コーナー付近の半径を緩やかにした以外は細部の変更はあるものの大きな変更はない。
  • 固く踏みしめられた馬場の土台部分を掘り起こし、新しい砂に入れ替える。クッション性が向上し、馬の負担軽減となるほか、水はけの向上も図る。
  • 芝コースのゴール板のオブジェは京都競馬場の芝コース部分を模したものになった。(外回り内回り、障害コース)またダートコースのゴール板はダートのコースと内側の池を模したものになっている。またスタンド側から見るとこれらを重ね京都競馬場全体を模した様子になる場所もあるとの事。
  • ダートコースのハロン棒の形が△から◇に変わった。
  • グランドスワンを全面建て替えのうえゴールサイドの名称になった。ビッグスワンは名称変更しステーションサイドとなった。なお建物の外観は大きく変わることなく現状維持であるがメンテナンス等は行われた。
  • 名物の円形パドックが他の競馬場と同じオーバル形状に変更される。直線部分で馬体や歩様を観察しやすくするのが目的である。
  • またパドックの中心にあった「クロガネモチの木」は昭和12年(1937年)頃付近の小学校から移植されたものの、樹齢が進み弱っており治療もしていたが樹木診断の結果やむなく伐採の判断となった。伐採した木材は家具等に使われる予定であることが京都競馬場の公式Twitterアカウントなどで案内されていた。(なおこのモチノキの木は予想よりも内部の腐食が進んでいたため、利用できた木材は幹の部分で木製の時計として生まれ変わり、京都競馬場のスタンド内に設置されたことが後のアナウンスで明かされている)
  • クロガネモチの木について (京都競馬場公式Twitterアカウント)
  • モチノキ時計誕生 (京都競馬場公式Twitterアカウント)

その他

  • 2020年10月はデアリングタクトとコントレイルがそれぞれ無敗での牝馬三冠とクラシック三冠を達成。休止前最後の開催月となった京都競馬場に花を添えた。
  • 2023年4月6日、コントレイルの銅像が旧パドック跡に設置。同日除幕式が執り行われた。
  • 芝コースのゴール板のコースを模したオブジェの側面にはそれぞれ「OUTER OVAL」「INTER OVAL」「STEEPLE CHASE」の文字が刻まれている。

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関連項目

  • 競馬
  • 京都 - 京都府 - 京都市 - 伏見区 - 淀

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